牛若。

うどん屋さんの親子丼。主にショートショート

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  • 牛若。の自由帳

    基本ショートストーリーの様な何かを書いている

最近の記事

22卒就職・転職活動の不安を糧に考えた事

昔書いたものの公開するのを忘れてたみたいなので、今回掲載することにした。 (※最初に書いておくが、決して筆者は「一度上京した者は二度と地元に帰るな」と主張したい訳じゃない。この文章はあくまで、田舎に住む心配性な筆者の戯言と思って読んで欲しい。) 今後、地元(東京から見れば田舎な地域)で暮らす上で懸念する事がある。 それは、不景気の折解雇された社員(非正規社員も含め)が、都会からUターンをきっかけに発生する「感染第二波の恐怖」、そして「水面下で感染が再拡大する恐怖」だ。  

    • 意識高い系の君へ

      「俺(私)、人をマネジメントする方が得意だと思うんだよね」 ▶︎人をマネジメントする方が得意なのではなくて、誰からもマネジメントされたくないという自分の内に秘めたエゴイズムに気付いてないだけでは? 「来たばかりの新人や後輩に教えるとか時間の無駄。この時間があれば、もっと生産性上がると思うんだけど」 ▶︎では元から新人教育を依頼された時点で断るべき。自分のタスク管理も出来ない様な忙しい先輩に、新人や後輩は教えてもらいたくない。 そもそも個人の生産性には必ず限界があるはず

      • 檸檬(創作ショートショート)

        「この世で1番怖いのは檸檬だ。」 囚人は呟いた。 「私は檸檬を見ただけで気を失い、その場に倒れてしまう」 それを聞いた看守は、ある日悪戯で囚人の食事に檸檬を添えて出した。 そして見回りの時間になった。 看守が囚人を覗くと、囚人は普段と変わらない様子で座っていた。 「なんだ。いつもと変わらないじゃないか」 すると囚人は口を開いた。 「あぁ怖かったよ。檸檬を見せて倒れた私を待ち望んでいた、お前さんの心がな」

        • 就活での差別を自分なりに分析した話〜就活に大志はいらない。

          結局採用担当が学歴や性別で選ぶのは「自分が責任をとりたくないから」だと自分は思っている。 自分は学生時代初めて企業説明会に参加した。しかしそこで感じたのは、「結局選考する側は、その組織の歯車且つ人間であり、採用とは単なる仕事の一つである」という事だけだった。 そしてその仕事、つまり採用の結果から生じた責任をとるのは、組織の一員である上司や管理職になる。 すると実際、選考側は心のどこかで「仮にこの子をとったとして、自分より上に責められたらどう理由をつけて報告しよう」って事だ

        22卒就職・転職活動の不安を糧に考えた事

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          4本

        記事

          AI上司(創作ショートショート)

          ある日、上司が呟いた。 上司「事務員や図書館司書なんて仕事は、いつかAIにとって変わられるべきだろ。その方が絶対効率良くなる」 すると部下はこう答えた。 部下「では、管理職もAIに変わってもらいませんか?その方がきっと効率良くなりますよ。」 この様に言われた上司は、当然のごとくカッとなって部下を睨みつけた。 上司「何だねその言い方は…」 すると部下はこう続けた。 部下「冗談ですよ?あぁでも、AIを導入したからといって必ず効率が上がるとは限りませんからね。AIだっ

          AI上司(創作ショートショート)

          事務員がAIにとって変われるのなら、いっその事こと上司もAIにしてもらいません?そっちの方が効率がさらに良くなりますよ。

          事務員がAIにとって変われるのなら、いっその事こと上司もAIにしてもらいません?そっちの方が効率がさらに良くなりますよ。

          創作≪パスタ

          自分の創作より、パスタの方が価値がある。 そう気づくのに長い時間はいらなかった。 noteを何気なく始めて数ヶ月、自分の創作は他人の食べたパスタよりいいねがつかない。 悔しい。 とにかく悔しい。 そんな事を思いながら茹でたパスタの味はしょっぱい。 …でも こんな締めしか考えれない今の自分が、1番悔しかった。

          創作≪パスタ

          〇〇人

          「我ら〇〇国の国民は、常に他人を思いやり協力する事を良しとする。これは他国には見られない事であり、誇りと思うべき良い点である。」 「ですがその誇り、他国から見たら異常におかしな特徴ですが…」 やがてこの答弁は、記録に一切残されず終わった。 そして今でもその〇〇国の国民は、誇りを持ちながら毎日を生きている。

          先生(長いひとり言)

