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再び灯った「本能寺の不変」

京都には「ホテル本能寺」というホテルがある。その名の通り「本能寺の変」で有名な本能寺の隣にあるホテルだ(お寺の場所は「変」の時から移転している。)。

本能寺の不変とは

そして「本能寺の不変」とは、このホテルが2、3年前に建て替えをした時に京都新聞に書かれた記事のタイトルである。

スクラップし忘れていたので、うる覚えなのだけど今京都ではホテルを建て替えて、高級ホテルにする例が多いのに、このホテルは建替え後もこれまで通り修学旅行生をメインターゲットにすると言う記事だった。

修学旅行と京都

京都において、修学旅行は春と秋の風物詩であり、文化であり、ぼくはこの街の誇りの一つであるとも思っている。だって、学生時代細かいことは忘れてしまっているけど、修学旅行の思い出って忘れないから。

それが良いものであっても悪いものであっても、その人の人生の一ページとしてこの街を記憶してもらえる。こんなに嬉しいことはない。

そして、ホテル本能寺は、利益を追求して高級ホテルに鞍替えすることをせず、京都の文化を守ってくれたのである。だから、このことを報道するときに日本の歴史が動いた「本能寺の変」にならってタイトルをつけたくなるほど、京都新聞の記者もきっとこのニュースが嬉しかったのだと思う。

建て替わったホテル

実際に建て替わったホテルは高級ホテルに負けないくらい素敵だ。最上階に京都を見下ろせるラウンジのようなところがあって、そこから街を見る学生たちの姿をホテルの前の道である御池通から見ることができるという、なかなか面白い構造をしている。

でも残念ながら、この春くらいからそのラウンジの明かりが灯らなくなってしまった。そう、コロナのせいで、修学旅行が軒並みキャンセルされてしまったのだ。せっかく素敵なホテルがあるのに、真っ暗なままで、通りの雰囲気も暗いものになってしまっていた。

しかし先日前を通ったら、再びラウンジに光が灯っていたのだ。ぼくはあまりに嬉しくて、足を止めて写真を一枚撮った。それが、今回の記事のトップ写真である。やっと修学旅行生が戻ってきてくれたのだ。

光がくれた希望

考えてみると、京都に都が置かれて1000年以上。これまでにも、幾多の危機を経験しながらも、大切な文化を守り、育んできた。このコロナ渦、まだまだ先が見えない中ではあるけど「きっとこれからもこの街の文化を守ることができるはずだ」と光を放つホテル本能寺を見て確信することができた

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