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 形を変えながら揺れる煙を見つめていた。
白い線が、白い天井に吸われるように消えていく。
音のない静かな時間。
蚊も羽虫も音もなく落ちていく。
煙の臭いも、服に肌に、沁みついていく。
煙をくゆらせたまま目を閉じる。
瞼の向こうでは今も煙は揺れているのだろう。
やがて、自分は眠りに就いた。


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