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無印本命 いつまでもザコと思うなよ2024

はじめに 

本書は宣言の書である。

ここで言う宣言とは、

「目標へ向けて行動を起こす前に、公式に自分の意志を表明すること」

「現実はどうあれ、これから新たに行動を起こす決意を明らかにするだけ」(ハーブ・エッカー)という意味である。

そして、本書の登場人物は現時点では「ザコ」の状態から抜け出しているわけではない。

つまり、本書の出版をきっかけに、「無印」(世間的にノーマークの存在)で「ザコ」の現状を抜け出すことを公式に表明するための出版なのだ。

※ちなみに、無印本命とは、今は無印だが心の中では自分がNo.1(本命)と思っている人のことである。そんな無印本命な人を応援する「無印本命プロジェクト」が2008年10月20日にスタートし、これまでに『無印本命』シリーズとして3作が出版されている。

2009年に紙の本で出版した『無印本命』のコンセプトはミュージシャンが共同でやるライブイベントの書籍版だ。

共同でやるライブには、それぞれのミュージシャンのファンが集まる。

同様に、500人のファン(読者)を持つ著者が10人で共著を出せば本が5000部売れても不思議ではない。

500部しか売れない本を出すのは自費出版じゃないと無理だろうが、5000部売れる見込みがあれば、喜んで本を出してくれる出版社は必ずある時代だ(実際、最近は初版2000部から4000部程度の商業出版も珍しくないくらい紙の本は売れていない)。

ちなみに、私がプロデュースした名古屋の居酒屋・奥志摩グループの中村文也会長の処女作『あほな奴ほど成功する』(星湖舎)の初版は3000部弱だ。

また、私と社長との居酒屋での雑談から本になった『はまじとさくらももこと三年四組』(青志社)の初版も4000部くらいだと聞いた記憶がある。

2000部が商業出版の最低限のハードルだとしても無名の人間の本を2000部売るのは簡単ではない。

だからこそ、共著なのだ。

私はこれまでに3冊の自著を書店に並べることができた。

自分の本が書店に並ぶ体験というのは一度体験した者にしかわからない無上の喜びがある。

本書を読んだ、今は一読者のあなたが、「私も『無印本命』だよ」と名乗りを上げ、『無印本命』シリーズの著者の側に回る日が来るのを心待ちにしている。

2014年9月22日 無印本命プロジェクト代表 作家 臼井正己 
2022年8月14日 改訂
2023年7月15日 改訂
2024年4月29日 改訂

2021年版追記

2020年の12月22日から風の時代に入ったという。

そこから無印本命な3人が突如、私の前に現れた。鶴田有哉さん、ぽちゃんさん、ミッタークろみさんだ。

この3人については後程紹介したい。

また、2021年の6月に原田翔太著『絶対領域』(青志社)が発売になった。
原田さんが説く「絶対領域」や「はぐれもののすすめ」は無印本命になりたい人にとって必要な考え方だと思うので、本noteの読者なら必ず読んでもらいたい一冊だ。無印本命になるための必携のバイブルといっても過言ではない。

追記が長くなったが、本文に戻る。

08年の末に1冊の本を読んだ。
その本について09年の元旦に1つの文章を書いたので、ここで紹介する。

正己日記2009 1月1日 究極のビジョン

※これは『星と泉』(星湖舎)第2号投稿用の「日記」である。エッセイではない。それを頭に入れて以下の文章を読んで頂きたい。

ブログなどのSNSの普及により「不特定多数に公開」するための「日記」という概念が今ではすっかり認知されたのではないだろうか。

私が最初に今回のような日記形式の文章を本誌のような投稿文芸誌に発表したのは2000年に『ぶんりき』(彩図社)に投稿した「正己日記2000」だったと思う。

当時はブログがない時代である(ADSLが爆発的に普及したのが01年から03年)。
従って日記形式の文章を、わざわざ不特定多数の人に公開することへの違和感や批判があった。
ちゃんとエッセイにしてから発表しろというのが世間の常識だったのだ。

『ぶんりき』が2000年に休刊になったあと、私は本誌の前身である『星窓』にも懲りずに何回か「正己日記」という作品を発表してきた。
いずれ、それらをまとめて『正己日記』として出版したいと思っている。それも自費出版ではなく商業出版で。

「しょこたん」こと中川翔子を筆頭に、有名人の書いたブログ本が次々と商業出版されているので、私が有名人になった暁には『正己日記』の商業出版は全然おかしくないはずだ。もちろん、その大前提として、私が有名人になるという高いハードルがあるが……。

