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[ひろしま]石内 都(2008, 4,30)集英社78p.☆☆☆


写真家 石内 都氏が、広島平和記念資料館所蔵の被爆死した人の遺品の中から肌身に直接触れた品物を選んで撮影した写真集である。
シャツ、モンペ、肌着などごく普通の衣類を広げて撮影している。

原爆の被害の写真というと黒焦げになった遺体など目を覆いたくなる残酷なものもあるが、この写真集に集められているものは焼け焦げたり、裂けたりしているものの、被害者が被爆直前まで身につけていたというぬくもりが伝わってくるものである。

戦時中とはいえ、普通に活動していた普通の人々が、衣類を残して逝ってしまったことが伝わってきてたまらない気持ちになる。
この人達は2度と戻ってくることはなかったである。
静かに、強烈に原爆の残虐性を示していると思う。

今ウクライナで戦争がおこなれていて、地政学的なコメントなどがマスコミで流れているが、聴いていて止めてくれと思うことが多い。
所詮戦争は『人殺し』なんだという原点に戻らなければと強く思う。

また、原爆については、それを使った人間(政治家・軍人)と造った人間(科学者・技術者)の責任を徹底的に追求すべきである。


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