見出し画像

【Twitter連携企画】クイズ★進振りケース(CASE01)

 オンライン授業が始まって早1ヶ月。新しい生活様式での「大学生活」に慣れてきた人も多いのではないだろうか。しかし一方で、定期試験や成績評価、そして特に、進学選択、いわゆる「進振り」には不安を抱えているだろう。コロナ禍の影響を完全に取り除くことはできないが、我々にできるのは進学条件を今一度確認し、問題なく志望学部・学科に進む準備をすることだ。
 UT-BASE公式Twitter( https://twitter.com/UtBase )で行われている、進振りのあれこれを具体的な例を用いて理解する「クイズ 進振りケース」。第1回は全ての始まりである成績についての問題だ。解説もあるので、ぜひ参考にしてみてほしい。なお、断りの無い限り、既習外国語(英語)と初修外国語を選択した非TLP生を想定しているので、これに該当しない人は適宜、『履修の手引き』を見て確認してほしい。

CASE01 【単位・得点の基礎】

【問題】
 1年生である米主(べいす)君は、Sセメスターの木曜日と金曜日に自分が履修している授業の単位数を今すぐに知る必要がある。
そこで、画像にある米主君の木曜日と金曜日の時間割を見て、この2日間の単位数の合計を教えてあげよう。

スライド7

【選択肢】
① 14単位
② 11単位
③ 10単位
④ 9単位

(Twitterでの出題はコチラ)

知識の確認

 問題の解答解説の前に、東大の成績に関することを説明しよう。あまりなじみのない人もいるだろう「単位」・「評語(評価)」・「評点(原評価)」という概念を説明する。なお、東大では開講されている個々の授業を「科目」と呼んでいるが、ここではわかりやすいように「授業」で統一する。

■単位
 「単位」とは、「あなたはこの授業に合格しました」という証。合格すると、科目ごとに決まった数の単位が与えられる。大学の進級・卒業、そして進振りへの参加は獲得した累計の単位数に基づき決定される。したがって、当面の皆さんの目標は「単位を集めること」ということになる。
<参考>
『履修の手引き』6ページ

■原評価と単位認定
 では、単位の認定はどの尺度を基準に行われているのか?それは「原評価」である。原評価というと難しく感じるが、単に授業ごとの評価点数のことである。授業でのパフォーマンスを総合して教員が点数化し、それに基づいて単位の認定を行う。前期教養学部では、原評価が50点以上なら合格で単位が取得できる。それ未満なら不合格、いわゆる「落単」だ。

■原評価と評語
 また、原評価は「評点」として、進振りに使用する「基本平均点」及び「指定平均点」の計算に使用されるほか、「評語」(評価)の決定にも用いられる。「評語」の正体は、普段皆さんがよく使っている「不可・可・良・優・優上」である。これらは原評価(点数)によって決められていて、キャップ制の解除の条件になったり、GPAの算出基準になったりする。(ただし、前期教養学部にはGPAは導入されていない。)
<参考>
『履修の手引き』35ページ(評語)
『履修の手引き』10ページ(キャップ制)
「セメスター毎の履修登録単位数の上限(キャップ制)の解除について」(2019年), http://www.c.u-tokyo.ac.jp/zenki/news/kyoumu/201908kaijyo.pdf, アクセス日:2020/05/29

スクリーンショット 2020-05-30 11.29.52

 実は、原評価と評語の関係は学部ごとに決定されているものなので、後期課程では可(合格)の最低ラインが60点であるところもある。

 以上が東大の成績関連の話であった。原評価と単位・評語・基本平均点との関係性を図で表すとこのようになる。なお、「基本平均点」については後日出題の問題で解説する。原評価は以上に説明したほかに、「平均合格」(『履修の手引き』42ページ)や外国語科目の「特修クラス」(同43ページ)の判定などにも用いられる。

(図:原評価と各種成績の関係・各種成績の用途)

