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Vol.44「今の週刊少年ジャンプ、昔と比べて雑誌生え抜きの漫画家少ない説」

未だに一昨日の空木あんぐ先生の新作読み切り発表の報が頭から抜けていない。再生学校終了後、今後オリジナル作品を発表するとしてもよくアンソロを寄稿しているカドカワ系の雑誌だと思っていたので、一ツ橋にある集英社、しかもジャンプの冠がついている雑誌『ウルトラジャンプ』での掲載とはまったくもって予想外だった。

ジャンプの冠がついている雑誌での読み切りということは、週刊少年ジャンプにも広告が掲載される可能性があるということで、日本で一番売れている漫画雑誌に広告という形とはいえ名前が載るという快挙をあんぐさんは成し遂げる(予定)なのである。9年前に存在を知った時や、その2年後にファンになった時は、まさかあんぐさんがそこまでのビッグネームになるとは思ってもいなかった。何年か前に『アオハル』というヤングジャンプの増刊雑誌のアンケートで描いて欲しい作家にあんぐさんの名前を書いた覚えはあるが、あの伏線が今年になって回収されるとは。

つまり、今後あんぐさんが日本で一番売れている漫画雑誌に漫画を掲載するという漫画家なら一度は夢見たことがあるであろうビッグドリームを叶える可能性があるのだ(最近は猛暑だが熱中症にはまだなっていないことを先に言っておく)。まあ、目先の目標は読み切り好評からの連載化なので、みなさんアンケートを出そう。

さて、前置きが長くなってしまった。こんなことを長々と語ってしまったのも、今のジャンプ連載作家がジャンプ出身である割合がすっかり少なくなったからあんぐさんにもワンチャンあるのではと思ったからである。そして、実際そうなのか?と疑問に思って調べて見た。まずはジャンプから。

・『ONE PIECE』尾田栄一郎
言わずと知れたジャンプ生え抜きの漫画家。1992年に「WANTED!」で手塚賞準入選。甲斐谷忍・徳弘正也・和月伸宏のアシスタントを経て、1997年に『ONE PIECE』連載開始。

・『HUNTER×HUNTER』冨樫義博
こちらも説明不要のジャンプ生まれジャンプ育ち。『幽☆遊☆白書』、『レベルE』などの傑作を発表後、1998年から『HUNTER×HUNTER』不定期連載中。

・『銀魂』空知英秋
受賞経験はないものの、2002年に『だんでらいおん』でデビュー。2003年から『銀魂』連載中。生粋のジャンプ作家。

・『ハイキュー!!』古館春一
2010年に『詭弁学派、四ッ谷先輩の怪談。』を連載後、2012年から『ハイキュー!!』連載中。やはりジャンプデビューの生え抜き。

・『食戟のソーマ』原作:附田祐斗、作画:佐伯俊
附田祐斗:2010年に『少年疾駆』を連載したのち、2012年から『食戟のソーマ』の原作を担当。ジャンプ生まれのジャンプ育ち。
佐伯俊:似たような画風の成年漫画家がいるようだが、あえて触れないでおく。(なぜかそっちで検索したら佐伯先生の名前が出るけど)2011年にジャンプNEXT!で『キミと私の恋愛相談』掲載後、2012年から『食戟のソーマ』の作画を担当。一応ジャンプ生まれジャンプ育ち。

・『ワールドトリガー』葦原大介
2008年に手塚賞準入選作『ROOM303』にてジャンプデビュー。2009年から2010年にかけて『賢い犬リリエンタール』を連載したのち、2012年に『ワールドトリガー』を連載開始。ジャンプ生まれジャンプ育ち。

・『火ノ丸相撲』川田
ここまで全員生粋のジャンプ作家だったが、川田先生のデビューは『モーニング』何度か『モーニングツー』にて作品を掲載したのち、手塚賞で佳作を受賞。藤巻忠俊のアシスタントを勤めたのち、2014年に『火ノ丸相撲』を連載開始。

・『僕のヒーローアカデミア』堀越耕平
2006年に『ヌケガラ』で手塚賞の佳作を受賞。2007年に『赤マルジャンプ』でデビューを果たしたのち、2010年から2011年に『逢魔ヶ時動物園』、2012年に『戦星のバルジ』を連載。2014年から『僕のヒーローアカデミア』を連載中。ジャンプ生まれジャンプ育ち。

・『ブラッククローバー』田畠裕基
2001年に天下一漫画賞にて、「墓守 HAKAMORI」で審査員特別賞を受賞し、2004年に手塚賞にて、『XXX WITH NO NAME』で佳作を受賞。『赤マルジャンプ』に掲載された読切『ガランス』でデビューしたのち、2012年から2013年まで『HUNGRY JOKER』を連載。
2015年から『ブラッククローバー』を連載。ジャンプ生まれのジャンプ育ち。

・『ゆらぎ荘の幽奈さん』ミウラタダヒロ
2011年にジャンプNEXT!掲載の読切『ふぁみドル!』にてデビューしたのち、2012年に『恋染紅葉』(原作:坂本次郎)を連載。2016年から『ゆらぎ荘の幽奈さん』を連載中。弟子とは違い正真正銘のジャンプ生まれジャンプ育ち。

・『鬼滅の刃』吾峠呼世晴
2013年に『過狩り狩り』にてJUMPトレジャー新人漫画賞の佳作を受賞したのち、2014年に『少年ジャンプNEXT!!』にて読切『文殊史郎兄弟』を掲載しデビュー。2016年から『鬼滅の刃』を連載中。生粋のジャンプ作家。

