わんちゃんの更なる健康促進のために。知っておきたいメリット・デメリット
◎動物看護師監修◎
最近とても身近になってきているわんちゃん用のサプリメント。ホームセンターやスーパーでもよく見かけるようになりましたよね。その一方で、「わんちゃんにサプリメントを与えても大丈夫なの?」「与え方は?」と疑問を抱いている飼い主様も多いと思います。
もちろん、サプリメントを与えることには様々なメリットがあります!ですが、与え方を間違えると健康被害が出ることも…。
ということで今回は、わんちゃんにサプリメントを与えることのメリット・デメリットについてご紹介いたします。
そもそも、サプリメントとはどんなもの?
サプリメントという言葉は広く知られていますが、実は法律的な定義はなく、広い意味で健康食品の一つと考えられています。医薬品とは異なるため、病気が治る・予防するといった表記は禁止されています。
一般的には錠剤やカプセルに特定成分がぎゅっと濃縮されており、健康の維持や増進のために利用されています。
●わんちゃん用サプリメントの種類
サプリメントには関節用や目、皮膚、お腹の健康維持用、免疫力向上を目的としたものなど、さまざまな種類があります。
関節用のサプリメントは 軟骨の主成分になるグルコサミンやコンドロイチン、目のサプリメントでは抗酸化作用のあるアスタキサンチンやブルーベリーエキス末などが配合されています。
●わんちゃん用サプリメントの選び方
バランスのとれた食事を与えた上で、不足している栄養素をサプリメントで補いましょう。サプリメントを選ぶときは、目的を確認し、本当に必要なものを選ぶことが大切です。むやみに与えると過剰摂取になり、かえって身体に負担をかけてしまう可能性があるからです。
持病があるわんちゃんは、サプリメントで病気を悪化させてしまうことも…。使用前に、かかりつけの獣医師さんに相談してから与えるようにしましょう。
●サプリメントの形状と与え方
わんちゃん用サプリメントには錠剤やカプセル、粉剤、液状などさまざまなタイプがあります。
わんちゃんが食べやすいようおいしい味に作られていることが多く、中にはドッグフードよりもサプリメントの時間を楽しみにする子もいたりします。
そのままでは食べない、またはサプリメントメントに味がついていない場合は、ドッグフードに混ぜて与えましょう。カプセルは、中身を出してフードに振りかけるとより抵抗なく食べてくれます。ただし、サプリメントの味が苦手だった場合、フード自体を食べなくなってしまうこともあるので注意しましょう。
錠剤やカプセルを口にしてくれない場合、口を開け、直接口の奥へ錠剤を入れて飲み込ませましょう。中には、スポイトやシリンジ(注射器)に入れ、犬歯の後ろに差し込み、ゆっくり流し入れる液状タイプのものもあります。
●サプリメントの効果は?
サプリメントの効果には個体差があり、数日で効果を実感できることもあれば、なかなか変化が見られない場合もあります。ですが、試してみる価値は大いにあります◎
筆者が勤める動物病院では、患者様から「高齢で足腰が弱った子が朝の散歩で歩き出すまでに時間がかかっていたのに、関節用サプリメントを与えてからはスムーズに立ち上がり、軽快に歩くようになった」という話をよく聞きますよ!
わんちゃんにサプリメントを与えるメリット
わんちゃんにサプリメントを与えることには、次のようなメリットがあります。
●不足した栄養素を補給できる
食事でまかないきれない、わんちゃんに不足しがちな栄養を補ったり、関節のサポートやお腹の不調など身体のお悩み別に対応した栄養素を手軽に摂取できるのがサプリメントの最大のメリットでしょう。
余分なカロリーをとることなく、効率的かつ必要な栄養素を補給できるのも魅力です。
●副作用が少ない
わんちゃん用サプリメントは自然の食品や植物から作られているものが多く、医薬品と比べても副作用が格段に少ないと言われています。ただし、用法・用量を守らずに与えると副作用を起こすこともあるので注意しましょう。
●手軽に入手できる
食品に分類されるサプリメントは、医薬品とは異なるため、誰でも手軽に入手できます。ドラッグストアやスーパー、ホームセンター、ペットショップ、更にはインターネットでも購入可能です。
わんちゃんにサプリメントを与えるデメリット
わんちゃんにサプリメントを与えることによるデメリットは、次のようなものが挙げられます。
●過剰摂取による副作用
身体に十分足りている栄養を更にサプリメントで摂ってしまうと、過剰摂取となり健康に害を与える可能性があります。
例えば、カルシウムのサプリメントをわんちゃんに与えると尿路結石症の原因になったり、成長期のパピーに与えると骨格の重度発育障害を引き起こします。
与える場合は、サプリメントのパッケージに表記されている用法・用量を必ず確認しましょう。併用する場合は、獣医師さんに相談しておくと安心です。
●アレルギーに注意
アレルギー体質の子は、サプリメントが身体に合わないことがあるので、必ず成分表示を確認しましょう。
はじめてのサプリメントを与えた後は、しっかりわんちゃんの様子を観察しましょう。皮膚の赤みや下痢、嘔吐などの症状が現れた場合は、与えるのを直ちにやめましょう。
サプリメントにはたくさんの魅力がありますが、身体に合わないものを選んでしまったり、過剰摂取をしてしまうと、わんちゃんの負担になってしまうこともあります。サプリメントを購入するときは目的に合ったものを選び、成分をよく確認するようにしましょう。
上手に活用して、わんちゃんの健康を維持してあげましょう◎
●ライター:江原友紀
動物看護師の資格を保有
●編集:うしすけチーム