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これは夢⁉8%確定した配当が得られる(?)


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「米国株もそろそろ疲れてきたなぁ」
正直、そのように感じている人も多いのではないでしょうか。

そのような心境になる一番の理由は、これまでは、S&PもNASDAQも上昇基調で好調だったのに、徐々に一体どこが短期の高値なのか?という不安が大きくなり、その間に米国市場をここまで引っ張ってきた主役であるNVIDIA(NVDA)などのAI関連株が調整を受けて方向性を掴めなくなっているためでしょう。

さらに、基準金利が引き下げられ、ドナルド・トランプ氏が大統領になったら何が起こるかわからない状況で、小型株やバリュー株へのトレンド転換が起こるかもしれないこの時期に、実際にどのように投資すべきか悩んでいる方が多いと思います。 そのため、多くの人が「利益は少なくてもいいから、とにかく儲かれば良いし、リスクも低い投資手段はないだろうか?」と考えている雰囲気があるようです。

特に、アメリカの大統領選挙を含めて世界中で不確実性やリスクが頻繁に発生する昨今、外貨預金よりもはるかに高い固定金利を提供しつつ、リスクが相当低い商品があれば、かなり魅力的に感じる方も多いでしょう。

外貨預金に預けると、現在のアメリカの基準金利が5%以上ですから、4.8~5%に近い預金金利をいくらでも見つけることができます。しかし、アメリカが基準金利を引き下げると、この預金金利も少し下がるでしょう。

写真の出典:NHK

最近マイナス金利が解除されたとはいえ、20倍に引き上げて0.02%という…預金金利がほとんどついていない日本の状況を踏まえると、外貨預金は確かに魅力的な選択肢になります。ですが、外貨預金よりも高い、5~8%代のリターンを期待できる商品があるんです!

代表的なものとして、JPMorgan Equity Premium Income ETF(JEPI)などがあります。JEPIの現在の年間配当率は約7.3%です。

悪くないですよね。、悪くないというか、かなり良い方かもしれません。

しかし、JEPIやQYLDのようなETFは、オプションと現物を組み合わせてデリバティブスタイルで作られたものであるため、それほど激しくはないものの、上下に価格の変動があります。 

JEPIのチャートを見ると、米国市場の状況と基礎資産となる株式の状況に応じて、おおよそ年間で10%程度は上下する覚悟が必要のようです。これは、年間配当率7%をしっかり受け取っても、タイミングを誤ると1年分をまるごと失う可能性があるということです。それでも、この程度が安全な高配当株に属します。 

しかし、変動が全くないETFでありながら、5~8%の配当をしっかり受け取れるETFがあるとしたら…?興味が湧いてきませんか?しかも、その中には次にいくら受け取れるかわからない高配当株とは異なり、「ある条件」さえ破られなければ、初めから確定した金額の配当を受け取れるものもあります。

おそらく米国株投資家にはほとんど知られていないETFでしょうが、面白いものを見つけたので早速紹介したいと思います!今日のコンテンツでは、その仕組みやリスク、配当率、そして実際にいくらもらえるのかをまとめてご紹介します。 

それでは、早速始めましょう!

*<重要>注意事項*
本日の記事で取り扱う商品は「為替変動リスク」が大きい商品になります。5~8%水準の確定配当金がついているETF群を紹介してまいりますが、ドル円為替レートが円高に進んだ場合、リターンが相殺される可能性があります。為替リスクを十分にご検討の上、ご自身の判断で投資を行いますようお願いいたします。



年間配当率5~8%を提供するETF 

本日ご紹介するETFの変動幅は年間で1~2%を超えません。ただし、変動幅がそれより大きくなってしまう例外条件がありますが、大きく心配するほどのものではありません。 
早速今回の主役たちをご紹介します。全部で5つあり、用途と仕組みに基づいて分類すると次のようになります。

(1) 大恐慌さえ来なければ確定配当をたっぷり受け取れるETF

  • Innovator Premium Income 30 Barrier ETF(APRJ)

  • Innovator Premium Income 40 Barrier ETF(APRQ)

(2) 短期国債を活用したETF

  • SPDR Bloomberg 3-12 Month T-Bill ETF(BILS)

(3) 独特な方法で配当を受け取るETF

  • BlackRock Floating Rate Loan ETF(BRLN)

  • Alternative Access First Priority CLO Bond ETF(AAA)

ご覧の通り、かなりクセあるチャートになっています。

チャートで変動幅をご覧いただければわかりますが、AAAを除く他の4つは上下しても年間で+1%から-1%の範囲です。これならドラマで聞こえる「ピー」と音の鳴る心電図のグラフのように、ほとんど動きがないと言えます。唯一AAAが変動幅が大きいと言えますが、それでも+2%を超えることはありません。 では、これらのETFの配当はどうなるのでしょうか?

まず、一番説明が簡単で知っておくべきことが少ないBILSから見ていきましょう。BILSについては、実際に説明することはほとんどありません。


短期国債を活用したETF、BILS


写真の出典: Nasdaq.com

このETF(BILS)は、「SPDR Bloomberg 3-12 Month T-Bill ETF」という名前からも分かる通り、3~12ヶ月の短期アメリカ国債を大量に保有しているETFです。アメリカの基準金利が現在約5%なので、年間配当率も5.13%です。

写真の出典: stockanalysis

BILSの配当実績を見ると、基準金利に忠実に連動していることがわかります。正確には短期国債の金利に連動しており、短期国債は10年物国債のように価格変動が大きくないため、基準金利が変動しない今の状況では、さらに変動がないように見えるだけです。 簡単に言えば、BILSを購入することは、上記の4%台後半の外貨預金を購入することと本質的には大差ありません。運用手数料を差し引けば似たようなものです。

さて、こんな話を聞くためにこのnoteを見ているわけではないでしょう。

次にAPRJとAPRQに移りましょう。このETFたちはどれくらいの配当を提供しているのでしょうか?BILSよりは良いはずですよね。


配当率を比較してみよう


写真の出典: Google

まず、APRJとAPRQ兄弟の年間配当率は、それぞれ6.49%と5.86%です。APRJの方が若干配当率が高いです。

写真の出典: stockanalysis

対してBRLNはどうでしょうか?年間配当率は約8.47%です。そして、四半期ごとの配当ではなく月次配当です。このETFは設立されてから約2年に満たないものですが、その間毎月欠かさず配当を支給しており、その合計は8%を超えています。

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