ただ、ソラをみていた
歩く時、よくアスファルトに目がいく。
僕はどうやら上か下でいうと下を向いて歩くようだ。
根も暗い方だと思うし、その方が自分にはお似合いだなとそんなことを心の中で思っていた。
少し濃いグレーと白線。
この白線から外へは出てはいけない。
出てはいけないと決まっていると出てしまいたくなる。
出ないんだけどね。
先ほどまで雨が降っていて、それが止んで、今になって少し晴れ間が見えて来た。
それでも、まだぽつ、ぽつと僕の視界には雨が降っていた。
って、あれ?視界が霞む……、
「あぁ、僕、泣いていたんだっけ」
ぽつ、ぽつ、と先ほどまでは雨でごまかしが効いていたけども、今はもう隠しようがなかった。
僕から溢れる雨が集まり、水たまりができていた。
いいや、元からあったんだろうけど、その方が僕の悲しみが伝わるのかななんてまた心の中で思っていると、水たまりに目を惹かれた。
そこに綺麗なソラがあった。
僕は上より下を向いている方が好きだ。
でも、下を向いているはずなのにこんなにも綺麗なソラがみれるなんて。
ぽつ、ぽつ……ぽたぽたぽたぽた……。
雨の勢いはましーー、
僕は
ただ、ソラをみていた。