白井聡さん、お元気そうでした。
例の暴言以来、facebookもtwitterも更新が止まっており、論座の連載も9月5日を最後に途絶えている、白井聡さんですが、どうやらお元気に活動されている、ということが分かりました。
講演会場のバックに大きく貼り出されている「戦争をする国づくりストップ!」の文字が、いかにも、ですよね(笑)
その下は「憲法を守り、いかす共同センター」でしょうか。
「平和と労働センター・全労連会館 2階ホール」と書かれています。
全労連というのは、みなさんご存じかと思いますが、日本共産党と関係の深い労働組合の組織です。SELADsに街宣車を貸し出していた団体、と言えば分かりやすいでしょうか?いや、却って分かりにくい(笑)
9月25日に開催された講演ということですから、普通ならfacebookやtwitterで宣伝するべきだと思うし、いくらSNSを自粛している(のでしょう)からといって、そういった事務的な報告すらをも自粛する必要はないと私は思うのですけどねえ。
で、講演の中で、案の定また馬鹿なことを言ってます。
動画の18分10秒あたりから書き起こします。
5月6月7月あたりで顕著な現象だったのは、(安倍政権の)不支持率が高まってきた。要するにこれはある種の〇〇感ですよね。「もうあんな奴の顔も見たくない。早く引っ込め馬鹿野郎。」っていうような感じに、世論の雰囲気がなりつつあった。険悪な感情がだんだん向けられるようになってきた。で、そういう中で、そのまんま人々の悪感情に押し出されて辞めるということになると、その後はどうなるでしょうか。後継権力者は、その国民感情を味方につけたいと思うはずですよね。で、どうやって味方につけよう、と。それはこれまでのさまざまな不法行為、脱法行為、これらをきちんと暴いて罰する、と。そうするともう国民的には拍手喝采ですね、ああようやっとる、正義は〇〇〇、と。ということで、新しい後継者にとっては1つの使えるカードとなる。
で、そうなっちゃっちゃ安倍さんから見れば困るわけですね。牢屋に、ということになりかねない。
いやーひどいですね。我々と全く異なる世界線に住んでおられるとしか思えないほど認識のギャップが酷いです。確かに、不支持率は当時、高かったです。でもそれは「もうあんな奴の顔も見たくない。早く引っ込め馬鹿野郎」と思われるほどの酷いものだったでしょうか。
答えは当然「否」ですね。もしそこまで嫌われていたのなら、辞任会見の直後に支持率が急上昇した理由が説明できません。ましてや「牢屋に」って、何なんでしょう。確か共産党って中核派とは何の関係もないはずですよね。なのに、なんで中核派と同じ様なことを言うのでしょう。
そもそも、安倍総理の体調不安説をたびたび報じてきたのは、主に日刊ゲンダイなどの左派メディアです。
これだけ長年にわたって執拗に安倍氏の体調が悪いと報じてきた側が、本当に体調不良で辞めたら今度は仮病だ仮病だと大騒ぎする。アホか。
で、その程度のことで急に安倍氏への「顔も見たくない」という感情が消えて、急に「安倍さんお疲れ様、ありがとう」って感情に、なるわけないだろ。アホか。
確かに、安倍氏の体調は、辞任しなきゃならないほど悪かったわけではないでしょう。ただ、これ以上悪くなってから辞任すると政治に混乱をきたす。だから、余力のあるうちに辞めた、と。安倍氏自身も会見でそういう説明をしておられたと思います。
小渕総理の経緯を記憶しておられる方なら、現職総理が亡くなった場合の政治の混乱は想像つくでしょう。そうならないように、まだ元気なうちに辞める。まさに、石垣のりこ議員の言う「危機管理能力」を、安倍総理が発揮されただけですよ。
潰瘍性大腸炎は、ストレスによって悪化しやすい病気だと言われています。なので、ストレスから解放されたことで体調が回復するということも十分ありえるのではないでしょうか。最近の安倍さんが元気そうなのは、新薬が効いているということもあるのでしょうが、ストレスから解放されたことも大きいと思います。
白井さんが頭おかしいのは、「安倍は国民から顔も見たくないくらい嫌われていたが、病気で辞めると言ったら急に好悪が逆転した」という頭の悪い主張を真顔でしていることです。そんなわけあるかいな。国民を馬鹿にしすぎ。
安倍氏を「顔も見たくないくらい嫌っている」のは、アンチアベ教を信奉しているカルト信者だけであって、全国民の声ではなかった。事実として、安倍政権の支持率が下がってる間も、自民党の政党支持率は高かった。白井さんは、自分に近い人の声しか聴いてないから、エコーチェンバーで頭がおかしくなってるだけなのですよ。
ただ、白井さん、最後の方に良いことも言ってます。56分20秒あたりから書き起こします。
安倍政権はあんなに酷いのになぜ保ってきたんだろうか?ということを考えてみますと、やっぱりそれは日米安保体制というもの、これを金科玉条として全面的に肯定し、そしてそれをひたすら強化しつづける、という精神を持った政権だったから、保ってきた。根本にはそれがあると思うんです。
で、何が問題かというと、根本的に日米安保体制と日本国憲法は対立するものである、ということですね。平和憲法だ、我々は平和国家だ、と言いながら、沖縄をはじめ沢山の米軍基地を抱えて、そしてアメリカはこれらの基地を使って様々な軍事行動を行っている。この矛盾ですよね。
結局、残念ながら日本国憲法よりも上位のものとして日米安保がある。残念ながらどんなに憲法に良いことが書いてあっても、肝心なところで安保体制と矛盾するならどっちが優越するのか、と。これは火を見るよりも明らか何ですね、日米安保の方が優越するんです。
で、そういう中で私たちは本当に憲法を持っていると言えるんだろうか?その矛盾、自問というのが、ますます高まったのが、安倍政権の新安保法制を集団的自衛権の行使を筆頭として、ますます疑問が高まった、この七年余りであったと思います。
で、この問題というのは、安倍さん自身が退陣しても残り続けておりますし、さらにこれから深刻に、アメリカが対中国の緊張を高めるという中でですね、ますますこの矛盾は露わになっていくと思われます。
白井さんのおっしゃるとおり、日本国憲法と日米安保は矛盾します。正確に言うならば、9条2項と日米安保は矛盾するというべきでしょう。
私は過去に再三繰り返し言ってますけど、9条2項は「平和憲法」ではないし「素晴らしい憲法」でもないです。たとえ日米安保を破棄しても、自衛隊と9条2項という矛盾は残り続けます。そして、自衛隊による自主防衛か、それとも、国際協調を基軸とした集団防衛かという対立軸も残り続けます。
そして、たとえ日米安保を解消したとしても、国際協調を基軸とした集団防衛を選ぶのであれば、集団的自衛権は必要ですし、アメリカとも結局は協調しなければならなくなります。アメリカとの協調を拒否して、自主防衛というのであれば、それはもう80年前の過ちを繰り返すことにしかなりません。
だからこそ、ちゃんと国民投票で決着付ければ良いのですよ、日米安保維持と9条改正か、それとも日米安保解消と9条堅持か、二者択一で国民投票をするべきなのです。
なにはともあれ、白井さんがお元気そうでなによりでした。