バナナをおやつに含めるか
先日、長野県市町村対抗駅伝に出場してきた。
結果はさておき、今回出場にあたって、バナナの差し入れをいただいた。
バナナと言えば、炭水化物やタンパク質、ミネラル、ビタミン、葉酸、食物繊維などの多くの栄養素が豊富に含まれる優秀な食品である。
そのため、バナナをマラソンのスペシャルドリンクにしているランナーもいるくらいだ。
また、バナナはこれだけ優秀な食品なだけあって、「おやつに含まれるかどうか」という点で解釈が分かれる逸品でもある。
「先生、バナナはおやつに入りますか?」
このようなセリフをどこかで聞いたことがある人も多いのではないだろうか。
そう、学校の遠足である。
学校の遠足と言えば、おやつが許可される数少ない学校行事の1つである。
どんなおやつを持って行こうかを考える時間というのは、遠足の準備の中でも楽しいひとときである。
「遠足」という、ただひたすら遠くまで行って帰ってくるだけの行事が、こんなに楽しい行事として我々の思い出の中に刻まれているのは、おやつによるものなのかもしれない。
しかし、だからといって、遠足におやつを好きなだけ持って行っていいというわけではない。
リュックサックに多くのおやつを詰め込んだ結果、荷物が重くなり過ぎて、途中で力尽きてしまい目的地に辿り着けなくなるといったことなどを防ぐために、学校側はおやつの量に規制をかけている。
規制の方法や基準は、各学校の考え方や地域の実情によっても異なるが、典型的なものとしては「おやつは500円まで」というものだ。
そのため、この500円の中にバナナを含めていいかというのは、重要なポイントになってくる。
さて、実際にバナナはおやつに含めてもいいのだろうか。
これについては、解釈が分かれるところだ。
なぜなら、おやつの定義から考えていかないといけない。
「おやつ」の語源は、江戸時代の言葉で午後2時から午後4時までの時間を意味する「八つ」であり、その時間に間食をしていたことから、その間食を「おやつ」と呼ぶようになり、やがて時間を問わず間食のことを「おやつ」と呼ぶようになったと言われている。
つまり、平たく言ってしまえば、「間食」なら「おやつ」というわけだ。
「間食=おやつ」 と定義すれば、間食で食べるものは全ておやつに含まれることになるので、バナナを間食として食べるのであれば、もちろんおやつに含まれるということになる。
一方で、バナナは果物であり、食後のデザートという解釈もある。
「間食」とは、食事と食事の間に取るもののことを指し、朝食、昼食、夕食以外に摂取する食べ物のことなので、逆に言えば食後のデザートは間食には該当しないということになる。
結局、バナナがおやつに入るかどうかは、バナナを食べるタイミングによって決まるということだ。
よって、遠足にバナナを持っていく際には、おやつのキャパシティーを確保するためにも、前菜もしくは食後のデザートとしてバナナを持っていくことをおススメしたい。
ただ、どうしてもおやつの時間にバナナを食べたいという人もいるだろう。
そんな人も、落ち込むことはない。
近所のスーパーマーケットで流通している一般的なバナナの価格を調べてみたところ、バナナ4本あたりで100円~200円であった。
つまり、1本あたりに換算すると、25円~50円くらい。
これはおやつの金額の規制上限の500円からすれば、全体の5%~10%ということになる。
おやつとしてバナナを1本持ち込んだとしても、まだ金額的には余裕が残るので、それほど大きな問題ではない。
また、バナナはタイミングさえ良ければ、格安価格で手に入れることができる。
やり方次第では、1本あたり10円以下で調達することもできるので、致命傷にはならないだろう。
おやつの規制方法が「1kg以内」といった重量によるものや、「縦・横・高さの3辺の合計が60cm以内」といった体積によるものではなく、敢えて金額により制限されているのは、知恵を振り絞ればいくらでもたくさんのバナナを持っていくことができるという学校側からの配慮だ。
ただ、あまりにも多くのバナナを持っていき過ぎると、荷物が重くなって、目的地に辿り着けなくなってしまう可能性があるので、多くてもバナナは3本くらいにしておき、高温多湿な環境にも対応できるコアラのマーチあたりを持っていくことをおススメしたい。