ものすごくみじかい話 お化け屋敷で働いているお化け

 お化け屋敷で働いているお化けと仲良くなって今度一緒にごはんを食べに行こうということに。待ち合わせ時間は丑三つ時。なんでこんな時間なんだろと思っていると「おまたせ~」とやってきたお化けは半分透けていた。「本物だったんだ?」「本物じゃないと思ってたの?」「演者の方だとばかり」「演者がお客と話してたら給料減らされちゃうでしょ」。そりゃそうだ。
 それで朝まで飲んだ。「こんなに楽しいのは久しぶり」と言いながら、お化けは朝の光とともに消えていく。「また会える?」と聞くと、「あのお化け屋敷、期間限定だからね」とお化け。「でも全国のどこかのお化け屋敷には居るよ」
 それからずっとお化け屋敷を巡っている。