Koelreuteria paniculata モクゲンジ
風船のような種子の莢が房になって垂れ下がっているのが面白くて、時期になるとモクゲンジの木の下で落ちた種子を探しに行く。
風船は種子を守っているのだが、やがて熟した黒い種子は自由になって、振ると莢の中でカラカラと乾いた音を立てる。
どうやらこの種子も炒ってたべることができるというが試してはいない。
ある時この風船がわさわさと付いた大きな枝を抱えて訪ね来た知人があった。大きな枝の向こうに笑顔がのぞいている。
随分昔の事なのにその笑顔ははっきり記憶に残っている。
思い出は様々な物に仕掛けとなって定着しているけれど、長い時を経て徐々にまだらに褪せかけている。