味がわからなくなったから、なんとかして食べ物を味わおうとしてる
新型コロナウイルスに罹りました。
2月9日に自宅で検査キットを使ってコロナ陽性。今日で最初の発熱から13日目。さすがに平熱で過ごしていますが、少し動いただけで倦怠感が強いのと味がわからない症状は今も続いています。
味がわからなくなったのは、最初に出た38.5℃の発熱から解熱剤を飲んでも38.0℃前後の熱が続いた翌々日の朝でした。鼻づまりがあったせいで朝は「なんか味薄いな?」くらいだったのですが、夜にワサビを食べても舌が痺れるだけで味がしなかったので気づきました。
コロナの症状で味覚障害が出るのは知っていたものの、思っていたのとだいぶ違うというか、舌で味を感じられなくなってみて、初めて自分がどうやって食べ物を味わっているのか、に気づきました。
どうやら舌だけで味わっているわけではないらしい
ワサビを食べてみて、味はしなくても「舌の痺れ」は感じたのと、鼻に抜ける香りでワサビを感じられました。
普段は絶対に食べられない激辛チャンジャもチャレンジしてみたのですが、ワサビと同じで感じるのは舌がピリピリする痺れと鼻に抜ける香りだけ。
なんとなく辛いような気がする?のが不思議で、食べられるから舌は機能してないんでしょうが「辛そう」なのはわかる。
辛い気はするけど口の中がカーッとはしないからいつもの辛いとは違う、のがなんとも気持ち悪いです。
想像していた味覚障害はなんの味も感じられなくて、口の中で食べ物がモソモソして食欲がなくなるんだろうなー、と思っていたのに、実際なってみると味は感じないわりに他で食べ物の匂いや刺激を感じるから脳が混乱する感じがしました。そして私の場合は食欲なくなるどころか、満腹感がないせいで普段より食べてます。
・刺激物は舌が痺れる
・鼻に抜ける香りがわかる
の他にも味に関係するので残っていた感覚が「舌ざわり」。
油の多い炒め物を食べてみたら、味がしないのに口の中が油でねたねたして、なかなか不快。
なんとか生き残っている感覚で食べ物を味わおうとすると、不味くはないけれどまったく集中できないし満腹感もないんですよね。
考えてみると、「舌で感じる刺激」「口から鼻に抜ける香り」「舌ざわり」っていうのは、食べ物を味わう上では補完的な役割ではあるけれどけっこう重要なんだな、と。
舌だけで味わっているわけではなくて、鼻・口全体で食べ物を味わっているのを強く感じる経験はあまりないので、ある意味、貴重な体験をしています。
そして、もうひとつ気づいたのは「美味しい」「まずい」を判断するのに、今までの味の記憶も重要らしい、というのも感じました。
味がわからなくても最強の食べ物
味覚障害が出てるはずなのに唯一、梅干しだけは味がわかりました。酸っぱくてよだれは出るし、口の中もいつも通り梅干し。
でも、他のものは味がしないから、おそらく今まで食べた記憶で梅干しを再現してるだけなんじゃないかな、と思います。
私の脳みそはけっこう記憶に引っぱられるタイプなんでしょうね。悪く言えば過去の経験にとらわれがち? 体の症状より記憶が優先されるんだから、思いこみが激しいとも言えるかも。
コロナで味がわからなくなったおかげで、食べ物の味は舌以外でも味わってることと自分の脳みその特徴がちょっとわかったのはよかったかもしれません。
……いや、早く美味しいごはん食べたい。回復まで時間かかるし、ほんとにもう二度と罹りたくないです。解熱してもインフルエンザよりじわじわ体力と精神を削ってくるのが辛い。
年明けに厄祓いしたのに厄年をひしひし感じてます。