自分のおならに驚くわんちゃん…一体なぜ?
わんちゃんって、おならするの?と疑問を抱いている方もいらっしゃると思いますが…ズバリ、わんちゃんもおならをします! 中には、自分で出したおならの音にびっくりしちゃうわんちゃんもいます。…もう、可愛すぎますよね!
ただし、中には可愛いだけでは済まない危険なおならもあります。ということで今回は、わんちゃんのおならについて解説していきたいと思います。
おならの仕組み
わんちゃんのおならの仕組みは、基本的には人間と同じです。お腹にガスが溜まってしまい、それがおならとしておしりから排出されるのです。ガスが溜まる方法は、大きく分けて、呼吸時に飲み込んだ空気によるものと、体内でガスが生成される2つに分けられます。
基本わんちゃんは、鼻呼吸をすることが多いのですが、興奮時や体温調節時はパンティングという呼吸法をします。舌を出してハアハアと呼吸する、あれです。パンティングは、普通の呼吸法より空気を多く取り込むため、それが肺ではなく腸にまで送られてしまうと、おならとして排出されます。その他にも、食事と一緒に空気を飲み込んでしまうことで起こることもあります。
また、腸内で消化が行われるときもガスが発生します。それがおならとして、排出されるのです。
おならの大きさによって何か違いはある?
飼い主様が「おや?もしやおならした…?」とわかるタイミングは、大きな音が聞こえたときか、強烈な臭いを感じたときかと思います。強烈な臭いは、音がしないことがほとんどですよね…。
では、おならの音の大きさによって何か違いはあるのでしょうか?詳しく見てみましょう。
●大きな音のおなら
わんちゃんはハアハアと口呼吸をしますよね。その時、体内にたくさん空気を取り込んでしまいます。体内に取り込まれた空気がガスとなってお腹に溜まります。そして、おならになって外に出ます。
取り込みすぎた空気の排出がほとんどですので、あまり臭くありません。音はとても派手で、「ブーッ!」と勢いのいい音が出ます。
●音の出ないおなら
音の出ないおならをするわんちゃんもいます。いわゆる“すかしっ屁”というもので、臭いが強烈です。
フードを新しいものに変えた時や、普段食べ慣れない食材、タンパク質を多く含む食材など、腸内環境に影響するものを与えたときは音の出ないおならをすることが多いようです。もしあなたのわんちゃんが、音の出ない臭いのキツいおならをしている時は、お腹の調子があまり良くない証拠です。消化に良い食べ物を与えるようにしましょう。
ドライフードをお湯にふやかす、またはおかゆをあげるのも良いですね。野菜や鶏肉などをみじん切りにしてクタクタになるまでよく煮込んだおじやなどをあげるのも良いでしょう。サツマイモも腸内の調子を整えてくれるのでオススメです。
ジャーキーやガム類は消化が良くありません。音の出ないおならが増えている時には控えるようにしましょう。
どうして自分のおならにびっくりするの?
●音に敏感だから!
わんちゃんが自分のおならにびっくりする理由…それは、わんちゃんが音に敏感な生き物だからです!わんちゃんの聴覚は、1km離れていたとしても音を拾えると言われており、とても敏感に反応するのです。特に大きいおならの時、わんちゃんは自分が出したおならの音にびっくり!
中には平然と大きな音のおならを出して眠っているわんちゃんもいますので、個体差があると言えます。
●自分の身体から出た音だと認識していない
先ほどもお話したように、わんちゃんは無意識に且つこまめにおならをしています。自分がおならをしているという自覚がほとんどないのです。そのため、時に大きなおならが出ると、「この音は何?!」とびっくりするのです。
わんちゃんの危険なおならを知っておこう
●腸閉塞
中には、病気が原因となって出てしまっている場合のおならもあります。
私の知り合いのわんちゃんは、大きなゴム手袋を丸のみにしてしまったことがあります。異物を丸のみにしてしまった場合、それが腸に詰まってしまうことがあります。これが腸閉塞です。
腸閉塞になってしまうとうまく排便を出すことができず、出せたとしても少量の便しか出せなくなってしまいます。うまく排出することができない便からは、ガスが大量発生。そのため、腸閉塞になるとおならが高頻度で出るようになります。
おなら以外にも、わんちゃんが吐いてしまったり、お腹が痛いようなそぶりを見せている場合はかなり危険です。一刻も早く、病院に連れて行きましょう。
●慢性小腸性下痢
お腹がゴロゴロとけたたましく鳴っていたり、強い下痢を繰り返したり、臭いの強いおならを何度もしている…ということがあります。もしかしたらそれ、慢性小腸性下痢の可能性があります。腐ったものを誤って食べてしまったときやウイルス感染、あるいは食物アレルギーなどが原因で起こる病気です。
もし臭いの強いおならを繰り返しているようであれば、病院に連れていきましょう。
腸閉塞ほど緊急性が高いわけではありませんが、放っておくのはよくありません。できるだけ早く連れていってあげるようにして下さいね。
いかがでしたでしょうか?わんちゃんのおならの仕組みから、どうして自分のおならにびっくりしてしまうのか、理由を知っていただけたかと思います。
また、注意してほしいおならについてもご紹介いたしました。臭いのキツいおならをしている時は、注意深く見てあげる必要があります。普段からわんちゃんを観察して、毎日を元気に過ごせるよう気を配ってあげて下さいね◎
●ライター:丘柴真璃
●編集:うしすけチーム