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キャンピングカーで愛犬と旅行!お出かけを楽しむ方法・注意点まとめ

◎愛玩動物飼養管理士の資格保有者執筆◎

近年のキャンプブームによって「キャンピングカー」にも注目が集まっています。キャンピングカーを利用してわんちゃんと旅行に出かける人も多く見られますがどのようなメリットがあるのでしょうか

本記事では、キャンピングカーを利用する際のメリットとデメリット、旅行前に準備しておきたい持ち物もあわせて紹介します。最後には、旅行時に便利なアイテムも紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね!

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キャンピングカーはどんな車?

近年注目を集めているキャンピングカーは、車内にベッドやキッチン、トイレなどが付属した寝泊りができる車のことです。YouTubeやテレビで話題になることもあり、興味を持っている飼い主様もいるのではないでしょうか?

自動車のバンやワンボックスカーを改装した「バンコンバージョン」や、居住するトレーラーを車でけん引する「キャンピングトレーラー」などがあり、キャンピングカーといってもさまざまな種類があります。

キャンピングカーのメリット

車や運転が好きな人にとっては、魅力的なキャンピングカーですが、わんちゃんとの旅行にキャンピングカーを利用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?

【メリット①】移動がしやすい!

旅行時の移動手段として使用するバスや電車といった公共交通機関では、犬猫などのペットは「ケースに収容し、出さないこと」と定められています。乗車料金の有無やクレート(輸送用ケージ)の形状などは、各運行会社で異なりますが「ケースに収容する」という点は、公共交通機関では共通のルールです。ケースに収容せずに乗車できるペットは盲導犬のみとなっているため、中型~大型犬の公共交通機関の乗車は難しいでしょう。

また、通勤ラッシュ時や休日などは多くの人が利用し、車内は混雑します。そういった場合、クレートが周囲の人の迷惑になったり、わんちゃんにとっても知らない人の話し声が聞こえたりすることは大きなストレスを与えます。不安やストレスで吠えだしてしまう恐れもあり、飼い主様も乗車中は周囲に気を遣わなければなりません。わんちゃんにとっても飼い主様にとっても、移動するだけでかなりの負担がかかってしまうでしょう。

一方で、キャンピングカーの場合、中型~大型犬が乗車しても車内は家族しか乗車していません。周囲に気を遣うことがないため、飼い主様もわんちゃんも気負わずに移動ができるでしょう。

【メリット②】旅行費用を抑えられる!

キャンピングカーを活用することで、旅行費用を抑えられるメリットもあります。交通費は必要ですが、キャンピングカーで眠ることができるので宿泊費用はかからず、わんちゃんと泊まれるホテルを検索する必要もありません。

わんちゃんと宿泊が可能なホテルは年々増えているものの、まだまだ全国的な普及はされていません。キャンピングカーがあれば、ホテルを重視する必要がなく、飼い主様が希望する場所に旅行ができますよ

【メリット③】休憩時間は「いつでも」!

公共交通機関を移動手段とする場合、車内でのおしっこ・うんちは禁止されています。しかし、キャンピングカーであればペットシーツを用意しておくことで、車内でもトイレが可能です。

高速道路であればサービスエリア、一般道であれば比較的自由に車を停めて、外にも出られます。トイレや休憩を自由に取れ、わんちゃんが疲れていると感じれば、車外の空気を吸わせてあげたり、車内を喚起したりすることもできるでしょう。

公共交通機関の移動よりも、わんちゃんの気持ちや行動を優先させてあげられる点も、キャンピングカーのメリットです。

【メリット④】思い立ったらすぐに出発できる!

祝日や大型連休に旅行を計画するのであれば、何か月も前から宿を予約しなければなりません。

しかし、キャンピングカーで寝泊りするのであれば、事前に予約する必要もなく「行こう!と思い立てばすぐに出発できます。出発時間や食事内容はすべて飼い主様・わんちゃんで決められます。チェックインの時間を気にすることもないため、時間に縛られることなく、渋滞の時間を避けたプラン計画も可能です。時間に余裕があるので、移動も楽しみながら、わんちゃんとのんびり旅を楽しむことができますよ!

【メリット⑤】災害時にも安心!

