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[死刑にいたる病]櫛木理宇(2017,10,19)早川書房. 363p. ☆
3段階の評価をつけます。
☆☆☆:読む価値あり
☆☆:暇なら読んでも損はない
☆:無理して読む必要なし
無理して読む必要無しという感想ですが、暑い眠れない夜にお手にとってみても良いかと思います。
少しゾッとして寒気がするかも・・・
24件の連続殺人を犯したサイコパスの犯人が、日々悶々としてさえない生活を送っている3流大学の学生に、1件の冤罪を解明して欲しいと依頼するところから話が始まります。
最初いやいやだった学生も、調べて行く内に自分の周辺に関連した様々なことが分かって来て、しだいに調査にのめり込んで行くというストーリーです。
この学生は子供のころ、この犯人と知り合いだったというところがミソです。
そんな訳で、調査が進むにつれて、学生本人の母親と犯人との関係なども分かってきます。
犯人と学生の周辺のドロドロした人間関係が明らかになって行くのですが、そこがなかなか気持ちわるい。
この話の怖いところは、学生が犯人を話しを続けていく内に、次第に犯人に惹かれていくところでしょうか?
担当の弁護士も犯人の手のひらの上で操られていくところや、この犯人はこの学生以外にも沢山声を掛け、彼らを操ることに快感を覚えているらしいところがゾッとするところです。
最近、日本でもサイコパス的犯罪が起こっています。
この小説の主人公みたいな人間は実際にはいてほしくないと思うのですが、事実は小説よりも奇なりということもあるかもしれませんね。