          差別をなくすためには、まず差別は「ある」とはっきり認めることからだと自分は考えている。 そしてその「差別」は、どんな立場の人間であっても、必ずしてしまう事を自覚する事が重要だと思っている。 でも何故日本の教育や教師と呼ばれる人たちは、「差別」や「差別的表現」を、子どもたちから敢えて遠ざけようとするのだろう。(正直自分は学校自体が嫌いな人間だったので、その教師にすらなろうと思わなかった人間だ。だからぶっちゃけ専門的な事や実際に働く現場の声とかは知る由もないので、何か深い事が

          先生(長いひとり言)

          友達になって下さい

          大学卒業後、田舎に戻り就職してから1年。 俺には友達がいない。 しかし、そんな俺に1通の手紙が届く。 そこには一言「友達になって下さい」とだけ書かれていた。 「なんだこれ」 このご時世に手紙かよと若干引きつつ、何気なく携帯に目をやる。すると留守番電話履歴が30件以上溜まっていたことに気づく。最近仕事で忙しく携帯を見る暇すらなかったのだが、友達のいない俺に、なんでこんなに電話が入るのか…? 気味悪く思いつつ、履歴を遡り過去のメッセージを開く。「〇〇郵便局です。」と男

          友達になって下さい

          林檎

          叔母は姪に言いました。 「お前の好きなケーキを焼いたんだ。たんとお食べ」 すると、姪は叔母に向かってこう言いました。 「叔母様のケーキ、毒が入っているわ」 「馬鹿なこと言うんじゃないよ!」 叔母は姪の頬をつねりました。 「このケーキには毒林檎なんて一つも使ってないんだ。それを何だい。このケーキには毒林檎が入ってるだなんて…!お前はいつもホラをふいて…あ、」叔母は言葉に詰まりました。 それを聞いた姪は確信し、最後に叔母にこう伝えました。 「叔母様?私は毒が入って

          考える人

          村人らは、口々にその人の事を馬鹿にした。 その人は村で何かしら事が起こると、まず自分の頭で考える癖があった。 「あいつはいつも、何か考えようとする。学者気取りの馬鹿な農民だよまったく。ろくに畑仕事をしないんだから?」 「きっと考える事に精一杯で、畑仕事をする時間もないのだ。だからあの歳になっても結婚すら出来ない。最後は1人、寂しく死んでいくに違いないね。」 「我々の様な農民は、領主の言う事だけを聞き働いていればいいのだ。何を生意気に。あいつはいつも、考えようとする。扱

          考える人

          人間と神(再掲載)

          人間は神に言いました。 人間「結局私は、生きてるうちは仕事に追われ、何者にもなれず死にました。」 すると神は人間に答えました。 神「…おや、今なれたではありませんか」 人間「どういう事です?」 人間は恐る恐る神に尋ねました。 すると神はこう答えました。 神「生きてるうちは仕事に追われ、何者かになりたいと願う事すら出来なかった貴方が、今、何者かになりたいと願う《人間》になれた。」

          人間と神(再掲載)

          傘には、その人の本性が出る。 ある人は花柄の傘をさす。持ち主は女子高生…と思いきや85歳のおばあちゃん。彼女はいつも押し車を引きながら来店し、お弁当をこれでもかと買って帰る。恐らく目が悪いから、もうまともに料理すら出来ないのだろう。しかしこの傘の花柄は何処か気品を感じさせる。持ち手には細やかな細工も施されている。彼女はきっと、昔は街で1番のオシャレな若者だったに違いない。 ある人は地味なビニール傘をさす。持ち主は仕事に明け暮れた忙しいサラリーマン…かと思いきや、近所の進学

          あいつ

          「あいつ。いい奴だったよな…」 告別式でそう言われるなんて、友人だった(あいつ)は、今まで相当いい人生を送っていた、という証拠だろう。 今日はバイクの交通事故で亡くなった(あいつ)の葬式。(あいつ)とは高校卒業以来会っていなかったが…まさかこんな形での再会になるなんて、自分でも少し動揺している。 告別式には俺と友人の境井、地域に住んでいる人らがちらほら来てるみたいだったが、規模の小さなものだった。 あいつの両親はもう亡くなっていたのか…近所のお節介爺さんの三津さんが喪

          生きる意味なんて。

          生きる意味なんて。 「死にたい… でもどうせ死ぬんだから、 何日までにあそこの店に行こう。 ついでだから床屋で散髪もした後に カフェでお茶して… あぁそうだ、本屋に用事もあるんだった。 新刊出てるかチェックして… あ!ついでに気になってたCDあったんだよな〜 あれもこの前みようと思ってた映画と一緒に 借りとくか…」 今思えば、その様な繰り返しの様な気がする。 「…。てんしはどう思う?」 少女はてんしに向かって囁いた。 てんしは栗色の瞳をこちらにむけ

          生きる意味なんて。