夏のテラス席で愛犬と食事!熱中症から守るための4つの対策を知ろう
◎ペットセラピストの資格保有者執筆◎
近年、わんちゃんも一緒に入店できるカフェやレストランが増えてきましたよね!大好きなわんちゃんと一緒にテラス席でランチ…といった光景もよく見かけますが、これからの夏の季節では、熱中症の可能性があることも忘れてはいけません。
そこで今回は、わんちゃんを連れてテラス席を利用する際に事前に確認したいこと、基本的なルール、そして熱中症対策のためにできることなどを詳しくお話します!
同伴できるのは「テラス席のみ」が多い
「わんちゃんも大切な家族!」という認識が広まりつつある昨今、わんちゃんの同伴を認めてくれるお店も段々と増えてきました。わんちゃんも一緒に利用できるお店があるのは、私たち家族にとっては、とてもありがたく嬉しいことですよね!
一方で、わんちゃんなどの動物が苦手な人や、好きだけれどアレルギーがあって避けざるを得ない…という人も珍しくはありません。そうした人にも安心して利用してもらえるように、わんちゃん同伴可能なお店でも「テラス席のみ」などエリアが制限されている場合も多いでしょう。
お天気が良い日のテラス席での食事は、ポカポカと暖かくてわんちゃんも気持ちよく過ごしせますよね!その反面、いくつか気をつけなければいけないことがあるのも事実です。順を追ってご紹介していきますね!
テラス席を利用する前に確認したいこと
まずは、レストランやカフェなどのテラス席に向かう前に、飼い主様が確認しておくと安心なことについてお話します。
【確認①】犬種制限の有無
「わんちゃん同伴可」と謳っているお店であっても、中には犬種制限を設けている場合もあります。「せっかくお出かけしたのに犬種制限で入れなかった…」となっては飼い主様もショックですし、お出かけを楽しみにしていたわんちゃんも可哀想ですよね…。
お出かけ前にはお店のホームページやSNSをチェックし、犬種制限の有無を確かめるようにすると安心です◎
【確認②】ワクチンは接種済みか
わんちゃんの同伴ができるお店には、ご自宅の子の他にもたくさんのわんちゃんが訪れます。そのため、「1年以内にワクチンを受けていること」など感染予防に関してルールが決められているケースもあります。
その一方で、お店では特にワクチン接種が定められていない場合もあるかと思います。「お店で決められていないから、ワクチンは打っていなくてもいいのかな…?」と考える人もいるかもしれませんが、それは絶対にNGです!
定期的なワクチン接種は、他のわんちゃんはもちろん、自分のわんちゃんの健康を守るためにもとても大切なことです。「他のわんちゃんが集まる場所に行く時には、ワクチン接種を済ませておく」というのは飼い主様の最低限のマナーだとも言えます。
特に狂犬病は法律でもワクチン接種が定められているくらい、とても恐ろしい病気です。近年では義務付けられているにも関わらず未接種のわんちゃんも多いと言われているので、飼い主様は「自分のわんちゃんは自分が守る」という意識を高める必要があります。
わんちゃん同伴可能なお店に行く際に限らず、飼い主様は定期的なワクチン接種を心がけ、お出かけの時には「打ち忘れはないか?」と、再度よく確認しましょう!
