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景気が分かる!原油価格から見える未来 第2回
皆さん、こんにちは!アメリカ株式義塾です。
今回のテーマは「原油価格」。
景気が後退するのか、それともソフトランディングするのかを見極める必要がある時期に、景気の重要な指標となる原油価格やエネルギー価格の見通しを把握しておくことは需要です。
前回は、石油とエネルギー業界における、3つの主要な機関や組織、OPEC、EIA、IEAの出している報告書には何があるのか学びました。
それでは今回は、2024年5月の時点で、OPEC、EIA、IEAはエネルギーの見通しをどう見ているのかを見ていきます。
これらの予測が当然すべて同じであるはずはなく、異なる部分があるはずです。私たちはどのように判断すればよいのかまでご説明します。
最新(5月時点)のOPEC、EIA、IEAの報告書の要約
これだけ読めば、私たちの購読者の皆さんも(短期的に)石油の博士になれます!
まず、2024年5月基準でOPEC、EIA、IEAが発行した最新の月次報告書のリンクを一つずつご紹介します。
OPEC: 2024年5月14日に発行されたMOMR, https://www.opec.org/opec_web/en/publications/338.htm
EIA: 2024年5月7日に発行されたSTEO, https://www.eia.gov/outlooks/steo/
IEA: 2024年5月に発行されたOMR,
https://www.iea.org/reports/oil-market-report-may-2024
これらの報告書は、もちろん直接読むのが一番ですが、
私たち<アメリカ株式義塾>が代わりに読んで要点をお伝えします!
報告書自体の内容だけでも非常に有益な情報がたくさんありますので、ここからは集中してお読みください。
OPECの報告書(MOMR)の要約
2024年5月14日基準です。
まず最初に、OPECは2024年の世界経済が2.8%成長すると予想しており、アメリカの場合、OPECが独自に出した成長率の見通しを2.2%にわずかに上方修正しました。中国とインドもそれぞれ4.8%、6.6%の高い経済成長率を続けると予想されています。
では、このことが石油需要にどのような意味を持つのでしょうか?
OPECは、2024年の世界石油需要が1日あたり220万バレル増加すると予測しています。この成長は、非OECD諸国、つまり発展途上国や新興国の需要増加によって主導され、これらの国々でのみ石油需要が200万バレル増加すると予測されています。OECD諸国では、わずか20万バレルの増加に留まると予測されています。
供給の側面では、OPECは非OPEC諸国の石油供給が2024年に1日あたり120万バレル増加すると予測しています。これはアメリカ、カナダ、ブラジル、ノルウェーが生産を増加させるためだと説明しています。これらの国々は、技術の進歩と新しく生産を開始する油田の新規プロジェクトによって、引き続き生産が増加すると説明しています。
次に、精製および製品市場について見てみましょう。 2024年4月には、原油を製品に精製する際の収益性を表す精製マージンが圧迫されました。これは主にディーゼルやガソリンなどの精製製品の需要が減少し、市場が供給過剰になったためです。それにもかかわらず、世界の精製所で処理される原油の量はわずかに増加しました。
輸出入の側面では、興味深い傾向が見られます。例えば、アメリカの原油輸入と輸出は、2024年4月に活発な貿易環境を反映して増加しました。同様に、中国の原油輸入も国内の強い需要に支えられて増加しました。
各国の製造業に関連する大企業が保有する在庫、つまり商業用石油在庫も重要です。
2024年3月のOECD全体の商業用石油在庫は2,020万バレル増加しましたが、それにもかかわらず、2015年から2019年の平均水準と比べると依然としてかなり低い状態にあります。これは、供給状況が依然として逼迫していることを意味します。
まとめると...
OPEC: 石油需要は主に非OECD諸国、つまり先進国ではなく、新興国を中心に引き続き増加する見込みです。当面、石油需要は新興国のおかげで上昇すると考えられます。
OPEC: しかし面白いことに、非OPEC諸国、つまり中東以外の産油国が供給を増やすため、市場は当面の間バランスを保っている状況です。非OECD諸国で需要が増え、非OPEC諸国で供給が増えるという面白い状況なのです。
EIAレポート(STEO)要約
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