※本投稿は『星と泉』に無事採用され掲載された他、2012年5月に商業出版された拙著『毎日が革命』に収録された。

そして、2014年、「有名人になるために」ネット番組「ソーシャルハウス」のオーディションに合格し、9月7日から私が出演するWEEK2の配信が公開されたが、9年経っても再生回数は2000回を超えた程度であり大ゴケの企画となってしまっている。

また、2021年10月11日から3日間に渡り「令和の虎」に出演し「無印本命」について語った。第1回の再生回数は2024年4月現在約38万回あるので「ソーシャルハウス」に出演した時よりは有名になったと言えるが、まだまだ無名であるのが現実だ。

さてさて、前置きが随分、長くなったが(これがマサミスタイル!)、本題の「究極のビジョン」の話に入る。

究極のビジョンという言葉はマイケル・ボルダックの『目標達成する技術』という本に書いてあった言葉だ。
究極のビジョンは「大目標や夢」と言い換えてもいいだろう。

私が常に欲しているのは「単なる言葉遊びではなく、成果を上げるための情報」である。

従って、優れた情報であれば文章が少々まずくても気にはしない(本稿もそういう視点で読んで頂ければ幸いだ)。

「これさえ実現すればいつ死んでもいい」というゴールが設定できて、その実現方法がわかれば、充実した毎日を送ることができるのではないだろうか。

私は昨年までの32年の人生の中で(現在は48才!)古今東西の有名な自己啓発や成功哲学に関する書籍や教材、セミナーに自己投資をしてきた。

特に97年に大学を中退し、学歴社会から完全にドロップアウトして、カネなし、コネなし、学歴なし、技術なしの状態で社会人になってから昨年までの間に学んだことは一生ものの財産だと思っている。

人生は「学校では教えてくれないこと」の方が重要だと思う。

本誌の創刊号で紹介した『成功王』『加速成功』『メンタルパワー』などの著者である道幸武久氏は幸せと成功を両立させるためにバランスをとらなければいけないものとして「戦略・マーケティング」「成功哲学」「精神世界」の3分野をあげている。

この3つの分野の中で「戦略・マーケティング」を除いては成功王の道幸武久氏に、それほどひけをとらないと自負しているし、そう話をすると納得してくれる知人も多い。
だから、私が今後マスターした方がいい分野は言うまでもなく、
「戦略・マーケティング」

なのだが、「自分に足りない分野は得意な人と手を組むことで補える」のも事実である。

そういう考え方を背景にして、当面、私がとる戦術は、
「これまで学んだ成功哲学を洗練し、アウトプットすること」だ。

本稿や創刊号の文章(3作品中2作品は『毎日が革命』に収録)は、そのアウトプットの1例である。
まだまだ洗練が足りないのは承知しているが、「本稿を今日中に完成させることが今日の最重要事項」であるし、明日、生きていない可能性だってあるわけだから、今日、本稿を編集部にメールで送信することに意味があるのだ(幸運にも私が明日以降にも生きていればリライトする機会はあるのだから)。

などと書いてコーヒー・ブレイクしている時に、たまたま96年から書いている「5年日記帳」を開いたら、07年の1月1日の日記が「飯島愛・原作の『プラトニック・セックス』のDVDをレンタルして見た。命の重さを再認識した」という内容だった。

ご存知のように飯島愛さんは08年の12月に36才の若さで突然、亡くなった。
今年こそは、いつ死んでも悔いのないように生きたいものだ(本稿を加筆、修正していた2021年11月11日の前日には細木数子さんの訃報が報道された)。

閑話休題、私の究極のビジョンは、

PHB(本を通じた繁栄と幸福)の実現である。
※prosperity and happiness through books

PHBを簡単に言えば、
「幸せな人生を送ったり、繁栄をもたらす考え方が載っている本を紹介したり、自ら制作、販売すること」だ。

これは99年に出版した処女作『0から始める幸福論』にも書いたことだし、拙著の出版自体が当然、PHB実現への行動の1つである。

ビジョンや理想を語るのは重要なことだが、それを実現させてこそ価値がある。

究極のビジョンを実現させるために数ある成功哲学の方法の中から本稿ではボルダックのものを採用した。
つまり、「ボルダック流、成功哲学を使ってPHB実現に向かって行動するプロセスを発表すること」で読者の皆さんに新たな「成功物語」を提供するというわけだ。

もちろん、達成には一定の時間がかかるし、私が自己実現する過程を見届けても読者の皆さんは「ちっとも面白くない」だろうから、ここで、いったん読むのをやめて、前掲書を購入し、読んで頂くのがベストだ。
その結果、皆さんが自らの目標を達成できたとしたら、それもPHBの果実の1つなのである。

