地獄の two pizza rule (14)
ジョンは意気込んで和光市駅を出発し、荒川へと近づいていった。しかし、天候は急変し、雲行きが怪しくなってきた。
荒川を渡る長い橋の途中で、雨が降り始めた。ジョンは突然の雨に打たれながら進んでいくが、やがて彼は濡れた身体をかきむしり、絶望に突き落とされるような気持ちに襲われた。
「なぜ、こんなにも運命は厳しいんだ!?」ジョンはその場で突っ伏し、大声で自分の運命を嘆いた。絶望の叫び声が荒川に溶け込み、雨とともに轟音となって響き渡った。
しかし、ジョンは再び立ち上がり、歩き始めた。彼の心にはまだ希望が残っていた。荒川を渡り、闘いの舞台へと進むために、彼は不屈の意志を胸に秘めていた。
しかし、意識が朦朧としてきた。疲労が限界に達し、ジョンの視界は歪み始めた。
そして、彼は美女の幻影が浮かび上がるように見えた。彼女たちは儚く微笑みながら、彼を誘惑するような仕草を見せた。
「あなたは諦めて、私たちと共に逃げませんか?」幻影は囁くような声で語りかける。
ジョンは揺れ動く意識の中で、彼女たちの言葉に惑わされることなく、意志を強く固める。
「絶対に…諦めない!」ジョンは力強く宣言し、美女の幻影を振り払う。
再び自分の足を前に進めるように促しながら、ジョンは闘志を取り戻し、荒川を渡る長い橋を目指して歩き始めたのだった。
北戸田駅にタクシーが到着し、ドアが開くと、ジョンが降りてくる姿があった。彼は結局歩くことを諦め、足取りが重く、絶望に打ちひしがれた表情を浮かべていた。
ジョンは深いため息をつきながら、駅から離れていくタクシーを見送った。彼は再び公共交通機関を利用し、江戸川を目指すことを決意した。
バスと電車を乗り継ぎ、武蔵野線に乗り込んだジョンは、心の中で疲労がたまっていることを感じながらも、眠気に襲われていた。彼は居眠りをしてしまった。
しかし、気づけば江戸川を通り過ぎてしまっていた。ジョンは目を覚まし、自分が目指していた場所を通り過ぎてしまったことに怒りが込み上げてきた。
「くそっ!なぜまた…なぜ自分がこんなことをするんだ!」ジョンは絶叫し、自らに対する怒りを露わにした。
周囲の乗客たちはジョンの激情に驚き、彼を警戒のまなざしで見つめた。しかし、彼の怒りは自己嫌悪と挫折感から湧き上がるものであり、制御することはできなかった。
ジョンの絶叫は車内に響き渡り、彼自身の心の闇を表すものとなった。
しかし、その怒りと絶望の中にも、ジョンの内なる闘志が再び燃え上がっていた。彼は自らを奮い立たせ、再度江戸川への道を歩む覚悟を決めた。
(続く)