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「堆肥の種類と賢い選び方」


堆肥の基本と種類

農業において、土の質を向上させ、作物の生育を助けるためには、適切な堆肥の選択が重要です。堆肥には大きく分けて、動物性と植物性の二つがあります。動物性堆肥は牛糞、豚糞、鶏糞などがあり、植物性の堆肥には緑肥が含まれます。

完熟たい肥の選択

完熟たい肥の選択が作物を作るうえで土作りの基本になります。たとえば、牛糞のCN比は12~15で、窒素N:リン酸P:カリK=1%:1%:1~2%、豚糞は9~12で、窒素N:リン酸P:カリK=1~2%:2%:1%、鶏糞は7~8で、窒素N:リン酸P:カリK=3%:3~4%:2~3%となります。これらの糞尿は、それぞれ異なる窒素、リン酸、カリの比率を持っており、選択する際はこのバランスを考慮する必要があります。

堆肥の品質確認

たい肥は鶏糞が石灰分が高いとすることが時々、言われますが、このような場合、卵の殻が混入していないか、または、できるだけ卵の殻を取り除いている鶏糞であるかどうかを確認することが大切です。また、豚糞、牛糞は、そのたい肥製造の過程で、石灰を入れることがあるので、豚糞、牛糞も内容を注意深く確認し、pHがあまり高すぎない完熟たい肥を選ぶことが大切です。

完熟たい肥の重要性

完熟たい肥を使う理由は多岐にわたりますが、主には植物の細胞壁の主成分であるペクチン、セルロース、リグニンを分解する菌が未熟な堆肥には存在し、これが根が病害虫に感染するリスクを高めたり、土壌からの栄養の奪取を招くためです。これを防ぐためにも、完熟たい肥の使用が推奨されます。

牛糞の使用についての注意

牛糞を多用すると、カリの過剰摂取が土壌のバランスを崩すことがあります。また、近年、温暖化の影響で夏に牛に塩をなめさせることがあるため、牛糞には稀に塩分が多く含まれることがあるため、塩分が多い場合の牛糞は、作物によっては不適切な場合があります。例えば、イネや麦には適しているかもしれませんが、野菜や果樹には不適な場合もあるので、内容の確認と適正な使用をすることが大切です。

乾燥鶏糞

乾燥鶏糞は完熟鶏糞とは違います。乾燥鶏糞とは未熟な鶏糞を乾燥した鶏糞である場合が多いです。なので、乾燥鶏糞に水を散布すると未熟な鶏糞に戻ります。乾燥鶏糞は、自分で完熟させる必要があるので、使用する場合はすぐに畑に散布しないで、完熟させてから散布してください。

私の場合は完熟鶏糞を使用していますが。。。

わたしの場合は、完熟鶏糞を使用することが多いです。しかし、土壌分析の結果や状況によっては、完熟豚糞、完熟牛糞を使う心づもりはあります。なので、鶏糞が堆肥で一番良いという考えではないです。完熟した堆肥をそれぞれ、圃場の土質に合わせて適量散布することが大切だと考えております。たまたま結果的に25年間、完熟鶏糞の使用で土作りの基盤は大丈夫でした。土は団粒化が進み、柔らかく、水持ち、水はけのよい、保肥力がありバランスの良い土壌になっています。そして、そこで栽培した人参は毎年、どんどんよくなっており、品質、収量が高まっています。

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