いつ、どの地域でも起こりうる自然災害。水や食料などを防災として保管している家庭も多いでしょう。

災害時のペット避難は度々取り上げられますが、飼い主様の安全確保はもちろん、家族の一員であるわんちゃんの安全確保も疎かにはできません。自治体によって、わんちゃんとの避難方法は異なり、避難所内でペット専用部屋を確保している地域もあれば、避難所はペットNGと定めている地域もあります。

多くの人がやってくる避難所には、アレルギーを持つ人や、わんちゃんが苦手な人もいるでしょう。そういった人へ配慮するためにも、ペットを家族として迎えているご家庭では、災害時、車でペットと共に過ごすことも選択肢のひとつです。

その際にもキャンピングカーがあれば、自動車よりも広々と、わんちゃんと共に避難生活を送れます。防災グッズとして、キャンピングカー内にドッグフードトイレシートなどを一緒に準備しておくと、災害時に役立つでしょう。

キャンピングカーのデメリットと解決方法

宿泊費用を抑えられ、時間にゆとりを持てるキャンピングカーですが、わんちゃんにとってデメリットな面もあります。旅行時は以下のデメリットを理解して、できるだけ取り除いてあげるようにしましょう。

【デメリット①】車酔いするわんちゃんには不向き

自由に車で移動でき、魅力のあるキャンピングカーですが、車移動がメインになる分、車酔いするわんちゃんには不向きです。「慣れ」で車酔いは改善されるとも言われていますが、1度車酔いを経験したわんちゃんは、トラウマから車を嫌うようになり、乗ることを拒否するようになる子もいます…。

車酔いの原因は、食事後すぐに乗車することや、車内のにおいです。車内に芳香剤などは置かないようにし、こまめな喚起で車内の空気を入れ替え、車酔いを防止してあげましょう。

【デメリット②】車内は乾燥しやすい

真夏や真冬の冷暖房は必須ですが、エアコンのつけっぱなしは乾燥の原因です。自宅やオフィスでもエアコンをかける時間が長いと乾燥が気になると思いますが、キャンピングカーの限られた空間内では尚更気になります。

人にとっても肌や喉が乾燥し、不快に感じますが、わんちゃんにとっても乾燥は大敵です。人よりも皮膚が薄く敏感肌のため、わんちゃんの場合は被毛で皮膚を乾燥から守っています。できるだけ車内は乾燥させないよう、加湿器をおいたり、車内にタオルを干したりすることで、乾燥対策を行いましょう。

【デメリット③】移動がストレスになる

公共交通機関よりもストレスは軽減されるものの、わんちゃんにとって長時間の移動は少なからずストレスを与えてしまいます。できるだけ快適に、安心できる環境にするためには、わんちゃんのにおいが染みついた毛布や、いつも使用しているクレートを用意しておくと良いでしょう。

その際のクレートは、広すぎるものよりも、身体を回転させられる程の広さで十分です。広すぎるとクレート内で身体が揺さぶられてしまうため、体勢を定めることができません。

クレートの向きは、進行方向に向けてあげることもポイントです!車酔い防止に役立ちます◎

キャンピングカーで旅行する際のポイント

キャンピングカーでの旅行は、普段の車移動にも共通する点があります。わんちゃんを守るためにも、以下のポイントに注意しましょう。

【ポイント①】熱中症には要注意!

人のように汗をかけないわんちゃんは、ハアハアと呼吸するパンティングで体温調整を行います。短頭種や持病のあるわんちゃん、肥満気味のわんちゃんなどは特に熱中症のリスクが高まります。

どのようなわんちゃんでも、車内に置き去りにすることは厳禁です。まだ過ごしやすいと感じるゴールデンウィーク辺りから、わんちゃんの熱中症は増えはじめます。人よりも暑さに敏感であることを忘れずに、車外へ出る際はわんちゃんも必ず連れて行くようにしましょう!

