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【Twitter連携企画】クイズ★進振りケース(CASE13)

 オンライン授業が始まって早1ヶ月。新しい生活様式での「大学生活」に慣れてきた人も多いのではないだろうか。しかし一方で、定期試験や成績評価、そして特に、進学選択、いわゆる「進振り」には不安を抱えているだろう。コロナ禍の影響を完全に取り除くことはできないが、我々にできるのは進学条件を今一度確認し、問題なく志望学部・学科に進む準備をすることだ。
 UT-BASE公式Twitter( https://twitter.com/UtBase )で行われている、進振りのあれこれを具体的な例を用いて理解する「クイズ 進振りケース」。第13回は自然科学についての出題だ。よって今回は理科生のみが対象になる。解説もあるので、ぜひ参考にしてみてほしい。なお、断りの無い限り、既習外国語(英語)と初修外国語を選択した非TLP生を想定しているので、これに該当しない人は適宜、『履修の手引き』を見て確認してほしい。

CASE13【追い出しの基礎】

【問題】
理科二・三類6組の場瀬(ばせ)さんは、自然科学を全てギリギリ切り抜けてきたツワモノである。彼女はせめて何か追い出そうと考え2S2タームに「生命科学実験」を履修した。そこで画像の空欄に入る数字の組を選びなさい。

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【選択肢】
① ア
② イ
③ ウ
④ エ

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知識の確認

 今回は、理系の必修について、追い出しの可否を考えていく。理科各類に共通して言える、理系特有の事情が潜んでいるので、しっかりと読み込んでほしい。

■自然科学の単位
 自然科学に含まれる科目群は、基本的には必修の単位であるが、中には履修が任意である科目も存在する。そこで、『履修の手引き』を参照しつつ、何が任意の科目なのかを見ていこう。以下、[ ]内にある数字は『履修の手引き』のページ数を表す。

〇基礎実験[p.18]
 →2S2タームで履修できる基礎実験が任意選択。必修は全3単位

〇数理科学[p.19]
 →理科二類・三類生は1S1タームに開講の「数理科学基礎演習」・「数学基礎理論演習」が任意選択。必修は全12単位(理科一類)/ 10単位(理科二類・三類)

〇物質化学[p.20]
 →すべて必修(10単位)。任意選択の科目はない。

〇生命科学[p.21]
 →すべて必修(1単位(理科一類)/4単位(理科二類・三類))。任意選択の科目はない。

 以上で挙げた、任意選択の科目が、この先の話で取り扱う存在だ。なお、各必修科目について、どの科目をどの時期に履修するかが気になる人は、上記で記載したページや、[p.61~63]を参照しよう。特に、[p.61~63]はいつ・何を履修するかが一覧になっているから見やすいだろう。


■自然科学の追い出し
 さて、今回の本題であるが、基礎科目の「自然科学」の科目は追い出すことはできるであろうか?同じ基礎科目である既習外国語や初修外国語などは追い出しをすることはできない。追い出しをしようにも、定められた単位数以上を履修することはできないために追い出しで使える科目が存在しないからだ。
 となると、必修として定められた単位以上に履修ができる「基礎実験」や、理科二類・三類の「数理科学」は、任意選択の科目を履修することで、どうも追い出しができそうに思える。

結論から言おう。
「自然科学」で追い出しはできない。

 なぜであろうか?重率が1で計算される単位数よりも多くの単位を履修するのだから、追い出しが発生してもいいのだが、どうやら例外的に追い出しが行えないようだ。その例外が定められているのが、『履修の手引き』の55ページである。
 55ページに記載の表で、「理科一類・二類・三類生」の「4)」を参照してほしい。ここには、それぞれの「科目の枠組み」の中で、何単位が重率1で計算されるかが記載されている。自然科学の「重率1の枠」を見てみると、「任意選択科目を除く26/27単位」と書かれている。この「任意選択科目を除く」というのが重要で、つまりこれは、「先に紹介した任意選択科目は自然科学の重率1の枠に算入されない」ということを意味する。
 そうなると、自然科学についても、既習外国語などと同様に、追い出しに使える科目が存在しないことになり、追い出しができない、ということになる。 


■任意選択科目の扱い
 それでは、せっかく履修した任意選択科目は進振り上、どのように扱われるのだろうか?再び『履修の手引き』の55ページを見よう。表の「6)」を見ると、「2S2ターム・2Sセメスターまでに単位取得した任意選択の基礎科目」と書かれており、任意選択の基礎科目とは、任意選択の自然科学の各科目のことを指している。
 任意選択科目は55ページの「6)」に従って処理されることが分かった。そこで、任意選択の基礎科目の重率を見ると、55ページの「6)」には「重率0.1」と記載してある。せっかく履修した任意の選択科目は、強制的に重率が0.1になってしまうのだ。

 さらに、55ページの「6)」には「2S2ターム・2Sセメスターまでに単位取得した任意選択の基礎科目」と書かれていることにも注目しよう。「履修登録した」と書かれていないから、もし任意選択の科目で単位を取得できなかった(落単した)場合は、その科目は基本平均点には算入されない。(重率を0とみなすことができる。)

 以上をまとめると次のような図に整理できる。

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問題の解説

以上で学んだことの復習として、問題の解説をしよう。

【問題】

スライド54

【選択肢】
① ア
② イ
③ ウ
④ エ

【解答】
①(ア)

【解説】
 自然科学の科目は、たとえ任意選択の科目を履修したとしても、追い出しを行うことができない。したがって、必修である「基礎科学実験」(理科一類は「基礎実験Ⅰ」)の重率は1である(『履修の手引き』55ページの「4)」に該当する)。そして、任意選択の「生命科学実験」は、無事単位が取得できているので、『履修の手引き』55ページの「6)」に該当する。すなわち、その重率は0.1である。よって、選択肢①(ア)が正解である。
(終)

 以上のことは基本的にほぼ全て『履修の手引き』に掲載されている。万が一履修条件の抜け漏れがあった場合は、すぐに手引きを参照しよう。特殊な成績計算方法を採用している学部・学科もあるため、各位志望に合わせてチェックしてほしい。
 また、進振りに関する詳細な情報を掲載しているUTaisaku-Webや成績を入力すると自動で基本平均点を計算してくれるUTESなどのサイトを活用するのも有効だろう。
もちろん、UT-BASEでも進振りに関する耳より情報をご提供していく予定なので、参考にしていただければ幸いである。次回は複雑なシステムを有する総合目L系列の追い出しの問題を出題する。お楽しみに!

補充問題

【CASE13 補充問題】
本問において、場瀬さんが2S2タームに履修した「生命科学実験」の点数が0点だった場合、①・②に入る値の組として適切なものはどれになるか?

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【解答解説】
『履修の手引き』55ページの「6)」には「2S2ターム・2Sセメスターまでに単位取得した任意選択の基礎科目(重率0.1)」と書かれているので、これを反対解釈すると「2S2ターム・2Sセメスターまでに落単した任意選択の基礎科目は基本平均点に含まない」ということになる。したがって、重率は0と見做すことができる。よって答えはエ。なお、当然「基礎科学実験」の重率は1のまま変わらない。

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