【確認③】ヒート中ではないか
避妊手術をしていない女の子のわんちゃんの場合、ヒート(生理)中でないことを確認してからお店を利用するようにしましょう。
「マナーウェアをつけていれば良いのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、わんちゃんのヒートでは出血だけが問題なわけではありません。
実はわんちゃんのヒートは、人の生理とは違って出血だけではなく「発情」も兼ねています。そのため、女の子のわんちゃんがヒート中にお店を利用してしまうと、その発情ホルモンに反応した男の子のわんちゃんが、興奮して交尾を迫ってくる可能性もあるのです。
飼い主様は日頃からわんちゃんのヒートの周期を確認し、ヒート中にはなるべく多くのわんちゃんが集まる場所への外出を控えるとお互い安心ですよ◎
【確認④】感染症やノミダニ寄生はないか
また、わんちゃんに病気の感染やノミダニの寄生がある場合にも、お店の利用は控えておくようにしましょう。
先ほどもお話したように、わんちゃん同伴可のお店にはたくさんのわんちゃんが集まります。もし、ご自宅のわんちゃんが何かの感染症にかかっていたり、体にノミやダニがついていたりした状態でお店を利用するとどうなるでしょうか?言うまでもありませんが、近くにいるわんちゃんにも移ってしまう可能性があり、他の飼い主様にまで迷惑をかけてしまいます。
「大切な家族であるわんちゃんと一緒に出かけたい」という飼い主様の気持ちは、愛情の表れでもありますから、とても素敵だと筆者も思います。だからと言って、他のわんちゃんや飼い主様に迷惑をかけても良いわけではありませんよね。
感染症やノミダニが確認されている場合には、きちんと治療を行い、完治してからお出かけするように心がけましょう◎
覚えておこう!テラス席での基本ルール6つ
事前の確認で特に問題がなかったわんちゃんでも、飼い主様には絶対に忘れないでいただきたい基本ルールがあります!ここからは、わんちゃん同伴可能なテラス席で覚えておきたい6つのルールについてお話します。
【基本ルール①】トレーニングは済ませておく
まず、わんちゃんの同伴が認められているお店の利用には「トレーニングを済ませておくこと」が大前提となります。
繰り返しにはなりますが、わんちゃん同伴可能なカフェやレストランには、ご自宅のわんちゃん以外にもたくさんの子や人が来ています。トレーニングが済んでいないわんちゃんでは、慣れない環境に興奮したり他のわんちゃんとトラブルを起こしてしまったり…というケースも十分に考えられるのです。
わんちゃんとのお出かけは、基本的な「まて」「おすわり」などができるようになってから行くようにしてくださいね。
【ルール②】トイレを済ませてから入店する
わんちゃんと一緒に利用できるテラス席であっても、飲食店ですので基本的にはわんちゃんのトイレは用意されていないでしょう。「それなら自分でペットシーツを持参しよう」と考える飼い主様もいるかもしれません。しかし、食べ物を扱う場ですから、ペットシーツを持参したとしても、店内でおしっこやうんちをさせるのはマナー的にもNGです!
一方で、おしっこやうんちを我慢させてしまっては、わんちゃんの健康を害する危険もあります。お店に入る前には必ずトイレを済ませるようにして、自分たちも周囲の人たちも気持ちよく過ごせるように心がけましょう!
【ルール③】マナーウェア・服を着用する
「わんちゃんのトイレを済ませてから入店する」とお話しましたが、トイレが済んでいても念のためにマナーウェアを着用させておくと安心です。
また、わんちゃんOKのテラス席であっても、わんちゃんを連れていない人や、動物が苦手な人が利用している可能性もあります。そうした周りの人たちへの配慮として、毛が飛びづらいように服を着せることもオススメですよ。
飼い主様は常に「自分たちだけではなく、周囲の人も気持ちよく過ごせるように…」ということを心に留めましょう◎
【ルール④】リードはつけたまま過ごす
開放的な空間であるテラス席では、ついわんちゃんのリードを外したい気持ちにかられることもあるかもしれません。一方で、周囲の人に迷惑をかけないために、リードの着用は必須です。万が一換気の一環で出入り口が空いており、そこから脱走をしたら…など「もしも」のことを考えたうえで、リードは必ずつけておきましょう。
お店によってはリードフリーにしてくれている場所もあるかもしれませんが、そうでない場合にはリードはつけたままで過ごしましょう!
【ルール⑤】人の食べものをあげない
「わんちゃんも一緒に食べられる」などお店が推奨している場合を除いて、自分のごはんをわんちゃんに取り分けるのは避けるようにしましょう。
というのも、わんちゃんが食べることを想定していない食べ物の場合、どのような材料や調味料が使われているのかわかりません。見た目にはわからなくても、わんちゃんにとって良くないものが使われていることだってあるのです。また、1度人の食べ物をあげることを許してしまうと、「もっとちょうだい!」と無駄吠えをして周囲のお客さんに迷惑をかけるケースも考えられます。
わんちゃんの健康を守るため、そしてお店や他のお客さんに迷惑をかけないためにも、人のごはんをあげるのは極力やめましょう。
【ルール⑥】ステイマット(カフェマット)を活用する
お店によっては椅子にわんちゃんを座らせることを認めているところもありますが、中には「お尻が直接椅子に触れる」という点を気にするお客さんがいるのも事実です。さまざまな人が利用するレストランやカフェでは、椅子でも床でも、わんちゃんを座らせる時にはステイマット(カフェマット)を活用しましょう。
また、はじめてのお店で緊張気味のわんちゃんも、使い慣れているマットがあると安心して過ごすことができるかと思います◎周囲の人はもちろん、わんちゃんの安心材料としてもステイマットの持参はオススメです!
