メディエーターなるもの
広島市立大学のアートにおけるメディエーター育成事業というものに少しだけ関わらせてもらった。
昨年からのART地プロジェクト のミューラルイベント FACE THE WALLをみんなで成功させたというところから誘っていただいた。
FACE THE WALL は6名のグラフィティアーティストに1ヶ月呉の街に滞在してもらいながら巨大な作品をインストールするプロジェクトである。
アーティストから行政への折衝や相談、
企業、協賛やクラファンなどの資金調達
商店街の方とのやりとり
JRへの土地の賃貸申請、
アーティストの滞在部屋の確保、
フライヤー、ポスターのデザイン
etc
これらを通常アーティストの方がするのは非常に難しい。
実際の作品作りと、マネージメントを同時にこなすのは困難極まる作業である。
あげればたくさんやる事があったものを、
実行委員会のメンバー7名や市役所の窓口担当の方など連携しながらなんとかこなしていった。
私はミューラルイベントをやりたい
と言う一人称視点を
もっと俯瞰して
私たちは街を変えていきたい
ミューラルイベントで。
という形で思いや願いを変えてお願いしていった。
メンバーもデザイン、撮影、会計、資金調達、行政折衝、広報とそれぞれに秀でた方をスカウトした。
私自身は仕事がら建築をしているので
工程管理、コスト、資材の調達、市役所との調整、足場の設置などは慣れていたので大変だけど、苦にはならなかった。
建築家の人と仕事をしても相手の設計意図などを汲んで形にしようとする節があり、
今回もアーティストに寄り添って気持ちよく作業をしてもらうというところは意識していた。(迷惑かけた部分も多々ありますが苦)
そういった世話役的な人をアート業界ではメディエーターと呼ぶそうだ。
また実際のアーティストの作品の展示などをする人はインストーラーと呼ぶんだそう。
まだまだ日本では業者さん扱いが多く、
なかなか認知が低いものの、これから地域からアートで町おこしをするなどの場合に
プロのアートディレクターなどを呼ぶとかなでなく、民間の人たちで形成し、地元の人との合意形成をとってく事はシーンにおいても重要である。
私自身、建築家でもなければデザイナーでもないしそんなに才能に秀でた方じゃない。
けどそういう人と寄り添いながら
実際のプロジェクトを遂行することをできるチカラが身についてきたようにも思う。
一流の方とプロジェクトを一緒にしてきたのでスキルやデザインに関する蓄積もある。
キッチンだけをそんな予算ないけどオリジナルでそこそこカッコよくしたい
とかそういう一定層あるニーズに対して応えるのは得意である。
今回のミューラルプロジェクトは
もちろん周りの協力があってこそであり、
反対してくる人もほとんどいなかったという点においても救われた。
通常であればグラフィティというジャンルにおいては認知がなかなかされにくい部分でもある。
今後自分たちのようなアートで町おこしを本気でやりたい方に対してアドバイスもできるかもしれないし、
次のプロジェクトをまた発足できるようにエネルギーは貯めていきたいと思っている。