高校教科書で見る世界の自然災害 【自然災害を学ぶための教科書 2/4】
私達が住んでいる日本列島で起こる自然災害を考える上で、グルーバルな観点は大切です。
日本列島が地球上のどんな位置にあり、そこで起こる自然災害が世界で起こる自然災害に比較することで、日本列島でおこる自然災害の特徴が見えてきます。
今回は、前回紹介した「地理総合」の教科書を元に世界の自然災害について見てみましょう。
6種類の「地理総合」の教科書の内、4種類でグローバルな自然災害を意識的に扱っています。
世界で発生する自然災害には様々なものがありますが、日本でも発生する自然災害としては、地震・津波、火山噴火、気象による被害があげられます。
ここでは、この3種類の災害について見てみます。
プレートテクトニクス
これらの自然災害の根本的な原因はプレートテクトニクスに関係しています。
プレートテクトニクスの考え方は1970年前後に確立された比較的新しい考え方ですが、自然災害を考える上で、必要不可欠な考え方です。
プレートテクトニクスの考え方を簡単に述べると、『厚さ約100kmの10数枚の硬い岩盤により地球表面が覆われていて、それらの岩盤の相互運動により境界部で地学現象(地震や火山など)が起こる』となります。
世界の地震
この図を見て分かるのは、世界の地震は均一に起こっているわけではなく、プレートの境界部に起こっているということです。
日本列島の地震は太平洋プレートが他のプレートに沈み込む境界で発生している地震の一つです。
東日本大震災の原因となったようなマグニチュード9以上の巨大な地震は太平洋周辺で主に起こります。
世界の火山
大部分の火山もプレート境界に位置しています。
ちなみに日本列島の火山は世界の火山の7%を占めています。
世界の地形と気象災害
世界の地形も概ねプレートの分布に調和的です。
巨大な山脈の多くはプレートの境界部にあります。
現在のプレートの境界と離れている山脈は、昔のプレート境界で作られたと考えられています。
世界の気象も地球上の大陸や海洋の分布に大きく影響されています。
その意味では、間接的にプレートテクトニクスに支配されているとも言えます。
図には、大きな災害をもたらす熱帯低気圧の分布を示します。
日本の台風、アメリカのハリケーン、オーストラリアのサイクロンの分布に注目しましょう。
グローバルな観点から見ても、日本列島は災害の集中する場所であることが分かります。