『機動戦士Ζガンダム・機体完全解説・Ζガンダム』
機体名:ゼータガンダム
開発元: アナハイム・エレクトロニクス
プロジェクト名: ゼータ計画
運用時期: グリプス戦役期
ゼータガンダムは、「ゼータ計画」に基づいて開発された高性能の可変モビルスーツです。最大の特徴は、ウェイブライダー形態への変形機構であり、この機能により大気圏突入も可能な全領域運用能力を獲得しました。グリプス戦役期の最高傑作として評価され、エゥーゴのフラッグシップ機として活躍しました。
開発背景
U.C. ダブルオーエイティーシックスにエゥーゴの依頼を受けて開発が開始され、U.C. ダブルオーエイティーセブンに完成。その同年8月には実戦投入されました。カミーユ・ビダンの乗機として、グリプス戦役で多大な戦果を挙げ、第1次ネオ・ジオン戦争ではガンダム・チームの中心的存在となりました。その戦果により、ゼータガンダムの機能と性能は証明され、アナハイム・エレクトロニクス社製可変モビルスーツの代表として後のモビルスーツ開発に影響を与えました。
機体比較
ゼータガンダム、同じゼータ計画から生まれた機体と比べても特異な存在です。百式はフレーム強度の問題から可変機構を採用できず、ダブルゼータガンダムは変形・合体機能を持ちながらも異なるアプローチをしています。それぞれが独自の機能とデザインを持っており、ゼータガンダムはその中でも特に先進的な技術を取り入れた機体です。
技術的な革新
アナハイム社製社は、ムーバブル・フレームの強度不足という課題を ガンダムマークツーの技術で克服しました。このフレームの柔軟性がゼータガンダムの設計に適しており、さらにカミーユの試案を基にしたフライング・アーマーとの組み合わせも、計画の進展に寄与しました。これにより、ガンダリウムなどの先進技術と外部から導入された技術が融合し、ゼータガンダムという傑作が誕生したのです。
ゼータガンダムの頭部は、V字型アンテナとデュアル・カメラというガンダムの特徴を引き継ぎつつ、独特のシャープな形状を持っています。このため、俗に「ゼータタイプ」とも呼ばれます。また、頭部モジュールには機体管制システムやセンサー、パイロットへの情報フィードバック用のプロセッサーが搭載されています。興味深いことに、破壊された際にはザクツーの頭部で応急修理が行われたこともあります。
モビルスーツ機体解析 機体解説 2
ゼータガンダムのウェイブライダー形態は、通常の可変機のモビルアーマー形態に相当する高速巡航形態であり、従来の機動兵器の概念を覆す革新性を持っています。この形態は、デルタガンダムやメタス、プロトゼータガンダムの開発過程での試行錯誤を経て、アナハイム社がムーバブル・フレームを用いた変形機構を確立することで完成しました。
ウエーブライダー形態の最大の特徴は、大気圏内外での連続運用が可能である点です。この能力により、ゼータガンダムは従来の戦術に新たな戦略的価値をもたらし、戦場における影響力を高めました。特に、アーガマ隊がこの形態を利用することで、迅速に高い戦闘力を前線へ輸送できるようになり、戦術に多様性が生まれました。
ウエーブライダー形態において、脚部に内蔵された主機関は大気圏内外両用の熱核ジェットロケットタイであり、環境を問わず優れた加速性能を発揮します。このため、ゼータガンダムは戦局に応じた迅速な機動が可能となり、戦闘における機動力の向上に寄与しました。全体として、ウェイブライダー形態はゼータガンダムの戦闘能力を大きく引き上げ、モビルスーツ開発史において重要な意義を持つ存在となりました。
モビルスーツからウエーブライダーへの変形シークエンスの概要です。
1. 頭部と腕部、胸部と脚部の変形開始: 初めに頭部と腕部、胸部と脚部がそれぞれの変形を開始します。
2. 胸部と背部の連結: 胸部と背部が連結し、腕部が前方に移動します。
3. 腰部と腹部の移動: 腰部と腹部が上方に移動します。
4. シールドとフライング・アーマーの動き: シールドが中央に前進し、フライング・アーマーが側面に回り込みます。
5. フライング・アーマーの回転: フライング・アーマーが180度回転し、脚部フェアリングが出現、ロングテール・バーニア・スタビライザーがフルダウンします。
6. ロックと展開: 下面に移動したフライング・アーマーがシールドによってロックされ、ウィングが展開されます。脚部スラスターが露出し、腰部サイドアーマーが前方に回転して変形が完了します。