さて、前掲書は読んで頂いただろうか。
読後に、ここまでの文章を再読して頂くとボルダックが紹介している複数の技術を使って本稿を書いていることに気付いた読者もいるに違いない。

ボルダックの人生の目的は「目の前にいる全ての人を愛し、より良くなるための大きな影響力を与えることと人生を楽しみ、熱狂的なファンを作ること」だという。

私は全ての人を愛せるほど人間ができていないが、「自分に関わりのある人がより良くなるための影響力を与える人」にはなりたいし、「熱狂的なファンを作りたい」とも思う。
だから、ボルダックの著作からは学ぶこと大だ。
この1年、繰り返しボルダックの著作を学び実践することで、成果を出し、影響力を高めたいと思う(文中一部敬称略)。

※その後、ボルダックは複数の本を出版したが、『目標達成する技術』以外では『人を動かす技術』『行動の科学』がオススメだ。

2022年の改訂版として、ここで自己紹介のnoteを貼っておく。2020年と2021年に受けたインタビューをまとめたものだ。「令和の虎」で私のことを知って頂いた方にもより深く私のことが知って頂けると思う。またインタビューして頂いた方も無印本命の方だと思うので注目して頂きたい。


風の時代の無印本命たち

1  鶴田有哉 さん

鶴田さんとはstand.fmを通じて知り合った。ある女性の配信で自己肯定感の話になった。

すかさず、私は、知人に自己肯定感の高い女性がいる。その女性は『無印本命3』に載っているとコメントした(機会があれば宣伝するのがマサミスタイル!)。

すると、鶴田さんが興味を示し購入してくれたのだ。

その後、stand.fm の配信を通じて仲良くなり実際に会うことになった。また、「令和の虎」に出演することをすすめたら即実行し出演した。この行動力は素晴らしいと思う。そして、彼は再来年からはカンボジアに移住しプロ野球を作るという夢の実現に向かって行動するという。

要注目の無印本命の男だ。

2  ぽちゃんさん

ぽちゃんともstand.fmで知り合った。ぽちゃんの本業は生保レディだ。会社では結構偉い人らしい。

そのぽちゃんをゲストに呼んで『甲子園という病』の著者氏原英明さんとstand.fm で野球と人生について語ったので貼っておく。

2021年8月8日追記…5か月ぶりにぽちゃんもコラボに上がって配信をした。この間のぽちゃんの急成長ぶりには驚いている。2つの音声を聴き比べて頂ければ、その差がわかるだろう。

ぽちゃんは、その後2021年11月に音声SNSの特集企画でstand.fmを活用している女性の代表としてNHKに出演した。持っている女である。

3  ミッタークろみさん

ろみさんについては無料noteを書いたので、貼っておく。


正己日記2009 2月26日 中谷彰宏

今日、中谷彰宏著『なぜあの人はいつもやる気があるのか』(2009年1月29日初版 以下、『やる気』)を購入した。そして、やる気が出たので、本稿を書いている。

思えば、97年に、どん底の状態で地元に帰った時(『毎日が革命』『転職王』参照)、中谷さんの本を読んで、再び文章を書こうと思った(それまでも手書きやワープロで書いた文章をコピーして知人に配ったり、売ったりしていたが、どん底の状態に陥り、一時的に書くことをやめてしまっていたのだ)。  

その後、中谷さんがホームページで発表している「中谷彰宏読書日記」に拙著が掲載(00年2月3日『0から始める幸福論』、05年8月18日『転職王』)された。
つまり、私が本を出版して、それを中谷さんが読んだということになる。

私事になるが、中谷さんの本を読んで、私の人生は変わったわけだ。

※どん底の時に読んだのは『20代でしなければならない50のこと』だったと思うが、その後、『人は誰でも作家になれる』を読んだからこそ、23歳で作家デビューできたのだと思う。そして、今年、デビュー25周年!

