100日後に死ぬワニ、1日後に死んでください「#電通案件」な人たち

12月半ば頃からひっそりとTwitter上で連載が始まっていたらしい「100日後に死ぬワニ」というマンガが、先日100日目の連載を終え、それと同時にグッズ販売やら書籍化やら映画化やらの話が一気に解禁され、そのあまりの手際の良さに対して一部が「電通案件か!」「ステマ!」などと噴き上がり、作者が釈明に追われるという炎上騒ぎがあったそうです。

100日後に死ぬワニは、作品として見ても優れたものです。何が優れているのかを、みのミュージックさんが解説しています。

マンガ自体はどうでもよいつまらない日常を描いているだけで、取るに足らないものなわけですが、その後に「死ぬまであと〇〇日」と付記されるだけで、その言葉の圧力と、マンガ自体のつまらなさのギャップが、ドラマを生むわけです。そしてキャラクターを動物、それも犬や猫のような人間と親しい動物ではなく、あまり日常で馴染みのないワニにしたことが、「死」というテーマの生々しさを緩和したわけです。

なので、作品自体を腐してる人は、もちろん「つまらない」と思う自由はあるしそれを否定するつもりもないけど、別にお金を払わされたわけでもないのにわざわざSNSでケチをつける人って、しょうもないなあと思います。

では、「100日後に死ぬワニ」は「電通案件」だったのか?すでに作者も否定しておられるようですが、やはりこれは陰謀論の類でしょう。クリエイターの方が解説しておられます。

叩いてる人の多くは、99日目までこの作品のことを知らなかった人たちが大半だと思いますが、連載4日目にして作者はこのように呟いてます。

つまり、連載初期の段階でかなりの反響があったのだろうと思います。

連載40日余り経って、すでにテレビでも取り上げられていました。

なので、「99日目まで知らなかった」「100日目に初めて知った」などと言っている私のような人は、「テレビなんてネットより情報が遅い」とかいう資格ないんですよ。だって既にテレビで取り上げられていたのに知らなかったんだから。はい、私も知りませんでした。すみません(笑)。

もちろん、電通のあまりの手際の良さに、逆に興ざめしてしまうのはわかりますよ。でも、だからといって「最初から電通が仕組んでいた」とか「ステルスマーケティングだった」とか言うのは、違うんじゃないでしょうかね。99日目まで知らなかった私が言うのもなんですが、作品そのものにちゃんとヒットする要因があってヒットしたのですから。本当につまらない作品ならどんなステマしたって絶対に売れませんよ。

要するに、連載スタート直後から大きな反響があり、反響があったことでまたさらに反響が広がり、連載10日目なのか20日目なのかは分かりませんが、電通の社員にも目を付けられるまでには大きくなっていた、と。そこから色んなプロジェクトが秘密裏に進行していっただけのことであって、決して電通が最初から「100日後に死ぬワニを売り出しましょう」と陣頭指揮を執っていたわけじゃないってことです。

もちろん、電通プロジェクトが秘密裏に進行している間も連載は続けられ、反響が反響を呼び、100日目が近づくにつれてその反響を呼ぶスピードは加速していった、という、ただそれだけの話でしょう。

だいたい、100日って言ったら1年の約1/3ですからね。仮に電通に目を付けられたのが20日目くらいだったとしても、まだ80日残ってるわけで、1年の約1/4です。それだけの時間があれば、収益化のプランなどいくらでも立てられるし準備できますよ。それを「手際が良い」とか言ってる人は、単に自分が行動力のかけらもない無能なだけでしょ。私も行動力のない口先だけの無能ですけど、自分が無能だという自覚だけはあるから、行動力のある人や会社を叩くのは間違いだということは理解してるつもりですよ。

そして悲しいことに、炎上させたところで電通は全く損をしないし、むしろ利益は増える可能性が高いのです。

メンタリストDaiGoさんの解説の通りですね。「アンチは無料の宣伝マン」という言葉もありますが、まさにその通りですね。

作者は全く悪くないし、炎上させている人たちは作者を傷つけているだけで電通には全くダメージを与えていないのです。にもかかわらず、炎上させている人たちは歪んだ正義感で高揚してしまっている。まさにソーシャルジャスティス案件。

この人の言ってる通りですね。嫌儲主義者は〇ね。

この人は広告代理店を擁護しすぎな気もしますし、広告代理店にも問題点は多々あるとは思いますが、広告代理店はいかなる作品にも関与するな!っていうのは違いますよね。

蛇足

5年前の高橋まつりさん事件にかこつけて、電通が100日目に死ぬワニを扱う資格はない、と批判している人もおられるそうですが、はっきり言って、なんの関係もないですよね。電通って大きな会社だし、高橋さんの部署と、100ワニを扱ってた部署って、多分ぜんぜん関係ないでしょ、知らんけど。

悲しいことに、高橋さんの母親を名乗るアカウントも、こうした論調で電通を批判しておられます。さすがに遺族だし、当事者の方がそう思う気持ちはわからんでもないので、当該アカウントに反論するような真似はくれぐれもおやめください。これ、ダチョウ倶楽部的な意味で言ってるのではなく真面目にやめてくださいね。

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