[人間の運命] ショーロホフ(2008, 11, 22)角川文庫.188p. ☆☆☆
私はもともとロシア文学が好きでしたが、プーチンのウクライナ侵攻以来、なんとなく読むのをさけていました。
先日、ずっと前から読みたいと思って積んでおいたショーロホフの『人間の運命』を思い切って読んでみました。
訳者が漆原隆子先生は、教養部のロシア語の授業の先生でした。
今から50年以上も前のことですが、今でも漆原先生の印象を覚えています。
漆原先生のことを思い出しながら、読みました。
独露戦でドイツの捕虜になって脱出したのだけれど、家族は全滅していた兵隊が、一人の幼い戦争孤児と暮らしているという話です。
小説の背景は、今ウクライナ戦争の真っ只中のウクライナ東部のすぐ隣のドン川の畔です。
人間は何度でも同じ過ちを繰り返していることを思い、情けなくなりました。
今では、ショーロホフなどほとんど読まれていないでしょうが、『静かなるドン』に挑戦してみようかと思っています。