【ポイント②】走行中はチャイルドロックを忘れずに

家族とのお出かけが嬉しいわんちゃんは、車内ではしゃいでしまう可能性もあるでしょう。わんちゃんがはしゃいだ際にドアロックを誤って解除しないよう、走行中はチャイルドロックも合わせて行っておきましょう。

チャイルドロックをしておけば、わんちゃんと外に出るための準備ができているか、確認する時間が作れます。急にドアが開くことで、わんちゃんが車外に飛び出してしまう恐れがあるため、ドアを開ける前に「リードをつけているか」「クレートに入っているか」を確認してから開けるようにしましょう。そうすることで、飛び出し事故や脱走の発生を防げます。

【ポイント③】トレーニングは必須

キャンピングカーでの旅行時は、以下のことはできるようになっておくと安心です。

●トイレトレーニング
●ハウストレーニング
●まて など…

キャンピングカー内には、ベッドが設置されていることが多いです。しかし、トイレトレーニングができていない場合、ベッドにおしっこをしてしまう可能性があります…。公共交通機関よりはトイレの自由がありますが、高速道路走行中はサービスエリアに着くまでは車を停められません。「お散歩中にしかトイレができない」といったわんちゃんも、ペットシーツでトイレができるようになっておくと、飼い主様も慌てずに済むでしょう。

トイレトレーニングと一緒に覚えておいてほしいハウストレーニングは、飼い主様の指示でわんちゃんがクレートに入るようにするトレーニングです。「まて」と合わせてできるようになっておくと、乗降時や落ち着いて欲しい際に役立ち、わんちゃんの飛び出し防止に役立ちます。

トイレトレーニング、ハウストレーニング以外には、無駄吠えをやめさせるトレーニングも必要です!日中の移動中は吠えても車外に影響はありませんが、周囲が寝静まっている早朝・夜間は近隣のキャンピングカーや民家に迷惑をかけてしまうこともあります。トラブルを防ぐためにも無駄吠えはやめさせておきましょう。

【ポイント④】まずは日帰りからスタート

ついつい長期で旅行を計画してしまいますが、わんちゃんを慣らすためにも、まずは日帰り旅行からはじめます。

わんちゃんがキャンピングカーに慣れれば、徐々に期間を伸ばしていきましょう。

キャンピングカーでの旅行を快適にするグッズ4選!

キャンピングカーで旅行する際、わんちゃんのために以下のグッズがあると良いでしょう。季節も考慮した上で、持ち物を準備してくださいね。

【グッズ①】酔い止め

普段は車酔いしないというわんちゃんでも、長距離を走行するキャンピングカーでの旅行時に車酔いを発症することは十分考えられます。念のため、かかりつけの獣医師に相談のうえ、酔い止めを処方して貰っておくと安心です。

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【グッズ②】保湿クリーム

エアコンやヒーターなどを使用する時期は乾燥するため、わんちゃん用の保湿クリームを用意しておきましょう。鼻や肉球に適量塗って、保湿してあげてくださいね◎

被毛をブラッシングすることでも乾燥予防はできるため、ブラシも準備しておくと良いでしょう。

【グッズ③】いつものお家セット

わんちゃんは環境の変化に敏感です。ストレスからごはんを食べなくなってしまうケースもあるため、旅行中でもできるだけ、いつもと同じ環境を用意してあげましょう。

いつも使用している食器や、寝ている時に使用している毛布大好きなおもちゃなどは持っていくようにしましょう。いつも食べているごはんも持っていくと、外食先または旅行中の手づくりごはんを食べてくれない場合にも対応できます。

【グッズ④】体温調整を助けるグッズ

夜間のエンジンかけっぱなしは、近隣住民に迷惑をかけてしまいます。乾燥や一酸化炭素中毒になる恐れもあるため、夏なら冷感素材のマット冷却シート、冬ならペットヒーターなどを用意し、わんちゃんが体温調整しやすいアイテムを持参しておきましょう。


キャンピングカーを利用することで、飼い主様とわんちゃんの移動時の負担を軽減できます。時間に縛られることなく、わんちゃんを気遣いながら楽しめるメリットがありますが、長距離移動のストレスや車酔いの心配もあります。

キャンピングカーの旅行を計画しているのであれば、わんちゃんを車に慣らすことから始め、徐々に移動距離を伸ばしていきましょうね!

●ライター:バーニー
愛玩動物飼養管理士の資格を保有
●編集:うしすけチーム

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