
【第4回】顧客台帳活用講座 RFM分析の罠!?
いつも大変お世話になります。
ミリオネットの田中潮です。
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【本日のテーマ】
・RFM分析
・なぜ最新来店日が重要なのか?
・RFM分析の罠!?
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先日は、顧客関係性における育成ステップと、そのステップに応じたコミュニケーションとして「FSP」という手法を紹介させていただきました。
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・RFM分析
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今回は、その顧客ランクを設定するにあたり代表的な手法であるRFM分析を紹介させていただきます。
RFMとは下記の3つの要素から成り立っています。
■Recency(リセンシー) :最終来店日
■Frequency(フリークエンシー):来店頻度
■Monetary(マネタリー) :利用金額
RFMとは単なる言葉ではなく、この言葉の並び方に意味があります。
つまり対策を立てる場合・・・
①R
②F
③M
の優先順位になると言う事です。
業態や立地などでも変わってきますが、例えば
R:稼働客にアプローチする。離反客を減少させる。
F:来店頻度を増加させる。
M:顧客単価を上げる。
という順番に対策を講じると効果的という事です。
もう少し詳しく分解すると、
・Rの数値が良いほど将来も貢献してくれる可能性が高い
・Rの数値が悪ければ、その他の数値が良くても他社に奪われている可能性が高い
・Rの数値が同じなら、その他の数値が良いほど優良顧客
というようにデータを見ていきます。
直近に来店している顧客ほど、稼働率・再購入率が高いという事になり、最終来店日が同様であれば、来店回数 → 利用金額の順番で顧客ランクを設定していくという手法です。
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・なぜ最新来店日が重要なのか?
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それは、RFM分析の中で稼働・休眠・離反の状況を判断する事が出来るデータがRだからです。
来店回数や金額だけでは、現在において稼働しているお客様か否かを判断できません。
いくら利用金額が多くても、1年以上も来店されていない顧客にアプローチしても、とっくに他店に奪われている
可能性が高いからです。
逆に、利用金額が低くても最近来店した顧客であればこれからのアプローチでランクアップしてくれる可能性が高いです。
可能であればRFMによるランク分けに、性別や職業などの顧客属性情報を加味して管理する事で、優良客やリピート客、離反客などについての、より正確な仮説が立てられると思います。
ポイントサービスを行う際に、性別や生年月日、職業などを聞く事で、来店データ(RFMの基データ)と紐付けた分析が可能になります。
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・RFM分析の罠!?
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RFM分析で気を付ける事とは何でしょうか?
RFM分析やデシル分析などは、あくまで分析の手法であって解釈ではありませんので、分析結果を店舗運営にどう反映させるかは、分析された担当者次第です。
最近「RFM分析は間違いだ」などと言う人がいますが、あれは分析と解釈を混同しています。
RFM分析を行い、手っ取り早く売上を上げる方法ってなんでしょうか?
それは、ランクの高い上位客へアプローチする事です。
もともとファン層ですから、プッシュ型のセールスに強い反応を示して頂けます。
実際、ショップでご近所の常連客に必死に電話しているケースは多々あります。
ここで「罠」のお話です。
確かにこの方法で瞬間的には売上を上げる事が可能です。
が、ハードなセリングを続けていると必ず顧客離れが生じてきます。
実際、とある有名な健康食品最大手企業が、この罠にはまり大量の離反客が発生したという実例があります。
これは、RFM分析やデシル分析という手法が間違っているのではなく、そこから導き出した解釈が間違っていたという事になります。
顧客関係性のステップを思い返してみてください。
①知って貰う
(新規客) ⇒(告知)
②得して貰う
(リピーター)⇒(ポイント・クーポンなど)
③好きになって貰う
(VIP客) ⇒(FSPなど・自尊心をくすぐる)
顧客セグメント毎のコミュニケーション術を構築する事がCRMである事を前回お話しました。
そのひとつの形がFSPであり、顧客ランクに応じた段階的なコミュニケーション戦略です。
いわゆる「客育」です。
上位客へのアプローチだけを続けていくと先細りになります。
そこで必要になるのが、育成型のマーケティングです。
育成型のマーケティングについては、次回にご紹介いたします。
【本日のまとめ】
離反客は早急に対処しましょう!
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。