3倍レバレッジの罠:TQQQ投資に潜むリスクとは①
TQQQは1倍レバレッジの3倍得をするわけではない?
高リターンの夢と隠されたリスク。TQQQを巡る投資家の必読ガイド
記念すべき(?)1本目の投稿は「3倍レバレッジの罠:TQQQ投資に潜むリスクとは」です。
早速一緒にポイントを見ていきましょう!
本日のポイント
そもそもTQQQってなに?
今日はTQQQ、SQQQ、SOXL、SOXSなど3倍レバレッジに投資された方なら絶対に抑えるべき内容をまとめてみました。
参考
TQQQ:NASDAQ100指数の動きの3倍に連動するブル型投信(ETF)
SQQQ:NASDAQ100指数の動きの-3倍に連動するベア型投信
SOXL:フィラデルフィア半導体指数の動きの3倍に連動するブル型投信SOXS:フィラデルフィア半導体指数の動きの‐3倍に連動するブル型投信
指数連動投信(ETF)やテーマ連動ETFにはレバレッジがかかっていない1倍のものもたくさんあるにもかかわらず、米国株に多くの関心を持っている多くの投資家は1倍のQQQや2倍のQLDには目もくれず、TQQQとSOXLに注目しているのはなぜでしょうか。
大げさな言い方をすれば、3倍レバレッジに投資する人は
非常に勇敢なギャンブラーと言ってもいいと思います。
3倍のレバレッジで投資すること、それ自体は良い考えだと思います。n円の資金で、その3倍の3n円で投資した効果が出るため、より少ない資金で大きなリターンを狙うことができるためです。
ただし、レバレッジ3倍ETF、特にNASDAQ100に連動するレバレッジ3倍ETFに投資する際には、必ず知っておかなければならない落とし穴がいくつかあります。
こういう懸念点を知らずに、「ナスダックに3倍連動しているから、きっと儲かるだろう」とのんきに構えていると、思わぬ大損失を被ることになりかねません。そのうえ、残念ながら、気づいた時点ではもう手遅れになっている可能性があります。
2021年に、米国の投資家に最も多く投資された指数連動型の上場投資信託はSOXLでした。
相変わらず今年もSOXLは脚光を浴びていますが、今回はまず王道であるTQQQに集中し、3倍レバレッジのファクトチェックから始めます。TQQQもSOXLも3倍レバレッジETFはその構造がほとんど同じですので、参考になると思います。
上場投資信託の種類を問わずに、レバレッジ投資に一度でも興味を持ったことがある人なら必読のノートです。
皆さんも、そしてもちろん私も、今後損失を出したいと思う方は一人もいないはずです。
現時点で損失を負っていたとしたらそれは残念なことですが、これから回復していけばいいのです。投資の基本、しっかりとした基礎工事から始めましょう。
TQQQとは?
正式名称は、「ProShares UltraPro QQQ」で、ナスダック100に連動して、指数の変動の3倍の値動きをする投信です。
なぜTQQQが米国の株式投資家に最も愛されるようになったかのような投信の歴史や、TQQQの期待収益の見込みなどは後からでも大丈夫!まずはレバレッジ投信のエッセンスをくり抜いて、最も重要なことからおさえていきます。
ところで、最初に押さえておかなければならない点があります。それは、TQQQが追っているのは「ナスダック100」であるということです。
これは非常に重要なことなのでもう一度言います。
ナスダックとナスダック100の比較
濃い青色がナスダック100(NDX)、薄い青色がナスダック(IXIC)です。 見てみると、わずかに違いがあることがすぐに分かるかと思います。 特に、2021年は、マイクロソフト(MSFT)、グーグル(GOOGL)、エヌビディア(NVDA)などのテック株が全体的に跳ね上がった年であり、その差はさらに大きくなりました。
さて、 先に進む前に復習。TQQQはナスダックではなく、ナスダック100の3倍を追っているので混同しないように注意してください。
TQQQはナスダック100の指数に連動して、値動きの3倍を目指す。
ポイントは3倍を「目指す」ことであって、「ジャスト」3倍 分変化するわけではありません。
「連動する」という言葉を辞書で調べると「ある部分を動かすと、それと一続きの装置が一緒に作動すること」と出てきます。TQQQの動きがナスダック100に連動して、一緒に動くのであれば、単純にナスダック100の3倍の値動きをすれば良いはずなのですが…なぜ3倍を「目指す」のでしょうか。
理由は、運用会社はTQQQがナスダック100指数の値動きの3倍で動くように最大限努力するものの、現実的には完全な3倍で動かすことはできないからです。
上のチャートを見るとお分かりになるかと思います。
水色の線がTQQQ、紫の線がナスダック100(NDX)を表していますが、2つの線を比較すると、TQQQがナスダック100の3倍も動いていないことがお分かりになるかと思います。
ヤフーファイナンスには、基準点からのこれまでの株価の変動をパーセントで横軸に表示してくれるとても便利な機能があるので、それを使って見てみましょう。
上の2021年1月を基準にしたグラフを見ると、1年間で
ナスダック100は32.9%上昇し、TQQQは110%上昇しました。
下の2021年4月を基準にしたグラフでは、
1年間でナスダック100は10.79%上昇、TQQQは19.9%の上昇となりました。
上昇局面では、TQQQは、ナスダック100の3倍以上上昇しているのに対し、2021年4月のようなもみ合いではTQQQがナスダック100の2倍上昇にも到達していません。
相場の変動幅によりTQQQのパフォーマンスが変わってしまう理由は何でしょうか?この疑問を解くことが、当記事の目標です。記事は4編に分けて連載する予定ですので、次回もお楽しみにお待ちください!
次回予告
千里の道も一歩からです!本格的に疑問を解いていく前に、まずTQQQの仕組みからみていきましょう。「TQQQはどのような仕組みでナスダック100の3倍の値動きをするのだろうか?」
※本記事は連載となります※
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