雇用調整助成金と失業保険と私
最近は、絶望とか地獄とか不安を煽るようなタイトルの記事ばかり書いてしまっている。(書いてて自分が一番不安になってます。)
二代目社長だーうしで御座います。
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1つ前のわたしの記事「決断し続ける地獄」の中で、(良ければ読んでみて下さい)例に出したタクシー会社(ロイヤルタクシー)の話をします。
このタクシー会社がなにをしたのか。簡単にまとめると
コロナの影響を受け、人々の行動は制限され、タクシー業界も大打撃受けます。それを受け、このタクシー会社は、600名を一斉解雇しました。
この決断は、賛否を巻き起こしました。
賛否の賛のほうの大方の意見は、
経営者も苦渋の決断だっただろう。
従業員のことを優先して考えてのことだろう。
従業員との信頼関係が築けている証拠だ。いい会社だ。
賛否の否ののほうの大方の意見は、
経営者は、自分(会社)のことしか考えてない。
従業員のこの先の生活はどうするのだ。
従業員あっての会社だろ。こんな会社潰れてしまえ。
この賛否を、雇用調整助成金と失業保険の観点から考えてみた。
念の為、この2つの簡単な説明をします。(補償される金額の観点から)
雇用調整助成金とは・・・
雇用している会社が、直近3か月の平均賃金の最低6割以上を休業手当として支給する。
その6割のうち、中小企業は9割、大企業は7.5割。助成金として国が補償する。100日間のみ補償される
※コロナ特別拡充されております。この割合は1人も解雇しなかった場合です。
メリット(会社側) メリット(従業員側)
①従業員の雇用を維持できる ①仕事が維持できる
②国が補償してくれる ②会社は補償してくれる
デメリット(会社側) メリット(従業員側)
①支給までの手続きが面倒 ①給料が減る(6割~10割)
②国が補償するまでの期間は、すべて
会社負担で給料を払い続ける。
失業保険とは・・・
直近6ヶ月の平均賃金の5割から8割程度が国から保証されます。
期間は90日~270日
※年齢・雇用期間などによって保障される期間・割合には個人差があります。高齢で雇用期間が長いほうが優遇されております。
メリット(会社側) メリット(従業員側)
①会社の負担がなくなる ①ある程度の期間、保証される。
②平均賃金の計算が6か月間なので
歩合制でもある程度安定した金額になる
デメリット(会社側) デメリット(従業員側)
①景気が回復して時に、再雇用できるか不明 ①職を失う
これをこのタクシー会社に当てはめて考えてみる。
雇用調整助成金では、
会社に資金的な体力がない場合、助成金支給までのタイムラグに耐えられない。
手続きが複雑なため、おそらく社労士に頼むことになると思います。
その場合は規模にもよると思いますが、報酬として支給された額の15%から30%を支払うことになる。
補償期間が100日までの為、長期間コロナが終息しなかった場合には、会社、従業員ともに共倒れになる。
雇用調整助成金で3か月耐えて、失業保険を申請した場合。
休業手当で減給した期間も含めるので、総支給額が減る。
実際に計算してみましょう。
月給25万の場合(全年齢共通)・・・
雇用調整助成金では、250000円×3か月=750000円÷歴日数(90日)=8333×0.6=5000円
1日5000円×100日=500000円
月給25万・年齢45歳から59歳まで・
雇用期間5年以上10年未満の場合
失業保険では、250000円×6か月=1500000円÷歴日数(180日)=8333円×0.66=5531円
1日5531円×会社都合の場合・240日=1327440円
この結果をみて、私はこう思いました。
おそらくタクシー業界は、高齢の方が多く、業界歴も長い方が多いのではないかと。
金額の面だけを鑑みれば、失業保険のほうが、会社的にも従業員的にも明らかに有利です。
タクシー業界は、平常時は人手不足の業界です。
なので、会社側のリスクは、回復した時に再雇用出来るのか?
従業員側のリスクは、反対で再雇用してもらえるのか?
※再雇用ありきでの失業保険は、違反なので、かなりグレーゾーンですが・・・
会社・従業員の生き残りとコロナリスクを総合的に鑑みて、このタクシー会社は決断したのだと思います。
やはりこの問題は、賛否分かれるだろうなと思います。
会社側も従業員側もどちらも悪くないし、正義もくそもないし、
真剣に考えた結果がこれだからです。
私もそろそろ決断しなければ、ならない時が迫っています。
みなさんは、どのように感じましたか?
今日はここまで。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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