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艦長は浣腸? ~業界における数字と発音~

ネットサーフィン(死語)していて、こんな質問を見つけた。


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これ、なんて書いてあるの? 555-1?8370



正解は「4」なんだが、知らない人にとっては確かに不明な数字である。


webmasterも旅行業界に従事していたころは

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こんな感じで数字を書いていた(ただし海外限定)。誤読防止のための、phonetic code(フォネティックコード)みたいなものである。よって

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は、「405  769  9 」となる。


ちなみに phonetic code とは映画なんかで軍人さんが「A-B-C-9」を読み上げるときに「エイブル・ベーカー・チャリー・ナイナー」と発音するアレのこと。日本の自衛隊でも伝達ミスを防ぐ目的で


撃ち方はじめ → うーちかーたはじめー
面舵いっぱい → おーもかーじいっぱーい
1・2 → ひと・ふた
10:25(10時25分) → ひとまるふたごー


と発音している。よって「10式戦車」は「じゅっしき」ではなく、「ひとまるしきせんしゃ」となる。

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(参考画像・・・wikipediaより)

海自での「艦長」の発音が「官庁」「館長」ではなく、「浣腸」である理由は不明。アニメ版宇宙戦艦ヤマトの旧作(昭和版)では「官庁」と発音されていたが、新作(平成版)では「浣腸」と発音されている。これは「昭和」という時代背景があるからだろう。昭和時代にTVや映画で「浣腸」と発音すれば笑いものになっていたはず。

TVアニメ「グランプリの鷹」でも、往年の名レーサー「ニキ・ラウダ」のことを「ニック・ラムダ」と発音していた。映画スター「ジャッキー・チェン」だって、本来の発音なら「ジャッキー・チュン」。当時の日本人の感覚として、「ニキ」「チュン」は大衆受けしないと判断されたのでは?

関係ないが、スタートレック(当時のタイトルは宇宙大作戦)に登場するエンタープライズ号のパイロット「ミスター・カトウ」は日本語吹き替え版限定。正式には「ヒカル・スールー(Hikaru Sulu)」で、オリジナルの英語版ではカーク船長も「スールー」と呼んでいた。バルカン人の「スポック」も日本語吹き替え版では「ミスター・スポック」だったが、英語版では単に「スポック」。カークとスポックは艦長・副長という間柄というよりは「親友」に近いので、「ミスター」を付けるのはなんとなく不自然。呼び捨てにすることに抵抗があったゆえの「ミスター・スポック」のかもしれない。(注 友人同士であっても、喧嘩などをした時にあえて距離感を出すために”Mr.”を付ける場合もあります)


話がそれたが、海自における正しい「艦長」の発音は ↓ で確認できます。


「バトルシップ」という米映画で、自衛艦の艦長ナガタ役の浅野忠信さんが「正しい自衛隊式発音」をしています。興味のある方は是非どうぞ。今ならアマプラにあります。



蛇足だが・・・実際の裁判においては、「証人」は「商人」と発音される。TBSのTVドラマ「グッドワイフ」でも弁護士役の女優が正しく「商人」と発音していたが、こちらは「艦長」と違ってあまり普及していない。



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