見出し画像

読みました! | ミライの武器/吉藤オリィ

すごいなぁ、オリィさん。
共感、納得いっぱい。これからの時代を楽しく生きる上で必要な力を、オリィさんの視点で、わかりやすい言葉で記してくれています。

こどもと一緒に読むのもいいなぁ。この本をこのあと息子に授けようと思います。動画「ミライの武器・特別授業」の配信が読者限定で視聴できるのも嬉しいです。

「みんなと違っても、自分がおもったやりかたでやってみる」
「失敗してもいいから、先に形にしてみる」
「さわるのが先、知識はあと」
「小さな失敗を積み重ねる」
「すごいもの」より「できたもの」をまず見せる


僕も普段、授業を通じてこどもたちに伝えてる言葉がいっぱいで、嬉しくなります。

オリィさんが言うのと、僕が言うのでは納得感が違うだろうと思うのは、”オリィさんが世界で注目される発明家であること”だとしたら、「すごいなぁ、オリィさん」で終わってしまいそうだけど、大切なのは”今”のオリィさんをつくったその”過程”にある気がします。

ずっと不登校だったり、コミュニケーションが苦手だったり、そこから世界で注目されるようになるまでの、マイナスからプラスへの幅という表現が合うかどうかはわからないけど、とにかくその幅のある物語が、言葉ひとつひとつに説得力を持たせてくれているように思いました。

その幅がすごいから、やっぱり「オリィさんは、すごい」なのかもしれないけれど、物語は誰にでもあって、自分の物語をどう捉えて、どう切り取って、どう伝えていくかで、誰しもが「すごい」になり得る気もするのです。

そんな気にさせてくれるのも、この本が決して価値観を押し付けられているわけではなく、寄り添ってくれているような気持ちがするからかもしれません。

最後に僕が好きだなぁと思ったところをご紹介。

もはや多くの大人は、若者を「導き」「教え」「育てる」存在ではない。むしろ若者たちとシンプルな友人関係を築き、いまの時代の流行や、これからの時代に必要な知識などについて教えてもらったり、力を合わせたいと思っている。

こういうことがサラッと書かれている。
「多くの大人は」は本当に多くの大人だろうか。教員であり、親でもある生活を送っていると、まだまだまだまだ大人は「導き」「教え」「育て」なければいけない!という考え方から脱せない気がしてならない。

けれでも、本当にそういう時代じゃない。こどもは大人になる前の未成熟な状態ではない。共に歩み、大人もこどもから学ぶ時代、共に学ぶ時代なのだと強く思うのです。

シンプルな友人関係を築く。僕も、仕事を通じて、たくさんの尊敬すべきこどもたちと「友達」になりたいのかもしれません。そして、僕自身がこの先生きていくために必要なことを、そんな「友達」から日々学んでいるのかも。

そう思わせてくれた素敵な素敵な1冊になりました。