前述したように、中谷さんが拙著を読んで頂いたのは間違いないが、「読んだ=高く評価した」ではない。従って、私の存在は中谷さんの中では「無印」に違いない。近い将来、作家として認識してもらいたい。

※その後『毎日が革命』も中谷彰宏読書日記で紹介された。また、中谷彰宏作家塾に参加したり、少人数のグループコンサルを受けたりしたため、中谷さんに顔と名前は覚えてもらえることができたし、作家を名乗ることへの、お墨付きも頂いた。が、私の文章を中谷さんに高く評価されているわけではないのが現実だ……(『夢をかなえるもう』『絶対領域』を直接献本し共に中谷彰宏読書日記に掲載された)。

以下、『やる気』からの引用

「何も見ないで書けるから、その本には説得力があるのです。何かを引用して書いても、説得力がありません。それなら元の文献を書いた人の本を読んだほうが、よっぽどいいのです」

お気づきの方もいるだろうが、私の本や文章は引用が多い(自伝エッセイである『転職王』を除く)。
故に、耳の痛い言葉だが、私は「いい本を紹介する目的で文章を書いている」ことが多いので、私の引用箇所を読んで元の文献が読まれることは、結構なことである。

ちなみに、2014年7月7日にサンクチュアリ出版で開催したワークショップのテーマの1つが「言い訳よさらば!」で、これはウエイン・ダイアー博士の著書のタイトル(邦題『「言い訳」をやめるといいことがたくさん起こる!』)でもある。
そういう思いから、ダイアー博士の本を片手に延々と2時間講義をしようと思ったが、参加者に聞いたら「臼井さんのオリジナルな話が聞きたい」とのことだったので、特に何かを見ることなく、ペラペラと話をした。

つまり、私は「何も見ないでも喋れるし、書ける」のだ。だって、営業マンだもの。

想像して見て欲しい。目の前にいる営業マンがチラチラとセールストークのカンペを見ている様子を。
そんな営業マンからは商品が余程、自分のニーズにあっていない限り買わないだろう。

さすがに、私の文章や話のレベルは客観的には大川隆法や深見東州のような教祖様のレベルには、まだ達していないのだろうが、目指すは、そのレベルだ(話術のレベルは2021年10月配信の「令和の虎」で披露した通りだ)。

別の本からも中谷さんの言葉を引用しておく。

「目的を持ちなさい」「夢を持ちなさい」というアドバイスは、成功するために必要。でもそれは中くらいの成功なんだ。僕にはあまり目的がないし、僕の周りの超一流の大人は、目的ありきではなく、ただ淡々とやって結果として成功している。キャリアチェンジは、入念な準備をするよりも、「気付いたらこうなっていた」という成り行きの力の方が大きい。…与えられた状況の中から何が学べるか、これが究極の勉強。大人の勉強はいつでも、どこでもできる。だから、教科書がなければ勉強できないという人は、勉強する姿勢がなってないだけ。…書斎がなければ勉強できないという主張は論外。…勉強することの本当の面白さを知っている人は、なんでも楽しめるということを知っているんだ。そして、それが超一流ということも。『脳力200%活用!究極の勉強法』(宝島SUGOI文庫)


1冊の本が、人生を分ける。

人生のターニングポイントでは、不思議なことに必ず本を読んでいます。
本の中のある1行で、その人の人生が大きく変わることがあります。
やろうかやるまいか迷って岐路に立った時に、背中を押してくれる1行に出会えるのです。
人間は常にターニングポイントに立っています。

そのターニングポイントで人生を決めるのは、1行の言葉です。
その1行にたまたま出会った人は「ゴー」。
出会わなかった人は「ストップ」です。
この差はとても大きいです。
たった1冊。
たった1ページ。
たった1行の言葉。
それが人生を大きく分けます。
その1行、ひと言に出会えるかどうかです。
何冊もたくさん読めばいいということではありません。
たった1冊、1ページ、1行、ひと言が、人生を変えていくのです。…
日常生活の中に本を読む習慣を組み込んでおくと、タイミングをはずさず、必要な時にそのひと言が生かせるようになります。…
ふだんあまり本を読まない人でも、たまたま読んだ本のタイミングがぴったり合っていて、そのひと言が人生を変えてくれるのです。
読んだ時の人生と、読まなかった時の人生は、大きく変わってきます。
怖いのは、せっかく人生を変えるチャンスが目の前にあるのに気づかないことです。
本の中のひと言に出会わなかったばかりに、面白い人生を知らずに歩む人もいるでしょう。
1冊の本がきっかけでとても面白い人生になったかもしれないのに、最初からそんなチャンスがなかったと思い込んでしまうのです。
これは、持っている宝くじが本当は当たっているのに、当選番号に気づかなかったのと同じです。
当たっている宝くじに気づかないことほど、もったいないことはありません。
超高速右脳読書法その47「たったひと言」に出会うために、本を読もう。

『超高速右脳読書法 人生を変える本に出会う47の具体例』より

作家の千田琢哉さんは『印税で1億円稼ぐ』という本を2013年の11月に出版した。本書の発売時の段階で著書の累計が140万部を超えているそうだ。

  私が最初に千田さんの本を読んだのは、きこ書房刊の『20代で伸びる人、沈む人』だ。この本は当時の、きこ書房の発行人だった川口徹さんから直接いただいた。2010年4月発行となっているから、その頃だったのだろう。

