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わんちゃんに「名前」の概念はない?名前を呼ぶ際のポイントや注意点

◎ペットセラピスト等の資格保有者執筆◎

家族として人と一緒に暮らしているわんちゃんであれば、名前がついているのが一般的ですよね。名前は飼い主様からわんちゃんへの“最初のプレゼント”でもあり、きっと名付けの際にもさまざまな思い出があるかと思います。

一方で、「そもそもわんちゃんって自分に名前があることを把握しているの?」と疑問に思う方も多いはず。

そこで今回は、わんちゃんが名前をどのように聞き分けているのかを解説していきます!また、名前を呼んでも反応してもらえない時の改善点などもあわせてご紹介します。

わんちゃんは名前を把握している?

大切な家族であるわんちゃんに名前をつけるのは、私たち人にしてみればごく自然なことですよね。

ところが、実はわんちゃんには名前という概念が存在しません

名前を呼ぶと、きちんと飼い主様のもとへ来るわんちゃんも多いかと思いますが、「自分の名前は〇〇」と把握しているというよりも、名前を“ひとつの単語”として覚えていることがほとんどなのです。

例えば、「〇〇、ごはんだよ」など、わんちゃんの名前とセットにして何かしらの行動をする飼い主様も多いかと思います。すると、わんちゃんは「飼い主様が〇〇と言っているからごはんの時間だ!」など、名前を呼ばれることで何かいいことがあるのだと思い込み、反応するのです。

つまり、名前を良いことと結びつけて覚えてもらうことが今後のわんちゃんとの暮らしではとても重要だと言っても過言ではありません◎

「良いこと」として覚えてもらうための3つの工夫

わんちゃんの名前を良いことと結びつけて覚えてもらうのが大切だとお話しました。ここからは、名前を良いこととして覚えてもらうために、飼い主様ができる工夫をご紹介します。

【工夫①】短い名前にする

すでに名前をつけている場合には仕方ないのですが、これから名前をつける場合であれば短い名前がベストです!というのも、長い名前だとわんちゃんが上手く聞き取れないことがあり、良いこととして覚えるのも困難になる場合があります。

ペット&ファミリー損害保険株式会社が発表した2023年最新のわんちゃんの名前ランキングでは「ココ」「モカ」「むぎ」などの短い名前が人気な印象です。(参考:https://www.petfamilyins.co.jp/pns/article/pfs202302a/)こうした2〜3文字程度の名前は飼い主様が呼びやすいだけでなく、わんちゃんにとっても聞き取りやすい優しい名前だと言えるでしょう。

だからと言って長い名前がダメだと言うわけではありませんので安心してくださいね

「もう名前をつけてしまった」もしくは「どうしてもつけたい名前があるけれど文字数が多い」という場合には、短めの愛称」を考えるようにしましょう。普段からその愛称でわんちゃんを呼ぶようにすれば、わんちゃんも名前を良いこととして覚えやすくなりますよ◎

とはいえ、いくつも呼び名があるとわんちゃんも混乱してしまうので注意が必要です。愛称をつける際には、ご家族で決まった呼び方にしてあげましょう!

【工夫②】高い声で呼ぶ

わんちゃんのトレーニングの際に「叱るときには低い声で」と聞いたことがある方も多いでしょう。多くのわんちゃんは低い声を嫌がる傾向にあるので、叱る際には「これをしたら飼い主様が嫌な声を出す」と理解してもらうために、このように言われているのです。

この原理と同じで、低い声で名前を呼ぶと「〇〇は嫌なこと」と覚えてしまいます。そのため、名前を良いこととして覚えてもらうには、なるべく高い声で呼ぶのが理想です。

あまりに気張って高い声を出す必要はありませんが、わんちゃんの名前を呼ぶ時には普段より明るい声で呼ぶように意識しましょう!

【工夫③】叱るときには名前を呼ばない

わんちゃんが何か悪いことをしたときに叱るのは、飼い主様として当然の義務ですよね。ところが、叱るときに「〇〇、ダメ!」など、名前を呼んでしまっている場合には要注意です。

繰り返しになりますが、名前の概念が無いわんちゃんの場合、自分の名前をその時の状況や行動と結びつけて覚えます。つまり、叱るときに名前を呼ぶと名前=叱られる」と嫌なイメージがついてしまうのです。

叱る時には名前を呼ばずに、反対に褒めるときやコミュニケーションの時間などにはたくさん名前を呼びながら撫でてあげるようにしましょう!こうすることで、わんちゃんの中で名前に良いイメージが付きやすくなりますよ◎

名前に反応しないときの2つの改善点

わんちゃんに名前を良いこととして覚えてもらうための工夫についてお話しました。中にはすでに「名前を呼んでも反応しない」と悩む飼い主様もいるかもしれませんね。

最後に、わんちゃんの名前を呼んでも反応してもらえない時に、ご家族が改善できることについてお話します。

【改善点①】名前についたイメージを良くする

わんちゃんの名前を呼んでも反応しない場合、先ほどお話したように自分の名前に悪いイメージを持ってしまっていることが考えられます。

こうした場合には、先ほどもお話したように「明るい高めの声で名前を呼ぶ」「叱るときには名前を呼ばない」などの工夫を徹底して行いましょう。そして、名前を呼んでこちらに来た時に褒めたり、おやつをあげたりして、名前についたイメージを良くするように心がけてください。

【改善点②】わんちゃんの状況や心理を考える

名前に嫌なイメージがついてしまっている以外にも、次のようなことが原因で名前を呼んでもスルーされてしまうこともあります。

●遊びなどのやりたいことに夢中になっている
●体調が悪い
●老化で耳が遠い
●拗ねている など…

人の場合でも、自分が何かに集中している時に何度も呼ばれると「ちょっと待って!」と思うことがありますよね。それはわんちゃんも同じで、遊びに集中している時にはそちらを優先したいと感じたり名前が耳に入ってこなかったり…ということもあり得ます。

叱られた後やお留守番の後であれば、拗ねていて“聞こえないふりをしている場合もあるでしょう。

飼い主様からしたら「名前を呼んだのに来ない!」と不安に感じてしまうかもしれませんが、わんちゃんにもさまざまな状況や想いがあるのです。わんちゃんとの信頼関係を守るためにも、まずはわんちゃんの意思を尊重してあげるようにしましょう。

中には体調不良や、老化により聴覚が衰えているケースもあるかもしれません。気になる際には、なるべく早めにかかりつけの動物病院を受診してください。


わんちゃんの名前を呼ぶ際のポイントや注意したいことについてお話しました。

せっかく素敵な名前をつけたのですから、わんちゃんには良いこととして覚えてもらいたいですよね。ぜひ、今回お話した点を踏まえつつ、わんちゃんの名前を呼んであげるようにしてください◎

●ライター:松永由美
2級愛玩動物飼養管理士・動物健康管理士・動物介護士・ペット終活アドバイザー・ペットセラピスト等の資格を保有
●編集:うしすけチーム

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