眠れない夜に繰り返される後悔がいつか後悔でなくなりますように。 不安定な「俺が幸せにする」「俺が養うから」に縋りつきたかった気持ちと、そうしなかった未来が報われますように。 そりゃあこんな馬鹿な女のことを、過去もすべてわかったうえで愛してくれる人などいないとは思うけれど、過去もすべてなかったことにしたくないというエゴが貫き通せますように。 代わりにあの日戻せなかった大切に想う気持ちを、今度は失くさずに持っているから、与えるから、どうか私が幸せを感じられますように。 子
君のためだけにできる限り もう何も要らないから、もうなにも奪わないで と思った。 いつまでもあの日の絶望が消えない。 もうどんな悲しみにも心が揺らぐことはないと思った。これ以上悲しいことなんてないから、もういっそ今一生分の悲しみでも襲いかかってきてくれていい、と。 そんな時でも、それ以上の悲しみは普通にあった。もう限界まで溢れて身体を打つような悲しみはまだ存在していた。深く傷つき、修復できなくなることが急に恐ろしくなった。 あの日の絶望に比べたら大したことがない。 つ
だれかを、なにかを恋しく想う気持ちで切なくなるのに、明確にこれは恋ではなく愛だと気づいている。 恋がしたいのに、ずっとだれかを愛している。 あなたにとっての変わらないものでありたい、安心していて欲しいから。これは愛なのに恋ではない。 だれかに愛されたら恋になるのか。 だれかに大切にされたい、出来れば、大切な人に大切にされたい。 具体的にいえば手を繋ぎたい、と思ってもらいたい。 いっしょにご飯を食べたい、と思ってもらいたい。 隣で眠りたい、と思ってもらいたい。 おなじ時
愛を与えられた経験があり、それが嬉しかった。 それを正しい愛だと認識をしているので、 もう終わったものだとしても私の中に残り続けている。 そう感じることが増えた。 愛し方はどれだけ愛されてきたか、に出ている気がする。 人に優しくされたら人に優しくできる。 余裕がなければ誰にも与えられない。 どれだけ応援しても、好きだと言っても、 何も返ってこないことばかりでも特に問題はなく、嫌なのは軽視されること。 皆が自分のことばかりで、強いられて大切にしようとしたが、私は透明で
23歳、社会人2年目。 初めて出来た恋人だった。 仕事は結婚式に携わるもので、 幸せそうなご新郎ご新婦様に感化されて 自分も早くそうなりたいと焦っていたのかもしれない。 初めて使ったマッチングアプリ。 恋愛経験がほとんどない自分を包み隠さず 一人目に会った彼と順調に付き合い始めた。 彼は優しく、きちんと告白をしてくれ、 毎回デートも沢山考えてくれて、 なによりとても私を安心させて愛してくれているのが痛いほど伝わっていた。 マッチングアプリなんて軽率な人しかいないと思って
このライブが終わったら死のう2年前はそんなことばかり考えていた。 恋人と別れ、あらゆる身近な死に触れ、取り繕った明るさは底をついても、周りにはああ大丈夫なんだね、という扱いを受けて気が狂った。 まともに働くこともコミュニケーションも思考もどうにかできなくなって仕事を辞めた。 精神科に罹る元気もなかった。どうせ薬でも治らないなら診断書なんていらない。予約制ではないところが多く、泣きながら電話をしても今日はいっぱいだと言われて心が折れた。足を運ぶ気力ももうない。 いのちの電