人の約2倍?わんちゃんの睡眠が長い秘密と、最適な環境について
普段一緒に過ごしていると、わんちゃんの睡眠時間の長さにびっくりしませんか?さっきまで元気に遊んでいたと思っていたら、いつの間にか寝床で丸くなっていることもよくあります。ごはんを食べてお腹いっぱいになった後なども、よく眠っていますよね。ちなみに私が飼っていた愛犬は、いちばん気持ちよく日光が入ってくる、キッチン側の出窓の前でよく寝ていました。
実は、わんちゃんにとって睡眠時間とは、人と同様に重要で、かつ十分に摂らなければいけないものなのです。
では、わんちゃんは1日どのくらい睡眠をとるのか?睡眠によって得られることは?など、飼い主様が日々疑問に思っていることについてご説明させていただきます
【わんちゃんの睡眠時間について】
わんちゃんの平均睡眠時間は、約12~15時間と言われています。ちなみに、2018年OECDの調査によると、日本人の平均睡眠時間は約7時間ほどですから、約2倍の睡眠時間が必要なのです。
わんちゃんの睡眠時間が長い秘密は、睡眠メカニズムにあります。
【わんちゃんの睡眠メカニズム】
睡眠は、大きく分けてふたつに分類されており、①レム睡眠(浅い睡眠・体の睡眠)と、②ノンレム睡眠(深い眠り・脳の睡眠)となっています。
まず①レム睡眠は、思考や記憶の整理をするために必要な睡眠です。また、レム睡眠は夢を見るという特徴があります。②ノンレム睡眠は、成長ホルモンを分泌するためにとても必要となってきます。また、免疫力を高める効果があります。
人の睡眠メカニズムは、レム睡眠とノンレム睡眠を交互に繰り返されていることはご存じでしょうか?実は、わんちゃんの睡眠メカニズムも人と同様なんです。しかし、睡眠バランスはまったく異なります。人はレム睡眠25%、ノンレム睡眠75%に対し、レム睡眠80%、ノンレム睡眠20%となっているのです。
【なぜわんちゃんは浅い眠りを長時間摂るのか】
●眠りが浅いのは、野生の名残りがあるから
わんちゃんの眠りのほんとんが浅い眠りである理由は、野生の頃の生活がまだ根付いているから、という説が有力です。
もともとわんちゃんは、野生の生き物でした。野生とは、弱肉強食の世界であるゆえに、隙を与えてしまったら終わりです。ゆえに、もし外敵が突然襲ってきたときにすぐ逃げられるよう、浅い眠りをする習慣があり、それが今の睡眠リズムにも影響しているのかもしれません。
●睡眠を長時間とる理由は、睡眠が浅いから
上でもお伝えしたように、わんちゃんの睡眠の80%が浅い眠りです。それを短時間で済ませてしまうと…うまく体力が回復しません。だからこそ、睡眠を長時間とる必要がわんちゃんにはあるのです。
【わんちゃんは、成長によって睡眠時間が変わる】
●1歳未満(パピー)のわんちゃんは、睡眠時間が長い
パピーのわんちゃんは、知らないことばかりでとても好奇心旺盛です。たくさん動きまわるため、いっぱい体力を使います。ゆえに、睡眠時間をしっかりとらせてあげる必要があります。
●7歳以降(シニア)のわんちゃんは、睡眠時間が長い
シニアのわんちゃんも、成犬より多くの睡眠時間が必要です。なぜなら、体力回復に時間がかかるからです。人間もそうですが、年齢を重ねるにつれて、しっかりと休養をとらないと体力が回復しきれませんよね。それと同じ原理です。
【環境づくりについて】
わんちゃんがより健康的に生きるためには、多くの睡眠時間が必要であることがわかりました。では、よりよい睡眠時間をあたえるために、私たち飼い主は何ができるのでしょうか。
それは、「環境づくり」です。
ではどのような環境がわんちゃんにとってはいいのか、ご説明させていただきます。
●温度管理
温度管理は、わんちゃんの命を守るためにとても重要です。例えば、夏場は室内でも熱中症になる可能性があります。反対に冬場はとても冷え込むため、体調を崩しやすくしてしまいます。
快適な睡眠のためにも、夏場はエアコンや冷感カーペットなどを準備してあげましょう。エアコンの温度設定は、25~28度あたりが目安です。もし舌を出して暑がっていたり、反対に寒がっているときは、愛犬に合わせて調節しましょう。
冬場は、厚手の毛布や洋服を着こませたりして、あたたかい眠りが実現できるようにしましょう。わんちゃん専用の湯たんぽなどを使用するのもオススメです。
●家族が見える場所
安心して眠りにつけるよう、常に家族が見えるところに寝床をつくってあげましょう。
●隅っこ
わんちゃんによっては、静かなところで眠りたいとき、隅っこに行く子がいます。もし隅っこがお気に入りの場合は、そのあたりに寝床をつくってあげましょう。
●神経質なわんちゃんは、ゲージやサークルを活用し、目隠しを
ゲージやサークルを使用することで、わんちゃんは「ここは自分の居場所なんだ!」と認識するので、安心して睡眠をとることができます。
もし人気などに敏感な子の場合は、毛布や布を利用して目隠しをしてあげましょう。