夏のテラス席で行いたい熱中症対策
わんちゃんを連れてレストランやカフェのテラス席を利用する際に確認したいことや基本的なルールについてお話しました。
心に留めておきたいことはたくさんありますが、中でもこれからの季節に注意しなくてはいけないのが熱中症ですよね…!最後に、夏のテラス席で忘れずに行いたい熱中症対策についてお話します。
【熱中症対策①】わんちゃんが過ごす場所はなるべく日陰を
人では「心地いい」と思うような日当たりでも、全身を毛に覆われているわんちゃんでは「暑い」と感じていることもあり得ます。また、短頭種のわんちゃんは身体の熱を外へ逃すことが苦手なので、熱中症のリスクが高いとも言われています。
夏にわんちゃんとテラス席を利用する際には、なるべく日陰になる席を選ぶようにしましょう。
日陰の席がない、または自分で選ぶことが難しい場合には、テーブルの下などの陰になっている場所にステイマットを敷き、そこをわんちゃんの居場所にしてあげるのがオススメです。
【熱中症対策②】飲み水はマストアイテム!
わんちゃんでも人と同じで、こまめな水分補給は熱中症対策にとても重要なことです。とはいえ、わんちゃん同伴可であっても、一般的な飲食店ではわんちゃんの食べ物や飲み物まで準備しているお店は少ないでしょう。
飼い主様はわんちゃんの給水ボトルを忘れずに持参し、適度にお水を飲ませてあげるようにしてくださいね。
【熱中症対策③】クールベストを着用
先ほど、「わんちゃんの毛が飛びづらいように服を着させると安心」とお話しました。 その一方で、夏の暑い日に一般的な服を着せると熱が外へ逃げづらくなるため、熱中症リスクは高まります。
そのため、夏にテラス席を利用する際には、クールベストなど身体を冷やす効果のある服を着用させると安心です◎クールベストの種類によっては水を含ませて使うものもあるので、「乾いてきた」と思ったらお手洗いで濡らしてくるなどして、正しく使うようにしましょう。
また、熱中症対策にはクールベストだけではなく、首元を冷やすグッズなどもオススメです!こちらも水で濡らして使うタイプや保冷剤を入れるタイプなど、さまざまあります。わんちゃんの様子も見つつ、使いやすいものを選ぶようにしてくださいね。
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【熱中症対策④】冷感スプレーはお散歩時も重宝!
クールベストをオススメしましたが、「服を着るのが苦手」というわんちゃんも決して珍しくはありません。せっかく一緒にテラス席で過ごせるのに、わんちゃんにストレスをかけてしまっては本末転倒!わんちゃんへのストレスは、できるだけ最小限にしたいですよね。
そこで、服を着るのが苦手な子には、適度にわんちゃん用の冷感スプレーを使って身体を冷やしてあげるのがオススメです!種類にもよりますが、虫除け効果を兼ねているタイプもあるので、1本あると緑の多いテラス席ではもちろん、お散歩時などにも重宝します◎
一方で、テラス席で使う際には、スプレーしたものが別のお客さんの方向にまで行かないよう、十分に気をつけましょう。わんちゃん用に作られているスプレーなので、多少口に入っても基本的には問題ない場合がほとんどではあります。しかし…「隣の席の人が使ったスプレーがごはんにかかった」というのは、やはり気持ちのいいものではありませんよね。テラス席で冷感スプレーを使う時には風向きなどにも気をつけながら、周囲の人の迷惑にならないように噴霧してください。
わんちゃんOKのレストランやカフェのテラス席で過ごす際に気をつけたいことなどについてお話しました。わんちゃんと飼い主様、周囲の人たちみんなが気持ちよく過ごすためには、どれも大切なルールです。
また、熱中症対策についてもお話しましたが、猛暑日などかなり高温な時には、無理をせずに涼しくした室内で過ごすのがわんちゃんにとって安全です。夏にわんちゃんとテラス席を利用する際には、時間帯を調整するなどの工夫も忘れずに行うようにしてくださいね!
わんちゃんの犬種や体質によっては、暑さが苦手な子も多いです。もし昼間にお出かけする用があり、且つテラス席での体調管理が不安な場合は、店内もわんちゃん同伴OKなお店を探すのも手ですね!
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●ライター:松永由美
2級愛玩動物飼養管理士・動物健康管理士・動物介護士・ペット終活アドバイザー・ペットセラピスト等の資格を保有
●編集:うしすけチーム