効果的なオイル美容の方法と人気アイテムの成分解説
最近話題のオイル美容。多くのアイテムが販売されており、「天然」「オーガニック」といったお洒落なイメージと相まって、挑戦してみたいとい方も多いと思いますので、今回はオイル美容について詳しくご紹介していきます。
「オイル美容」というと、高保湿・ブースター機能、など、万能なイメージがありますが、と一口で言っても、オイルにはさまざまな種類があります。
その種類選びを間違えると、せっかくのスキンケアが無駄になってしまいますので、正しいオイル美容の知識と、推奨したいアイテムを成分解説とともにご紹介していきたいと思います。
オイルには3種類ある
オイルと一言にいっても、その種類は実に様々です。正しく特徴を掴み、ご自身の肌に必要なオイルを取り入れることがとても大切です。
今回は、代表的なオイルの種類を3つご紹介します。
①炭化水素
炭素と水素で出来たオイルを、炭化水素と呼びます。
あまり馴染みの無い名前かと思いますが、安定性と純度が高く、肌への刺激も非常に低いため、万人に使いやすい優秀なオイルです。
炭化水素は、酸素を含まないため、水とほとんど馴染みません。そのため、しっかりと肌に蓋をしてくれるため、保湿力も非常に高いです。
代表的な炭化水素:ミネラルオイル・ワセリン・スクワラランオイル
②油脂
植物や動物が由来のオイルを油脂と呼びます。原材料費が高く付くため、高級オイルとして知られているものが多いです。
一方で、安定性が低く、酸化しやすいなどのデメリットもあります。
代表的な油脂:マカダミアナッツ油、オリーブ種子油、アルガンオイル、
ヤシ油、シアバター、馬油
③エステル
高級脂肪酸と高級アルコールを化合した合成オイルをエステルと呼びます。
少し説明が難しくなりましたが、要は構造・特徴共に炭化水素と油脂の間のオイルとイメージしていただければよいと思います。
代表的なエステル:トリエチルヘキサノイン、エチルヘキサン酸セチルなど
オイル美容の効能
次に、オイルをスキンケアに取り込むことで見込める効能をご説明していきます。
①疑似皮脂として肌表面を保護する
人間の肌表面を保護する皮脂膜は、さまざまな脂質で出来ているので、一般的にオイルは"疑似皮脂"として保護機能を発揮します。
特に、3種のオイルの中でも圧倒的に"疑似皮脂"としての機能が高いのは「油脂」です。それは、皮脂膜の脂質のうち実に4割が、油脂にたくさん含まれる「トリグリセリド」という脂質だからです。
エステルや炭化水素も、疑似皮脂としての効能は期待できますが、脂質に占める構成割合が低いため、その意味では、油脂が最も効率的に"疑似皮脂"になりうると言えるでしょう。
②角層柔和作用(油脂のみ)
一部のオイルには、角層内に入り込んで細胞の並びを整え、角層を柔和してくれる作用があります。これが、オイル美容で良く謳われる"ブースター効果"です。肌表面のごわつきが気になる方、化粧水の入りを良くしたい方におすすめの効能です。
とはいえ、オイル3種類の中でも、炭化水素は分子が大きく角層に入り込めないので、柔和作用はほぼ見込めません。エステルにもある程度の柔和作用は見込めますが、その作用は弱いです。
というわけで、最も柔和作用が期待できるのは、ここでもやはり人間の皮脂膜に最も近い「油脂」になります。この項目のはじめに"一部のオイル"と書いたのは、この意味です。
③クレンジング機能
皆さまご存じの通り、油分は油分と結合するので、オイルには油汚れを落とす、という意味の「クレンジング効果」があります。"オイルクレンジング"でご想像される、すっきりしっかり汚れを落とす、あの効能ですね。
とはいえ、オイルクレンジングといっても一言では語り切れず、とにかく奥が深いのですが、話し始めると大変なことになるので、詳細は別記事でご紹介しますね・・・。
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というわけで、オイルには3つの機能がありますが、③クレンジング機能は少し性質が異なるので、今回の記事でご紹介する「オイル美容」が目指すのは、主に①疑似皮脂機能と②角質柔和作用の二つであるとご理解ください。
おすすめは油脂。使用方法は?
