見出し画像

【レビュー】ヒップホップ映画のマスターピース「Wild Style」

みなさんはどんな音楽のジャンルを聴くだろうか。音楽とは面白いもので「食」に次いで、歴史と文化に結び付くものだと僕は考えている。今でこそ「エンターテインメント」の1つだが、奴隷制度があった当時に生まれたブルースのように「苦しさ」言わば「心の声」を体現するもの音楽だ。

僕がこの間、友人から勧められた映画「Wild Style」はヒップホップの原点というべき名作だった。ヒップホップというをカルチャーを作り上げた作品。

物語はアメリカ、ニューヨーク、サウスブロンクス。覆面をしたレイモンドは、深夜に地下鉄のガレージへ忍び込み、車体に怪傑ゾロのデザインをモチーフにしたグラフィティアートをスプレーで描いていた。レイモンドのカラフルなグラフィティは話題となり評判を呼んだが、違法行為ゆえに描き手として正体を明かせずにいた。しかしある日、新聞記者のバージニアから仕事の依頼が舞い込むと言ったように物語が進んでいく。

ホームビデオとしてリリースされた本作は低予算で作られたこともあり、映画というよりドキュメンタリーに近いイメージを持った。しかし驚きなのが、実際にフェイド役で出演しているファブ・ファイブ・フレディーは当時を代表するグラフィックアーティストであり、ヒップホップを語る上で外せないグランドマスターフラッシュ本人が出演していたりするため、貴重な当時映像でもあるのだ。

(Grandmaster Flash -The Message)

また当時が確固たる結びつきがなかった「DJ」、「ラップ」、「ブレイクダンス」、「グラフィティ」とヒップホップの4大要素も作中のあるシーンがキッカケでヒップホップを定義付ける要素になったとも言われている。

画像1

(作中のクラブでのラップシーン。当時のリアルなファッションを見れるのも楽しみかたの1つかもしれない)

80年台にはヒップホップは「黒人の誇り」、「団結」を促すものに変わり政治的メッセージを発するようなったりするが、歴史の原点、文化が生まれる瞬間を見れる「Wild Style」名作だった。

最後に僕がヒップホップの「教科書」と呼んでる曲を紹介。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?