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わんちゃんの皮膚構造と、シャンプーやブラッシングのオススメ頻度

シャンプーやブラッシング等の“グルーミング”は、わんちゃんが健康的に生きるためにとても必要なものです。しかし、わんちゃんの皮膚について正しい知識がないと、かえってわんちゃんのお肌を痛めつけてしまうこともあるかもしれません…。

そうならないためにも、今回はわんちゃんの皮膚構造についてお話させていただきます。さらに、わんちゃんによくある皮膚トラブルの原因や、改善・予防するためのシャンプーやブラッシングの頻度についてもご紹介しております◎

わんちゃんの皮膚について

● わんちゃんの皮膚も生きている!

わんちゃんの皮膚は人間と同じような3層構造となっており、外側から表皮、真皮、皮下組織となっています。

いちばん外側の表皮はさらに4重構造(基底細胞層、有棘細胞層、顆粒細胞層、角質層)となっており、いちばん最奥にある角質層が一定期間に他の層を押し上げ、細胞の生まれ替わりが行われています。これがいわゆる“皮膚のターンオーバー”と呼ばれているものす。

人間の皮膚も定期的に生まれ変わっており、その周期は約28日サイクルと言われています。それに比べてわんちゃんは、約20日サイクルとやや短めの周期となっています。またわんちゃんも人間も、年をとるにつれて周期が長くなったりします。

● わんちゃんの皮膚は、とても弱い

先ほどのお話でも登場した表皮。つまりわんちゃんのからだを守る役割を果たしている、いちばん表面の皮膚です。実はその表皮の厚さは、人間の約1/3~1/6程度しかありません!そのため、わんちゃんの皮膚は外からの刺激にとても弱いため、皮膚トラブルが起きやすいです。

● 皮膚を守るために重要な2つの汗腺

わんちゃんの皮膚には汗腺という、いわゆる“分泌腺”があります。わんちゃんにある汗腺は、エクリン汗腺とアポクリン汗腺の2つで、これは人間のからだにもあります。しかし、汗腺が通っている場所は、人間とまったく違います。

まずエクリン汗腺は、運動や暑いときに分泌されるさらっとした汗をつくりだし、体温調節に役立つことで有名です。このエクリン汗腺、人間にはほぼ全身に分布されています。その一方で、わんちゃんは肉球にしかエクリン汗腺がないんです!びっくりですよね!だからこそわんちゃんは、舌を出して唾液を蒸発させることで、体内の熱を放出しているのです。

アポクリン汗腺は、皮脂分の多いベタッとした汗をつくりだす汗腺で、人間には主にわきの下などに分布されています。わんちゃんもごく一部に分布しているかと思いきや、実はこのアポクリン汗腺、わんちゃんの全身に隈なく分布されています。アポクリン汗腺からつくりだされた汗は、酸化や、細菌に分解されることにより、独特な臭いを発生させます。その臭いこそが、よく言われる犬臭さに繋がっているんです。

まれに発生する“フケ”や“ベタつき感”

● フケの原因

フケとは、はがれ落ちた角質のことです。もともとフケとは、古くなった角質を落とすことで、新しい角質細胞をつくりだすために生まれるものです。しかし、そのようなフケは目に見えるような大きさではありません。それが目立つようになってきたということは、皮膚トラブルが発生している可能性があります…!

その影響で皮膚が生まれ変わるまでの周期が短くなり、不完全で大きな角質が皮膚から浮かび上がってしまいます。それがいわゆる“フケ”です。

● ベタつきの原因

わんちゃんのベタつきの原因は、主に2つの原因が挙げられます。

1つ目は、脂っぽい汗の過剰分泌です。人間も、汗をたくさんかくと肌がベタベタして気持ち悪くなったりしますよね。それはわんちゃんも同じで、何らかの原因で毛穴から脂や汗を過剰分泌すると、被毛にベタつきが発生します。

2つ目は、角質トラブルです。皮膚の生まれ変わりの周期が短くなった影響で、不完全な角質ができてしまうと、細胞と細胞の間を埋める役割をしているセラミド(細胞間脂質)が漏れ出てしまいます。元々セラミドとは、皮膚を美しい状態で保つためにとても重要な成分ですが、うまく保有できないとベタつきの原因となってしまうのです。

皮膚を健康的に守るためにもシャンプーをしてあげる

わんちゃんの皮膚がどれほど弱いか、ご理解いただけたでしょうか?人間と同じように、わんちゃんも皮膚トラブルを起こしてしまうのです。

わんちゃんがより快適な毎日を送れるよう、飼い主である私たちは日ごろからケアをしてあげないといけません。その中でも特に重要なのは、シャンプーです。

特に、わんちゃんの被毛はほこりなどがつきやすいですし、お散歩途中にノミやダニなどを連れてきてしまうことも少なくありません。だからこそ、定期的にシャンプーで汚れを落としてあげる必要があります。

といいつつ、やっぱりわんちゃんの皮膚はデリケートですし、高頻度でからだを洗ってしまうと皮脂を過度に奪ってしまいます。そのため、基本的に頻度は月に1~2回程度で十分でしょう。使用するシャンプーの種類については、獣医師さんなどに相談し、わんちゃんの皮膚に合ったものを選ぶとなお良いでしょう◎

毎日ブラッシングをしてあげる

「月に1~2回だと、ノミやダニが心配…」「けれど皮脂もしっかり残してあげたい…。」そんな不安を抱いた方も多いでしょうだからこそ、ノミやダニ対策にはブラッシングを活用しましょう。

ブラッシングをするだけで、ノミ・ダニ以外にもほこりや汚れを十分に落とすことができます。マッサージ効果もあるため、わんちゃんの皮膚を美しく保つためにとっても有効です◎

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