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わんちゃんが突然走り回る!? 謎の行動「いぬっぱしり」の真相を解明

◎ドッグトレーナーの資格保有者執筆◎

家の中や、お散歩中、ドッグランなどで、突然わんちゃんが背中を丸めて猛ダッシュ!同じ場所をぐるぐると狂ったように走り回ったかと思えば、これまた突然走るのをやめて何事もなかったかのように平然と振る舞う…わんちゃんとの暮らしの中で、そんな場面に遭遇したことはありませんか?はじめて目にするその姿に「うちの子どうしちゃったの?」と驚く飼い主様も少なくないでしょう。

唐突に始まって終わるこの謎の行動、実はわんちゃんにはよく見られるもので、通称いぬっぱしり」と呼ばれています。「犬走り」ということもあるようです。

何の脈絡もなく発作的に起こるように見える行動ですが、実はその行動の背景にはいくつかの理由が隠れていました!わんちゃんがいぬっぱしりを始めたときに心がけてほしいことについても解説していくので、気になっていた飼い主様必見です。

どうして突然走りだす ?いぬっぱしりの謎を解明

一体わんちゃんは、なぜいぬっぱしりをするのでしょう? まずはその理由を、いぬっぱしりが起こりやすい状況を例に挙げながら紐解いてみましょう。

【理由①】解放感


どんなとき:家の玄関を出た直後、うんちをした直後、公園や河川敷などの広い場所で

室内からお外に出た直後や、お気に入りの広場を歩いている最中など、開放的な空間に心が高揚し走り出したくなることがあります。また、うんちをしてスッキリ身軽になった後に、テンションが上がって走り出すこともあります。

【理由②】エネルギーの発散


どんなとき:雨の日の室内、おもちゃで遊んでいる最中、長いお留守番の後など

悪天候でお散歩がいつもより短めだったり、お留守番の時間が長めだったりしたときに、有り余るエネルギーを発散させるために突然走り出すことがあります。また、おもちゃで遊んでいる間に興奮が高まり、その勢いで走り出してしまうわんちゃんも多いですね。

【理由③】ストレスの解消


どんなとき:爪切りやシャンプーの後、病院での診察の後など、自分の思い通りにいかずストレスを感じたとき

爪切り、シャンプーといったグルーミングや病院での診察が苦手なわんちゃんの場合、その場ではおとなしく我慢してやり過ごすものの、終わった後に突然走り出し感じていたストレスを解消しようとすることがあります。

その他にも、欲求が満たされていないと感じたときに、八つ当たりをするかのように走り出すわんちゃんもいます。

いぬっぱしりをしやすいわんちゃんの特徴

ところで、いぬっぱしりをよくするわんちゃんと、そうでないわんちゃんがいるのはなぜなのでしょう?そんな疑問にお答えするために、いぬっぱしりをしやすいわんちゃんの特徴をまとめました。

①パピーまたは若いわんちゃん
②興奮しやすい
③活発でエネルギッシュ
④頑固で気が強い

若くてエネルギーに溢れるわんちゃんであれば、特に①の解放感や②のエネルギー発散を理由にいぬっぱしりが出やすいかもしれません。パピーはとにかく好奇心旺盛で興奮しやすい傾向があるため、成熟したオトナのわんちゃんよりもいぬっぱしりの頻度は高めです。

頑固で気が強い性格のわんちゃんは、主に③の理由でいぬっぱしりをするケースが多いようです。

飼い主様が注意すべきこと|優先すべきは「安全の確保」

では、実際にいぬっぱしりが始まったとき、側にいる飼い主様はどのような対応をとればよいのでしょうか?いくつか注意すべきことがありますので、一緒に確認しておきましょう。

・滑りやすい場所では怪我に注意


例えば、室内でいぬっぱしりが始まったとします。もし室内がフローリングなどの滑りやすい床材の場合は、グリップが効かず、転倒して足腰を痛めたり、脱臼や骨折、ヘルニアなどを発症したりする可能性があります…。大きな怪我に発展する前にやめさせるようにしましょう

・周囲に障害物はないか、人やわんちゃんがいないかに注意


いぬっぱしり中のわんちゃんは、興奮状態で周りがよく見えていません。例えば室内では、家具や壁に激突して怪我をしてしまうことがあります。棚などにぶつかった拍子に、装飾物がわんちゃんのうえに落ちてくる可能性もゼロではありません!

外出先だった場合は、公園のベンチや植栽などに激突する可能性もあります。外出先がドッグランだった場合、近くの人やわんちゃんにぶつかって怪我をさせてしまったり、飼い主様同士のトラブルに陥ったりすることも…。

怪我や事故トラブルのリスクのある場所でのいぬっぱしりは特に注意が必要です

・リードはしっかり持って放さない


お散歩中に突然いぬっぱしりが始まり、不意に引っ張られてリードを放してしまったことがある方もいるかもしれません。安全な場所なら問題ありませんが、それが交通量の多い場所や線路の近くで起きたらどうでしょう?そのまま突っ走っていったわんちゃんが車や電車にひかれるという、悲しい事故にもつながりかねません。

興奮しやすいわんちゃんとのお散歩時は、常に気を引き締めてお散歩するようにしましょう。肩に斜めがけできるタイプショルダーリード)や腰に巻くタイプのリードを選ぶと、より安心してお散歩を楽しめますよ◎

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・突発的な動作による衝撃を和らげる工夫を


リードを首輪に装着しているわんちゃんが突然走り出すと、リードが勢いよく張っぱられた瞬間、わんちゃんの首や頸椎(けいつい)に大きな衝撃を与えてしまいます。深刻なケガにつながる前に、首輪とハーネスを併用して、突発的な衝撃を分散できるよう対策をしておくと安心です!

・わんちゃんの興奮を煽るような行為は控える


飼い主様が、興奮していぬっぱしりをするわんちゃんに対して、大きな声を出したり追いかけたりしたとします。実は、それがやめさせようとして行ったことでも、結果的にわんちゃんの興奮を煽ってしまう可能性があるんです。

興奮させないためには、いぬっぱしりが始まっても動じず、冷静に対処するよう心がける必要があります。

また、いぬっぱしりを長引かせないためにも、普段から「おすわり」や「おいで」の指示にきちんと反応できるトレーニングをしておくことも大切です。コマンドトレーニングはわんちゃんを冷静にさせる効果があるので、外出先でも積極的に練習しておきましょう!


不可解な行動だと思っていた、いぬっぱしりの謎は解けたでしょうか?

あなたのわんちゃんがどんな理由でいぬっぱしりをするのか、普段からよく観察してみるとおもしろいですよ!もし、その理由がストレスや運動不足であるのなら、お散歩や遊びの量を見直す良い機会にもなりますね。

いぬっぱしりをきっかけに、愛犬とのコミュニケーションがより一層深まりますように◎

●ライター:キュウタ
ドッグトレーナーの資格を保有
●編集:うしすけチーム

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