スライド8(上記の各用語は、実際に使われる場面では表記が揺れたり異なった言い回しがされたりすることがあります。例えば、「原評価」や「評点」は単に「点数」と表記されることもあります。)

問題の解説

 では、問題の解説に入ろう。ここでは成績の基本のキ、単位数を正確に数えられるようになることを目指そう。毎年と言ってよいほど単位の数え間違いで痛い目を見る人がいるので、侮ってはいけない。
【問題】

スライド7

【選択肢】
① 14単位 ② 11単位 ③ 10単位 ④ 9単位

【解答】

【解説】
 まず、単位数計算の原則を確認しよう。
①週1回行われるセメスター制の科目 → 2単位
②週1回行われるターム制の科目 → 1単位
③その科目が「実験・実習」の科目 → ①や②の単位数を1/2倍する
④週2コマの科目 → ①~③の単位数を2倍する

 なお、どの科目(授業)が実験・実習に該当するかは、科目名やシラバスの単位数の欄を見て判断する。
<参考>
『履修の手引き』6ページ

 また、集中講義やいわゆる自主ゼミは、以上の原則通りにならない場合があるので、必ずシラバスの「単位」の欄を確認しよう。

 さて、問題を解いていこう。1科目当たりの標準的な単位数は2単位であるから、先にそれ以外のものを確認する。
・木曜4限(木4)の「英語一列①」は表の下段に書かれていることからS2タームのみに開講される科目(講義形式)だとわかる。したがって、②より1単位だ。
・金2の「スポ身」は、週1回行われるセメスター制の科目であるが、「実習」に該当するため、原則の①かつ③よりその単位数は1単位である。
・月1・月2の「UT-BASE実習」は、表の上段に書かれているからS1ターム開講の科目である。さらに、週2コマ行われていることや科目名に「実習」とついていることに注目すると、その単位数は、②かつ③かつ④より1単位であるとわかる。
・その他の3科目はセメスター制の週1コマの科目(講義形式)──①に該当──だから2単位である。

したがって、求める単位数は
1 + 1 + 1 + 6 = 9(単位)
になる。

なお、ハズレの各選択肢は次のような計算方法をとった。
① 14単位 →全科目を2単位で計算
② 11単位 →実習の科目でも単位数を1倍で計算
③ 10単位 →実習を全て1コマ1単位で計算
(終)

 以上のことは基本的にほぼ全て『履修の手引き』に掲載されている。万が一履修条件の抜け漏れがあった場合は、すぐに手引きを参照しよう。特殊な成績計算方法を採用している学部・学科もあるため、各位志望に合わせてチェックしてほしい。
 また、進振りに関する詳細な情報を掲載しているUTaisaku-Webや成績を入力すると自動で基本平均点を計算してくれるUTESなどのサイトを活用するのも有効だろう。
もちろん、UT-BASEでも進振りに関する耳より情報をご提供していく予定なので、参考にしていただければ幸いである。次回のクイズは「進学選択参加要件の充当」をテーマに出題する。お楽しみに!

補充問題

【CASE01 補充】
理科一類の2年生のSセメスターに関する記述として最も正しいものはどれか。ただし、「身体運動・健康科学実習」は1年生の内に2単位を取得しているものとする。
① 必修の単位がSセメスター全体に継続して4単位ある。
② 必修の単位がS1タームを通して4単位ある。
③ 基礎科目「物性化学」は週2コマの開講であるから4単位である。
④ S1タームにある必修の科目数は4科目である。

【解答解説】
 実は、『履修の手引き』の58ページ以降には各科類の履修プログラムが掲載されていて、ここを見ることで、いつ・何を履修すればよいのか一目で把握することができる。本問もそれを見ることで②が正解だとわかる。①は「セメスター全体に継続して」が誤り。S1タームのみだ。③は後半が誤り。週2コマのターム制の授業なので2単位である。④は3科目の誤り。

いいなと思ったら応援しよう!