この頃、千田さんは無名だった。私自身、川口さんから献本されるまで千田さんを知らなかった。
が、それから3年で著書累計が100万部を超えたわけだ。今や、書店は千田本で溢れている。

千田さんの『人生で大切なことは、すべて「書店」で買える。』には以下のようなエピソードが書いてある。

中谷彰宏さんの『昨日までの自分に別れを告げる』を読んだことがきっかけで、今まで漫画しか読んだことがなかった自分が、一転して本の虫になったという話だ。

千田さんの本のタイトルや文体は中谷さんと瓜二つである(中谷さん主宰の中谷塾の一部の塾生の間では千田さんの著書は猿真似だと不評だが、私は千田本を今では高く評価している)が、相当、中谷本を読み込んだのは間違いないだろう。

もう1人、中谷本を読んでミリオンセラー作家になったのが『本当に頭がよくなる1分間勉強法』の著者石井貴士さんだ。

石井さんとは古くから交流があり、最初に会った時は「中谷さんには会いに行かない」と言っていたのに今や中谷塾の常連になっている。中谷さんの個別コンサルも頻繁に受けているようで『人は誰でも候補者になれる』という本は、中谷さんの著書のタイトルに似ている(『人は誰でも作家になれる』『人は誰でもセミナー講師になれる』というタイトルの中谷本がある)から中谷さんのアドバイスで出した本なのかもしれない。

私も千田さんや石井さんのように中谷本の愛読者の1人として、著書累計ミリオンセラーを達成したいと思っている。

中谷さんも千田さんも著書の数がとにかく多いので、合う本、合わない本があるだろう。が、必ず、本書の読者である、あなたにも合う本があるはずなので、食わず嫌いにならずに、読んでみて欲しい。


非常識な成功法則

非常識な成功法則というのは神田昌典さんの著書のタイトルである。
ベストセラーかつロングセラーの本(02年6月初版、今年、新装版が発行され2014年8月19日現在、累計25万部)なので、本書の読者で既読の方もいるだろう。

神田さんの本を読んで既に成功している方は、本稿の、ここから先は読む必要はないだろう(そういう人は、そもそも本書を読んでいないはずだが……)。
神田さんの本を読んだけど、成果がイマイチな方と未読の方は本稿をきっかけに再読、一読して頂きたい。

ちなみに、りらくるの創業者で「令和の虎」にも出演している竹之内教博さんは神田昌典さんのことを高く評価している。YouTubeチャンネルの名前も「竹之内教博の非常識な成功法則」であり神田さんを意識したことが現れている。

竹之内さんの会話の中ではTTP(徹底的にパクる)がよく出てくるがタイトルもTTPを実践している。

『非常識な成功法則』(以下、『非常識』)は序章と8つの習慣(8つの章)で構成されている。その内、本稿では主に76ページまでを扱う。ちょうど第1の習慣が終わるまでだ。
早速、解説に入る。

まえがきには、こう書いてある。
「これはどんな本なのか?ズバリ、成功原則が嫌いな人が成功するための実用書である。凡人が、一戸建ての家を建て、スポーツカーに乗るまでの、最短距離である。ナマケモノが、最短距離で這い上がるための、世界一簡単な方法である。…そう。あなたが世の中を見返すために、書いた」

この言葉の通りなら、正に本書の読者のために書かれたような本ではないか。こうして改訂版を執筆している私も今すぐ、再読したくなってきた…(ちなみに、今、読んでいる本は先日、買った『たった1年で、誰でも幸せな金持ちになる 世界の大富豪2000人がこっそりと教えてくれたこと』(三笠書房 王様文庫)だ)。

更に、こう書いてある。
「成功するためには、この本で書かれたことのすべてをやっていただく必要はない。ほんの一部をやっていただくだけで、効果が出始めるだろう」
つまり、今回、私が解説する76ページまでの部分だけ実践しても効果があるということになる。だから、手元に『非常識』がない方もまずは本稿を真剣に読んで頂きたい。

今、私の目の前には『道は開ける』という有名な本がある。01年に一度読んで、その後、処分したのだが、最近、知人から献本されたのだ。が、まだ全部は読めていない(2024年4月現在も同じ状況)。

全442ページ。
過去に10000冊以上読書をした本の虫の私でも気の遠くなるような、ぶ厚さである。
生き方を説いた本だけに小説のようにだいたいのストーリーだけ流し読みで追っても意味がないのは言うまでもない。
従って、この手の成功本の学習順序としては『非常識』→『道は開ける』『7つの習慣』などの、ぶ厚い本というルートが望ましい。