この一連の変形はほぼ同時に行われ、変形に要する時間は0.5〜0.8秒とされており、非常に迅速です。変形時には頭部のアンテナが折り畳まれ、メイン・カメラの保護カバーとして機能します。
主な武装
1. ビーム・ライフル
ゼータガンダムの主武装で、機体上面に固定されているため、射角は限られますが、モビルスーツ形態と同等の威力を発揮します。
長銃身で、上部中央にはターゲットセンサー、銃口下部にはサブセンサーが搭載されています。
銃床部分にはエネルギーパックがあり、戦闘中に弾切れを起こしてもパックを交換することで再使用が可能です。
専用のジェネレーターを内蔵しているため、モビルスーツ側からのエネルギー供給がなくても使用できます。
2. ビーム・サーベル
腰部サイドアーマーに収納されており、ビーム・ガンとしても使用可能です。
3. ハイパー・メガ・ランチャー
ビーム・ライフルと同様に銃身やグリップが折り畳まれます。大型火砲として、百式が運用するメガ・バズーカ・ランチャーと同じコンセプトですが、1射あたりの威力は劣るものの、発射回数や発射速度、運用性に優れています。
変形機構
変形時のビーム・ライフルは、機体上部に装備され、ウエーブライダー形態では下の状態でシールドのバルジにマウントされます。ウエーブライダー形態においても、推進力や機動性を維持しつつ、武装の運用が可能です。ゼータガンダムの変形機構は複雑ながらも合理的な設計に基づいており、迅速な変形と武装の展開が実現されています。
このように、ゼータガンダムは多彩な武装を持ち、それぞれの形態において最大限の性能を引き出せるよう工夫されています。
MS 進化論：ゼータガンダム
データ上で検証された機体
デルタガンダム
可変機として設計されていたが、ムーバブル・フレームに脆弱性があったため、再設計されてヒャクシキへと進化しました。
改造機体
ヒャクシキ: デルタガンダムを非変形機として再設計した金色のモビルスーツ。脚部の構造には可変機としての設計の名残が見られ、ゼータ計画の成果を引き継いでいます。
リック・ディアス
エゥーゴとアナハイム・エレクトロニクス社によって開発された第二世代モビルスーツ。ジオン公国軍系の技術者が中心となっている。ガンダリウムyを使用しており、当初は「yガンダム」と名付けられる予定だった。ガンダリウムyの採用により、高い防御力を誇る。エゥーゴの主力モビルスーツとして活躍し、運用実績を積んでいる。
ゼータガンダムの試作機
ゼータガンダムのプロトタイプ。ガンダムマークツーの入手以前から開発が始まり、非変形機としてロールアウトした。ブロック・アップ・ビルドを採用し、高い整備性を実現。後のゼータガンダムへの技術的影響が見られる。
改良されたガンダムタイプモビルスーツ
ガンダムマークツー、ティターンズによって再設計されたガンダム。U.C. ダブルオーエイティーファイブから開発が始まり、U.C. ダブルオーエイティーセブンに完成。エゥーゴに強奪され、そのムーバブル・フレームがゼータガンダムの開発に大きな影響を与えた。
ゼータガンダム
開発背景: エゥーゴとアナハイム・エレクトロニクス社が「ゼータ計画」の一環として開発した可変モビルスーツ。グリプス戦役を代表する機体であり、組織のフラッグシップ機。変形後のウェイブライダー形態では、単独での大気圏突入が可能。開発初期には難航したが、奪取したガンダムガンダムマークツーのムーバブル・フレームとカミーユ・ビダンの設計案により完成。
改良型
ゼータプラス A1型: カラバとアナハイム・エレクトロニクス社が開発した大気圏内用可変モビルスーツ。赤と白のツートンカラーで、アムロ・レイの搭乗機。
ゼータプラスプラス C1型: Zゼータプラス A1型をベースに宇宙用に再設計された機体。機動性、火力、生産性に優れる。
量産型ゼータガンダム
ゼータガンダムの量産を目的に、変形機構を省略し、徹底した低コスト化が図られた機体。シンプルな構造により、量産体制を整えることが可能になり、エゥーゴの戦力強化に寄与した。
リ・ガズィ
ゼータガンダムの技術を活かした新型モビルスーツ。
可変機能と高い機動力を持ち、ゼータガンダムシリーズの流れを汲む重要な機体。
まとめ
ゼータガンダムシリーズは、技術革新と戦術的なニーズに応じて多様な改良や新型機が開発されました。量産型や発展型は、低コスト化や性能向上を目指した設計がなされ、エゥーゴの戦力を大いに強化しました。各機体はそれぞれ異なる役割を持ちつつ、ゼータガンダムの遺伝子を受け継いでいます。
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