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よく考えると「月見バーガー」は斬新なネーミング
今年も月見バーガーの季節がやってきた。年を重ねるごとにマクドナルドに行く機会がなくなってしまったのだが、この月見バーガーだけはどうしても食べたくて、いつ行こうか思案している。
ところで、今まで全く気にならなかったのだが、この「月見バーガー」という名前、なかなか斬新ではないかと改めて思った。
1. 気になった理由
というのも、今年のCM、月を見ながら月見バーガーを食べるという、若干無理な設定をしていたのである。「月見バーガーは大好きなのだが、月を見ながら月見バーガーを食べる人なんて見たことがない、そもそも、なんで月見バーガーなんだろう?」と不思議に思ってしまった。
2. 検証してみる
まず、見た目に月がどこにもない。もちろん、中に目玉焼きが入っていて、それを月に見立てているのはわかるのだが。でも、普通、名前に登場させるなら、見せる必要がある。
ダムカレーはダムの形、鯛焼きは鯛の形、メロンパンはメロンの形である。
アンパンのように中に素材を入れていて名前にするのは良いとして、中にその形のものが入っているだけで、見えないのに名前にしちゃうのはなかなかの大胆不敵さだと思う。
つまり、月見バーガーは、素材にも、見た目にも、存在しないものを名前に入れている商品なのだ。
3. 歴史を調べる
調べてみると月見バーガーが登場したのは1991年と今から39年前である。
その頃には他にも3つほど定番となるメニューが登場しているが、いずれもネーミングはノーマルだ。
ベーコンレタスバーガー
グラタンコロッケバーガー
チキンタツタ
チキンタツタは少し変わっているように聞こえるが、竜田揚げから来ているので、あくまでも挟まれた素材の話である。
この流れで行けば、本来月見バーガーは
ベーコンエッグバーガー
となるはずだと思う。
それがどうして月見バーガーになったのだろうか。
4. ネーミングの経緯(妄想)
次のようなやりとりがあったのじゃないだろうか。(妄想なので、お急ぎの方は飛ばしてください。)
「では名前は、シンプルにベーコンレタスバーガーと、ベーコンエッグでいいですね」
「ちょっと待って、ライバルのフライ班は、チキンタツタとグラタンコロッケでいくらしいわよ」
「何だって!まさかグラタンコロッケがハンバーガーになるなんて、想像だにできない!大変な騒ぎになるぞ!」
「それに、チキンタツタは本当なの?」
「そのようです、入手したチラシ案では、タツタと書いています!」
「なんて斬新な名前なの!これではとても我々グリル班は太刀打ちできない!」
「まずい、フライ班が、ますます次期社長候補としてリードしてしまうじゃない!!だれか、何かいいアイデアはないの?」
「販売は9月だ。9月の行事をすぐに知恵蔵で調べてくれ!」
「あ!ありました!お月見です!9月にはお月見があります!」
「それだ!中の卵が満月にそっくりじゃないか!月見バーガーだ!」
「ちょっと待ってください、外からは全く見えないのに、月見なんて言えるんですか?」
「君は、フライ班に負ける責任を取れるのか?この際、話題にさえなればいいのだ!」
「自分はそうは思いません!これは虚偽表示です!目玉焼きバーガーにすべきです」
「まあ、待ちなさい。君は目玉焼きバーガーが食べたいと思うかね。いいじゃないか、月見バーガーならお客様は心躍らせてお店に来てくれる。何かあれば、ぼくが全て責任を取ろう。全てはお客様のためだ」
「リーダー。。」
「よし!月見バーガーに決定だ!」
以上、個人の想像です。半沢直樹を見た直後で、多分に影響を受けています。
5. 何にしてもすごい
でも、今ではこのネーミングを不思議に思う人がいないくらい月見バーガーがメジャーになっているのだから、名付けた人はなかなかの策士だと思う。
なによりも、他で聞くことも少なくなった、お月見という日本の文化を少し変わった形ではあるけれど広め、守ってくれていることに感謝したいと思う。