これは大学受験の参考書でも同じだ。どんなに定評のあるものでも、途中で挫折するようなものを最初に選ぶのはよくない。

有賀ゆう氏は『キミにもできるスーパーエリートの受験術』の中で、「どれだけ内容が優れていても、『これを最後までやると思うと気が遠くなる』ようなものではこまります」と書いているが、『道は開ける』は私にとって正にそういう本なのである。

閑話休題、『非常識』の解説に戻る。
「非常識な成功法則」というだけあって、序章は「成功は『悪の感情』から始まる」という、普通の成功本とは正反対の内容だ。

序章では「なぜ常識的な成功法則は、役に立たないことが多いのか」が語られている。
あなたの周りにも悪人だけど金持ちや善人だけど貧しい人がいるだろう。
いや、むしろ「悪人じゃないと金持ちになれない」という思想も結構はびこっていると思う。
私が目指すのは前述したようにPHB(本を通じた繁栄と幸福)だし、「善人が金持ちになって欲しい」と思って本書を書いている。
そういう前置きをした上で、神田さんの考え方を紹介する。

神田さんは「お金と心の問題を切り離せ」と言っている。
まず、人を4タイプに分類する。
1 お金が豊かな人 2 お金が貧しい人 3 心が豊かな人 4 心が貧しい人
(『非常識』では図表で解説されている)

お金が貧しく心も貧しい「凡人」の状態から「短期間で財政的成功を収める」ために2つのステップを踏むとよいと言う。
そこで登場するのが「悪の感情」だ。

「覚えていろ。絶対、お前らの鼻をあかしてやる。お前らの年収の何十倍も儲けてやる。このような怒りの感情で、独立した。それが偽らざる本音なんだよ」
と神田さんは言う。

これを私の言葉に直すと本書のサブタイトル「いつまでもザコと思うなよ」になる。
ここまで読んで、ようやく読者は本書の副題の意味が理解できたのではないだろうか。
もっとも、無名で無印という状態は世間ではザコと思われているだろうし、無名の人を応援するのがライフワークの私でさえ、そう思う。

でも無印本命の人は、今は無名で無印だが、いつかは自分が勝者になると思っている人だから、本書『無印本命』の副題は「いつまでもザコと思うなよ」がふさわしいと思うのだ。

欲望や怒りなどの強いエネルギーを「否定するのではなく利用せよ」と神田さんは言っている。
そして、1(短期間で)お金を稼ぎ、2(その後に)「心を磨け」と。
つまり、金も心も、を目指すのではなく、まずは金に優先順位をおけと言うのだ。

言われてみれば、当たり前のことなのだが、スタートの段階では悪の感情(嫉妬、虚栄心、敵対心、ミエなど)を否定しなくていいと聞いて安心した読者も少なくないはずだ(心を磨くことだけに囚われてしまうと、それだけで一生を終わってしまいかねない)。

とはいえ、1に(短期間で)とあることに注目して欲しい。
「稼ぐのに時間をかけてはいけない。マイナスの感情を持ち続けている間は人相が悪くなるから」とも書いてあるのだ。

では、「どうやって短期間で稼ぐのか」は次章以降で語られている。
序章の最終ページの35ページはわずか2行のみ。そこにはこう書かれている。

「さて、ページをめくる前に、目的を確認しよう。本書の目的はズバリ、あなたの年収を10倍にすることである。」

なんとも頼もしい言葉ではないか。
『非常識』を読んだあなたの年収が10倍になったとしたら私も嬉しいし、あなたはもはやザコではないはずだ。
ワクワクしながらページをめくって頂きたい。

さて、第1の習慣は何か、それは「やりたくないことを見つける」だ。
その解説に入る前に40ページで神田さんはこんな告白をしている。
「私だって、いろんな成功法則の本を読んでいるよ。でも、読んでいるときは『なんて胡散臭いタイトルだ。こんなんで成功すりゃ、苦労しないぜ』なんて思って読んでいたのだ」

神田さんがマーフィーの本を読んでいたのは複数の著作で明言しているので「胡散臭いタイトル」と思いながら読んでいた本の中にJ・マーフィーの『眠りながら成功する』が含まれているのは間違いないだろう。
蛇足だが、この一連のマーフィー本は『知的生活の方法』などの著者の渡部昇一氏が大島淳一のペンネームで訳していたことをカミングアウトして愛読者に衝撃を与えた。

他にナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』も有名だが、タイトルはやや胡散臭い本である。
2014年にパム・グラウト著『こうして、思考は現実になる』が20万部を超えるベストセラーになった。

