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長崎市外海地区観光
こちらの記事の続きです。
遠藤周作文学館訪問後、外海地区を散策しました。
まずは「沈黙の碑」を目指します。
バスが来るのにしばらくかかりそうだったので、歩いていくことを決意しました。約2kmの道のりです。9月の炎天下の中を歩いていきます。下りだったのが救いでした。暑さでふらふらになりながら、なんとか「沈黙の碑」に辿り着きました。
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沈黙の碑
沈黙の碑は、遠藤周作が生前中の昭和62年11月に、長崎市在住で遠藤の友人のご尽力により建立されたそうです[1]。
遠藤周作がこの碑のために特別に著した文章「人間がこんなに哀しいのに 主よ 海があまりに碧いのです」と刻まれています。
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海が「碧い」というのがいいですよね。訪問したのは快晴の9月だったにも関わらず、外海の海はどことなく暗く物憂げで「青い」より「碧い」という表現がぴったりな気がしました。静かな海をいつまでも眺めていたい、そんな気持ちになる場所でした。
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長崎市外海歴史民俗資料館
「沈黙の碑」を見たあとは、長崎市外海歴史民俗資料館に行きました。
資料館の2階にある隠れキリシタンに関する展示が特におすすめです。
踏み絵やマリア観音を見ることができます。
出津教会堂
出津教会堂は1882年、フランス人のド・ロ神父が自ら設計して、建築の指導を行って作られた教会です。建てられてから150年以上経過していますが、今でも現役の教会です。
私が訪れたときが海外からの団体客がいらっしゃっていて、教会に関する説明を中で聞いていました。厳かな雰囲気で思わず背筋が伸びてしまう、そんな場所でした。
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キリスト教が解禁された新しい時代のシンボルと考えると感動しました
長崎市ド・ロ神父記念館
出津教会堂を建てたド・ロ神父について紹介しているのが、長崎市ド・ロ神父記念館です。内部の展示では、ド・ロ神父がフランスから取り寄せたオルガンと、人の内臓の位置関係がわかる人体模型が印象的でした。ド・ロ神父が自分のお金を外海地区の人々のために惜しみなく使ったことがわかります。
ド・ロ神父の医療・農業・建築など幅広い領域を指導したその博学ぶりに驚嘆するとともに、ド・ロ神父がいかに外海に尽くしたかがよくわかる資料館でした。
平日だったこともあり訪問客は私一人だったので、スタッフの方が解説をしてくださいました。帰りのバスのバス停と時刻まで丁寧に教えてくださって感謝しています。
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瓦葺きの中にある十字架が印象的
異国の地で、その土地の人々のために惜しみなく尽力したド・ロ神父はフランク安田と共通点が多いなと感じました。私財を投げうったところ、ただ援助するだけでなく長期的な視点を持って産業の創出による生活の改善を目指したところ、そして最後まで故郷に帰らなかったこと・・・。
ここまで人に尽くすことができる人がいるのか・・・と圧倒されます。
ド・ロ神父は全国的な知名度は低いと思いますが(少なくとも私は知らなかった)、もっと多くの人に知ってもらえたらいいなと思います。
ちなみにフランク安田については、私は新田次郎さんの「アラスカ物語」が大好きです。興味を持った方はぜひ読んでみていただきたい作品です。
終わりに
長崎市外海地区、遠藤周作文学館だけ訪問するのはもったいないと思える素晴らしい場所でした。
遠藤周作文学館に訪れた際は、ぜひ外海地区にも足を伸ばすと楽しめると思います!
追記
夜は博多に戻ってうなぎを食べました。
とても美味でした・・・!
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とてもおいしかったです。
注釈
[1] 沈黙に碑について:https://www.city.nagasaki.lg.jp/endou/monument/