「Twitterアカウント停止」は「鉄道会社の乗車拒否」と同じく法で規制すべき
Twitterが、トランプ大統領のアカウントを停止したことについて「一民間企業の権限を超えているのではないか」という議論になっている。
アカウント停止可否の議論
TwitterなどSNSを国が「規制すべき」、「規制すべきではない」という意見がわれているが、ぼくは、一国の大統領(当時)の広報ツールを一方的に止められることは大変大きな権限であり、なんらかの法規制が必要だと考えている。
そして、この規制を議論する時、まるで21世紀の新しい議論のように言われているけど、民間企業が社会インフラを掌握するということは、昔からあるのだから、それを参考にすればいいと思う。
鉄道会社で考えれば簡単
例えば、日本の鉄道会社なんかが、いい例になると思うのだ。
今の日本では、ある乗客が、その鉄道会社の経営陣を痛烈に批判し、愁傷を繰り返していたとしても、その人から過大に料金を取ることはできないし、乗車拒否をすることはできない。
鉄道事業法などの「法令」により規制がされているから、思想、心情などにより、乗車を拒否することはできない。反対に、体に障害がある人も平等に利用できるようにすることが求められていたりする。
でも、乗車を拒否できる場合がある。それも「法令」により定められている場合のみで、伝染病の患者などがこれにあたる。つまり、鉄道会社がお客さんを拒めるかどうかは「法令」によって決まっているのだ。
Twitter拒否は事後同意制に
これをTwitterに当てはめると、Twitterは自由に運営をすることはできるけど、利用者を拒否する時の規定は「法令」によらなければならないとすることが妥当だろう。
アカウントを凍結すべき利用者は「犯罪につながる投稿、悪意のある投稿や事実と異なる投稿を行う人」等になると思う。この事例は時代によって変わるし、具体的に法律に規定することは難しいから、法律では考え方だけ決めて、具体的な運用は、政府が主催する有識者を集めた委員会などで判断する形がいいと思う。
そして、おそらく、停止前に毎回委員会にかける時間はないので、事後同意という形にしてしまって、停止した報告を委員会が審査し、言論の自由との天秤の中で「妥当」、「不可」といった判断がされていくのだと思う。
もちろん「不可」となった時は、急いで停止解除が必要で、最初は混乱するだろうけど、そうやって「判例」がいくつか溜まってきたら、ある程度Twitterの運用は安定していくことになる。
鉄道会社との違い
鉄道は、実際の世の中に鉄のレールを通す必要があって、それなりに準備に時間がかかるので、その間に法律を整備することができたのだろうと思う。でも、Twitterはソフトウェのサービスなので先にできてしまって、あっという間に大きくなってしまった。
だから、後からではあるけど、法律による規制をしていくのだ。
「Twitterを法規制する」というと、少し違和感があるけど、インフラ企業の法規制は当たり前のことであり、本来先に法規制してから始まっておくものが順番が逆になってしまっただけなのだ。
今からでは遅すぎるくらいで、一日も早く、本格的な議論を始めていくべきだと思う。