それに便乗して10月20日に、

「思考は現実になる」って言うけどさあ、それって本当なの?というテーマで第4回臼井正己トークライブをサンクチュアリ出版で開催した。

ゲストとして前述の『思考は現実化する』や『マーフィー 世界一簡単な自己実現法』の版元である、きこ書房の元発行人で現トランセス社長の川口徹さんやマーフィーの本を読んで普通のOLから占い師になり次々と自己実現をしている元同僚の、ゆかりさん、詐欺研究家でライターの野島茂朗さん、セクシータレントの紫乃さん、お笑い芸人の春日部裕次郎さんが来場し盛況だった。

半信半疑で成功本を読んでいた神田さんだったが、
「独立2年で、サラリーマン時の年収10倍を実現する」「土地を購入し、社屋・社宅を建設する」などの目標を3年以内に達成したというのだ。

その秘訣はというと、「目標は紙に書くと実現する」という、どの成功本にも書いてあるようなことなのだ……。
これだけだと非常識でもなんでもない成功法則である。

では、なぜ神田さんや、その他の成功者のように紙に目標を書いただけで成功する人と、紙に目標を書いても、ちっとも成功しない人に分かれるのか。
それを知らないまま一生を過ごしては、あまりにももったいない。
あなたの友人にも是非、教えてあげて欲しい部分である。

目標には「良い目標」と「悪い目標」があり、良い目標は、その実現に向かって、あなたを自動操縦するが、悪い目標は、障害が生じ、挫折しやすい。
だから「良い目標」を設定するということ。
「良い目標」を設定する上で、もっとも大切なことは、自分が本当にやりたいことを見出すこと。
本当にやりたいことを発見するには紙を1枚用意して、やりたくないことを書き出す。

神田さんの例…お客にへこへこしない。在庫は持たない。いやな会社や人とは取引しない。コールドコールはしない。無料でアドバイスはしない など
私もやりたくないことは神田さんと、ほぼ同じである。

やりたくないことを明確にしたら次は、いよいよ、やりたいことを書き出す。
ここで、私がやりたいことを1つだけ紹介しておこう。
それは、
「自分が読んだ本を紹介したり解説したりすることでお金持ちになること」である。 

その具体的なステップとして「しるし書店臼井正己店」を開設。2021年1月からは同店舗でしるし本を買った人だけが購入後1年間在籍できるオンラインサロン無印本命の運営を開始した。

※「令和の虎」でも語ったが、しるし書店のサービスは2021年7月に終了した。そのため無印本命オンラインサロンに入る条件は有料note「夢をかなえるもう」を購入することが条件となった。

次のステップは「ミッション(使命感)を見出す」だ。
神田さんの最初のミッションは「常識はずれの大成功」だったそうだ。

他に「脳の構造上目標はあればあるほどいい。アメリカの成功者の中には6000個の目標を持っている人さえいる。私は128の目標(実現することリスト)を持っている」というような文章の後、神田さんの目標が書いてある。

それは、スポーツカーを買う。高額納税者になる。総理大臣から電話がかかってきて、マーケティングアドバイザーになる。浜崎あゆみと食事をする……。
私の目を引いたのは「浜崎あゆみと食事をする」だ。
「こんな目標でもいいんだ」と思ったのは、私だけではないだろう。
まあ、私なら「大谷翔平と食事をする」になるのだけれど。

私は07年に加速成功実践塾に参加した。その時に100の願望リストを書いた。そのリストの中から、本田健に会う。上祐史浩に会う。次の本を出版する。商業出版する。などの願望が実現したし、リストには書かなかったがホリエモンに「1日3回会う」ことにも成功した。またキングコングの西野亮廣さんにも何回か会うことができた。

もし、あなたが、まだ願望リストを書いたことがないなら、是非、願望リストを書いてみて頂きたい。書くのは無料だから書いて損はない。加速成功実践塾の主宰者の道幸武久さんによると、100の願望を書くと塾生の平均では10個の願望が実現しているという。

私も本田健さんに会えるとは思ってもいなかったし、『毎日が革命』の商業出版も、リストを書いた時点では全く想定外だった。上祐史浩さんに関しても、今でこそ懇意にしていただいている(2015年3月にはネイキッドロフトでヤバイ放談を開催!)が、普通に考えて接点がない方だ。あと、大川隆法に会うは、まだ実現していないが、代わりに前妻の大川きょう子さんとは短い間だったが秘書的な仕事をしたし、長男の宏洋さんとも2020年の6月にお会いした。大川隆法さんにも是非、一度、会ってみたいものだ。2023年7月15日追記…大川隆法さんは2023年3月に亡くなったと報道されているが教団側は公式には発表していない。報道が事実なら大川隆法に会うという目標は達成不可となった)。