・『BORUTO -ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-』池本幹雄
1997年に『天下一漫画賞』に投稿作『COSMOS』が入選。同年の『週刊少年ジャンプ』に掲載される。その後、MIKIO IKEMOTO名義で『COSMOS』を芸術生活社の『PLASMA』にて2年間連載し、その後『NARUTO』のアシスタントを15年勤め、2016年から『BORUTO -ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-』を月一連載中。一応ジャンプ生まれのジャンプ育ち。
原案の岸本斉史は説明不要の生粋のジャンプ作家、脚本の小太刀右京はアニメ畑の人。

・『約束のネバーランド』原作:白井カイウ、作画:出水ぽすか
白井カイウ:2015年に『少年ジャンプ+』(集英社)にて読切作品『アシュリー=ゲートの行方』(作画:Rickey)の原作者担当としてプロデビュー。その後作画担当の出水ぽすかと手を組み同サイトにて二作目の読切作品となる『ポピィの願い』を発表。2016年より『約束のネバーランド』(原作担当)を連載中。ネット時代とはいえこれも一種のジャンプ生まれジャンプ育ちの作家。
出水ぽすか:2012年から2015年にかけて、小学館の幼年向け雑誌にて作品を発表。2016年より『約束のネバーランド』(作画担当)を連載中。元々はイラストレーターとしてデビューした作家である。

・『ぼくたちは勉強ができない』筒井大志
『エスプリト』、『フカシギフィリア』、『STEINS;GATE 比翼恋理のスイーツはにー』を『月刊コミックブレイド』にて連載。『IDOROLL』を『グランドジャンプPREMIUM』にて連載したのち、『ニセコイ』(作者:古味直志)のスピンオフ『マジカルパティシエ小咲ちゃん!!』を『少年ジャンプ+』にて連載。同時期に、『月刊コミック電撃大王』にて『ミサイルとプランクトン』(原作:田中ロミオ)を連載していた。2017年より『ぼくたちは勉強ができない』を連載中。他誌の方が長いという他所からの抜擢。

・『Dr.STONE』原作:稲垣理一郎、作画:Boichi
稲垣理一郎:『ストキン』キング受賞のインパクトからジャンプ生え抜きの作家かと思ったら違った。何回か『ビッグコミックスピリッツ』にて読切を掲載したのち、2001年に『アイシールド21』にて『ストーリーキング』キング受賞。2002年から2009年にかけて『アイシールド21』(作画:村田雄介)を連載。2017年から『Dr.STONE』の原作を担当。
Boichi:1993年に韓国にて『少女漫画』でデビュー。その後『サンケンロック』などの作品を連載し、2017年から『Dr.STONE』の作画担当。ジャンプと同じく毎週月曜日発売の『週刊ヤングマガジン』にて『ORIGIN』を連載中でもある。

・『アクタージュ act-age』原作:マツキタツヤ、作画:宇佐崎しろ
2017年に読切『阿佐ヶ谷芸術高校映像科へようこそ』を発表したのち、2018年より同コンビで『アクタージュ act-age』を連載中。おそらく両者ともジャンプ生え抜きの作家と思われる。

・『呪術廻戦』芥見下々
週刊少年ジャンプにて2015年に読切『No.9』を、2016年に読切『二界梵骸バラバルジュラ』を発表。2017年に『ジャンプGIGA』にて『呪術廻戦』の前身となる読切『東京都立呪術専門高等学校』を発表したのち、2018年より『呪術廻戦』を連載中。ジャンプ生え抜き作家。

・『ノアズノーツ』池沢春人
2009年にJUMPトレジャー新人漫画賞にて、『ATELIEA -アトリア-』で佳作受賞。その後ジャンプにて『クロガネ』、『ものの歩』を連載。2018年より『ノアズノーツ』を連載中。生粋のジャンプ作家。

・『紅葉の棋節』里庄真芳
2017年に『紅葉の棋節』のベースとなる『モミジの棋節』をジャンプGIGAに連載。2018年より『紅葉の棋節』を連載中。おそらくジャンプ生え抜き作家。

・『キミを侵略せよ!』稲岡和佐
2017年にて前身となる読切『キミを侵略せよ!』をジャンプGIGAに発表。2018年より連載中。おそらくジャンプ生え抜き作家。

・『総合時間事業会社 代表取締役社長専属秘書 田中誠司』天塚啓示
2016年に週刊少年ジャンプにて前身となる読切『特別国家公務員改造者対策課 田中誠司』を発表。2018年より『総合時間事業会社 代表取締役社長専属秘書 田中誠司』を連載中。生え抜きのジャンプ作家。

・『アリスと太陽』凸ノ高秀
2017年に週刊少年ジャンプにて前身となる読切『アリスと太陽』を発表。2018年から連載として『アリスと太陽』を連載中。生え抜きのジャンプ作家ではなく、元は凸ノ名義でオモコロライターとして活動しており『童貞骨牌』という書籍や、まんが王国にて『蝉の恋』を発売している。

というわけで現在ジャンプで連載している作家26人のうち20人がジャンプ生え抜き・・・って、あれ?案外多い。

やはり西尾維新がめだかボックスでいきなり連載を始めた印象が大きかったのか。意外と他誌デビュー作家は少ないという結論が出た。

さて、6/26を少なくみるか、案外他誌の作家にも可能性があるのでは?と思うかはあなた次第という訳で今日の日記は終わり。本当は他の週刊少年誌も調べたかったけど思ったより時間がかかったのでまたの機会に。最後の方が杜撰ですしね。3時間もかかった。

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富士口勇生
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