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健康なうんちってどんなもの?基本だけど意外と知らない正常便について

◎獣医師執筆◎

わんちゃんが食事や睡眠と同じように、毎日欠かさずするうんち。飼い主様がわんちゃんの健康チェックに必要不可欠な、大切な指標です!人ではバナナのようなうんちが理想とされていますが、わんちゃんの場合はどうでしょうか?

わんちゃんのうんちで見るべきところは「回数・硬さ・色・臭い・形」です。ひとつずつチェックをしてわんちゃんのうんちが正常かどうかを見てみましょう!

正常便の回数は何回?

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おうちのわんちゃんは1日何回うんちをしますか?大人のわんちゃんの場合、1~2回のことが多いですが、パピーのわんちゃんは3回以上うんちをすることも珍しくありません。

実はわんちゃんのうんちの回数は年齢、食べているもの、性格により変わってきます。そのため、あなたのわんちゃんが普段している回数が、正常時の基準回数となります。つまり、普段1~2回しかしない子が5回以上するのは、元気があってもどこかおかしいというサインです。変化があった時にすぐに気付けるよう、日頃からうんちの回数を確認しておくと良いでしょう

うんちの硬さは?

わんちゃんの理想のうんちの硬さは、すこし湿っていて掴んだ時に地面にくっつかないものです。もしうんちが硬くひび割れている場合は、水分不足や、ご飯がわんちゃんに合っていない可能性があります。

反対に、柔らかくて掴んだときに地面についてしまったり形が崩れてしまう場合は、下痢が疑われます。下痢にはさまざまな原因がありますので、症状と同時に元気の無い状態が続くようなら速やかに病院を受診しましょう。

うんちの色は?

正常なうんちの色はうす茶色〜こげ茶色です。歯磨きガムやジャーキーなど食べたものの影響を受けて一時的に色がついてしまうこともあります。しかし、その他にもわんちゃんの体調でうんちの色はさまざまな変化を見せることも。

以下の場合、病気が疑われるうんちの色を紹介いたします。

●全体が黒色、または一部に黒や赤色の血がついている

うんちの色が全体的に黒い、または一部に黒や赤色の血がついている場合、どこかから出血をしている可能性があります…!次のうんちで茶色いうんちに戻るのであれば様子を見て問題ありませんが、黒や赤いうんちが続いたり、うんちの色が変わる以外の症状が出た場合には、早めに病院を受診しましょう。

●白色や、黄色〜緑色をしている

黄色緑色のうんちは、消化酵素のバランスが崩れている可能性があります。緑っぽいうんちは日常的に見られることも多いので、様子を見てすぐに茶色いうんちに戻るようであれば問題ありません。白い斑点がうんちの中に見られる場合は、寄生虫感染を起こしている可能性があります。

うんちの匂いは?

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わんちゃんのうんちは、片付ける際とても臭いますよね。わんちゃんのうんちは基本的に無臭のことはなく、臭いがするのが正常です。しかし、いつもより明らかに臭いが強い場合は、消化がうまくいっていない可能性があります。わんちゃんが消化を苦手とする生野菜などをたくさん食べていなかったか確認しましょう。

脂肪分を多く含むお肉を食べた後は、いつもより酸っぱい臭いがすることも…。鉄のような臭いがする、且つうんちが黒い場合は、消化管から出血していることが疑われます。

うんちの形は?

正常なうんちの形は、人と同じくバナナのようなうんちです。もし、丸くコロコロとしたうんちが出る場合には、便秘気味になっているのかもしれません。

平べったい形のうんちをしは、前立腺(男の子のみ)の病気、会陰ヘルニア、腫瘍などの可能性を疑いましょう。このとき、排便をするポーズをしているのにうんちが出てこないこともあります。

おかしいなと思ったら病院を受診しよう

いつものうんちを見ているからこそわかる、愛犬のうんちの変化。なんだかおかしいな…と思ったら、病院の受診をしましょう。その際、うんちを袋に入れて持参すると、診断の手助けになります◎持参するうんちの量は、人の小指の第1関節分くらいあれば十分です。新鮮なうんちは情報量が多いので、できれば受診する当日にとれたものを持っていくと良いでしょう

わんちゃんのいつものうんちを知っておこう!

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今回は、わんちゃんの正常なうんちについてお話いたしました。正常なうんちと言ってもその子によって若干色や臭い、大きさは変わります。わんちゃんのうんちの状態をいちばんよく知ることができるのは、獣医師ではなく、毎日お世話をしている飼い主様です

日頃からうんちで健康チェックを怠らずに行うことで、体調の変化にいち早く気付けるようによく観察しておくと良いでしょう◎

●ライター:いぬかい ゆうみ
獣医師の資格を保有
●編集:うしすけチーム

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