最後に102~103ページの「成金と凡人」の会話を引用しておこう。
ちょうど、ここまでのまとめが書いてある肝要な部分である。
「…なぜいままでの成功法則では…結果が出なかったのか、わかったかな?」

「…目標自体に、『やりたいこと』と『やりたくない』ことの双方が含まれていたからですよね。『やりたいこと』をやっているつもりになっていたけど、実際は、その中に『やりたくないこと』が同居している。そこで、目標に向かっているうちに、その目標を実現すること自体が疑問になって、挫折してしまう。
「そのとおり。だから、『やりたいこと』を考える前に、『やりたくないこと』を明確化しておく必要があるんだ」
「僕もこのプロセスをやってみたんですけど…はっきり方向性が見えてきました」
「…方向性が明確になったら、次は何をするんだっけ?」
「…目標を潜在意識にプログラミングする。そのためには、まず目標を紙に書く。そしてクリアファイルに綴じて、寝起きと寝る前に、ニタニタと眺める。できればカバンの中にいれて持ち歩く。さらに目標の実現を加速化させたいのであれば、目標を毎晩、寝る前に10個書き出すといいんですよね」
「うん、そこまでやれば、脳の構造上から考えて、結果が出ないほうがおかしい。私も当初、やっていたことといえば、正直これだけ」

実は私もクリアファイルにワープロで書いた目標を入れて持ち歩いていた時期がある。
98年のことだ。詳しくは拙著『0から始める幸福論』に書いた通りだが、その時、持ち歩いていた目標が「本の出版」「月収100万円」「主任になる」だった。
そして、98年中に月収100万円と主任になるという目標を達成し、99年に『0から始める幸福論』を出版できた。

その私の方法に神田さんのお墨付きを頂いたようなものだ。
クリアファイルをまた活用しようと思う。

以上で『非常識』の解説は終わりである。
ここまでの情報で、もう本書の定価の何倍もの価値があると自負している。
その情報を生かすも殺すもup to you.(あなた次第)だ。

え、まだ本書の定価分の価値を見出せないぞ!と言う厳しい読者のあなたに前述の千田琢哉さんの『人生で大切なことは、すべて「書店」で買える。 20代で身につけたい本の読み方80』から以下の文章を贈る(と言ってもnote版では、ここまでの部分は無料で読めるのだが……)。

どんな一冊にも10万円の価値があると心得る

「本は高い」と言う人がいます。
「本は高い」と思っている人は本を買ってはいけません。
「本は安い」と直感で理解できる人だけが本を買えばいいのです。
「本は安い」と直感で理解できるためには知性が必要になります。
 著者がこれまでの人生をすべてかけて培ってきた知恵の集大成を、惜しみなく披露してくれていることを感じるのが、知性です。
 本はすべて10万円でも安過ぎて申し訳ないくらいだと思っています。
 1冊10万円とすれば1000円と1500円の差なんて単なる誤差に過ぎません。
 3000円や5000円、1万円でもまだ安過ぎます。
 あなたが大人ならば、著者がその本に書いてある知恵を披露するまでにかけた時間とお金を想像してみると、すぐにわかるはずです。

 著者の人生の一部を削り取ってお裾分けしてもらっていると考えます。
 僕は学生時代から、ずっとそのつもりで本を買い続けてきました。
 前にも述べたように、注文する際、生協のおばちゃんから「この本3万円するけど大丈夫?」と念押しされたこともあります。
 それでも「本は高い」と思ったことは一度もありません。
 それを踏まえた上で、高額な本には内容のハズレが確率的に少ないと言っておきます。

本は1冊10万円の価値があると考えてみる。
1000円も3000円も1万円も誤差範囲内。

さすがに、全ての本に10万円の価値があると私は思わないし、著者の千田さんが1000円の本を自分だけ1万円払って買うとも思えない。が、彼の言うように著者の知恵が学べる良書であれば2000円くらいであれば妥当な値段だと思う。

そして、本書は1980円。妥当な金額だと思うのだがいかがだろう?

ちなみに『無印本命3 -人生は毎日がオーディション』の紙版は2800円+税と高額だが、これはオンデマンド出版だったためコストが高くついたからだ。2800円でも赤字だったので、現在は絶版にして版元の青山ライフ出版のサイトで電子書籍として税込300円で販売している。内容的に300円では安すぎると自負しているので、是非、購入していただきたい。

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