菌根菌と根粒菌の違い|


菌根菌とは

菌根菌は、植物の根と共生することでその成長を助ける微生物です。主に外生菌根菌と内生菌根菌に分類されます。外生菌根菌は、樹木の根の外部に菌糸を広げ、キノコを形成することがあります。一方、内生菌根菌(アーバスキュラー菌根菌、AM菌)は植物の根内部に侵入し、細胞内にアーバスキュールという構造を作り、土壌から効率よくリン酸や水分を吸収するのを助けます。この菌根菌は特に野菜や果樹に有効で、農業において重要な役割を果たしています。

根粒菌とは

根粒菌はマメ科植物の根に共生する細菌で、窒素を固定する役割を持っています。これらの細菌は植物の根に感染し、根に「根粒」と呼ばれる小さなコブ状の構造を形成します。根粒内で窒素を固定し、植物に供給することで、植物は土壌中の窒素を利用しやすくなります。この特性により、根粒菌は特に窒素の少ない土壌での作物栽培において非常に重要です。根粒菌の存在により、肥料の使用量を減らすことができ、環境保護にも貢献します。

菌根菌と根粒菌の根に共生したときの見た目の違い

菌根菌が根に共生すると、根の表面や内部に細かい糸状の菌糸が広がります。外生菌根菌の場合、根の表面に白や黄の菌糸層が形成されることがあり、これは肉眼でも確認することができます。内生菌根菌の場合、菌糸は根の内部に広がるため、外見からは判別しにくいですが、顕微鏡下で観察することができます。

一方、根粒菌が根に共生した場合、根に「根粒」と呼ばれる小さなコブが形成されます。このコブは一般的に丸く、触ると固い感触があります。根粒は肉眼でもはっきりと見えるため、識別が容易です。根粒は特に根の分岐部や先端近くに形成されることが多く、これが根粒菌の存在を示す確かなサインとなります。

菌根菌と根粒菌の役割の違い

菌根菌は主にリン酸や水分の供給を助けるのに対し、根粒菌は窒素を供給します。菌根菌は植物が土壌から必要な栄養素を効率よく吸収するのをサポートし、特にリン酸の吸収を促進します。これにより、植物の成長が促進され、収穫量が増加することが期待されます。

根粒菌は、植物に必要な窒素を供給することで、土壌の肥沃度を高めます。窒素は植物の成長に欠かせない要素であり、根粒菌の活動によって窒素肥料の使用量を減らすことができます。これにより、環境への負担が軽減され、持続可能な農業が可能になります。

まとめ

菌根菌と根粒菌はどちらも植物にとって有益な微生物ですが、その役割や共生の形態、見た目には大きな違いがあります。菌根菌は主にリン酸や水分の供給を助けるのに対し、根粒菌は窒素を供給します。このため、これらの微生物は異なる環境条件や作物に応じて適切に利用されることが重要です。

詳細な情報はこちら: 菌根菌と根粒菌の違い


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