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『うきわ ―友達以上、不倫未満―』第6話があまりにも面白い

 たゆたいながらも繋がっていたいくつかの関係性が断ち切られた回だった。  心が大きく動くはずの場面で、麻衣子の目は深い海の底、靄がかかった月のように本心が奥へ奥へと逃げてゆく。拓也が告白したときも、プロポーズしたときでさえも麻衣子の目は虚ろだった。そんな麻衣子が福田のような“輝く女性”を羨ましがることが意外だった。  「あなたに怒る権利があるの?」「怒る権利なんて私にないんで」  拓也は麻衣子のことが確かに好きだった。二葉にも、聖にも互いを愛しく思う日々があった。しかし

    • 日食なつこ “なだれ” Studio Footageを観て

      日食なつこの新曲“なだれ”のレコーディング風景がYouTubeに公開された。黒髪ロングに赤縁眼鏡――というのはさすがにかなり昔の姿であると知っているが、画面に登場した日食なつこの髪がベリーショートであることに新鮮な驚きを覚える。 手をさっとあげ、フィンガースナップとともにピアノを奏ではじめるクールで自然な所作にはキャリア10年越えの風格が漂う。“なだれ”は“水流のロック”とほぼ同じBMP、リズムのイントロで幕を開けた。技術に裏打ちされた粒の立ったピアノに朴訥とした語りのよう

      • 『うきわ ―友達以上、不倫未満―』第1話を見て

        『うきわ ―友達以上、不倫未満―』、OPの安藤裕子に釣られて見始めたが、役者陣の演技の妙、予兆だけが張り巡らされた画作りの不穏さに心奪われ、気がつけばEDの三浦透子が歌いはじめていた。 門脇麦の生々しい抜け感、森山直太朗の中年っぷり、大東駿介の好きあらば浮気しそうな感じ、西田尚美の平気で一線を越えそうなしたたかさ――。田中樹の華奢な体つきは陶芸教室の先生によく合っていたし、高橋文哉の既に完成された若々しい美しさには目を見張った。 おぼろげな月、仄暗い水のような息苦しいグレ

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