上記の説明でお判りいただいたように、スキンケアとしてオイルを使用する場合、私は油脂を最もおすすめします。
先ほどもご紹介した通り、疑似皮脂としてスキンケアの最後に使用したり、角質柔和作用を利用して、ブースターとして使用するのがおすすめです。あくまでもブースターなので、1~2滴の使用が良いでしょう。
油脂でのオイル美容の注意点:酸化
ただ、油脂の使用には注意点もあります。それが酸化です。油脂には、日光に当たると酸化する特徴があります。酸化した油脂はニキビや黒ずみ、くすみの原因になるので注意が必要です。
このデメリットを克服するためには、以下二点に注意する必要があるといえるでしょう。
①酸化しにくいものを選ぶ
油脂の酸化のしやすさは、配合されている脂肪酸の種類によって決まります。一般的には、オレイン酸が配合されている植物油脂が酸化のリスクが低いと言われているので、
・ココナッツ油
・椿油
・アルガンオイル
・オリーブ果実油
このあたりの油脂を使用するのが安全です。
また、炭化水素やエステルは、油脂に比べ酸化のリスクが低いので、朝は炭化水素やエステルを使用するのもよいと思います。
②たくさん塗るのは控える
"疑似皮脂"である油脂は、塗りすぎると逆に肌トラブルになったり、アクネ菌の餌になるともいわれています。ですので、たっぷりと顔に塗りたくるのはお勧めしません。
酸化リスクと皮脂過多リスクを考えると、個人的には、夜夜のスキンケアのブースターとして、洗顔後に1~2滴使用するのが最もおすすめの使い方です。
人気オイルの成分分析とそれぞれの推奨使用法
以上、オイルの特徴と効果的な使い方をご紹介したところで、お待ちかねの成分分析をしていきます。今回分析するのは以下4つの人気オイルです。
①FEMMUE アイディアルオイル
②BEIGIC コンフォートオイル
③Huxley ライトアンドモア
④innisfree ソイビーンエナジーオイルEX
FEMMUE アイディアルオイル
{全成分}
ツバキ種子油、カノラ油、オリーブ果実油、カニナバラ果実油、ブドウ種子油、ビサボロール、月見草油、トコフェロール、アスタキサンチン、ニオイテンジクアオイ油、ビャクダン油、ジャスミン油、アトラスシーダー樹皮油
酸化しにくいツバキ種子油をベースに、たくさんの植物油脂を配合した、完全植物油脂オイルです。角層の柔軟作用もかなり期待できるので、洗顔後のブースターとして使用するのがおすすめです。
とはいえ、酸化やニキビのリスクは多少あるので、
・朝のみ使用する
・肌荒れ時には使用を控える
などの工夫をするのもよいと思います。
BEIGICルーセントオイル
{全成分}
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、オリーブ果実油、ヤシ油、アラビアコーヒーノキ種子油、アンズ核油、ブドウ種子油、アーモンド油、アボカド油、アルガニアスピノサ核油、ホホバ種子油、カニナバラ果実油、コムギ胚芽油、酢酸トコフェロール、スクワラン、ニオイテンジクアオイ葉油、ベルガモット果皮油、オレンジ果皮油
安定性の高いエステルをメインに、さまざまな植物油脂をブレンドしたタイプのオイルです。完全な植物油脂オイルではありませんが、FEMMUEのオイルに比べ、もう少し酸化のリスクが少ない、バランスの取れたオイルと言えると思います。
まら、こちらもある程度の角質柔軟作用が期待できるので、洗顔後すぐのブースターとしての使用もおすすめです。
ハクスリー ライトアンドモア
{全成分}
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル,炭酸ジカプリリル,ヒマワリ種子油,スクワラン,ホホバ種子油,香料,クランベアビシニカ種子油,酢酸トコフェロール,オプンチアフィクスインジカ種子油
エステルをメインに、炭化水素・植物油脂がバランス良く配合されているタイプのオイルです。上の二つに比べればお値段もぐっとお手頃になるので、オイル美容初心者の方におすすめのアイテムです。
サラッとして使いやすいテクスチャーで、酸化のリスクも少ないところが安心ですが、植物油脂は少ないため、角質の柔軟作用はほぼ無いので、保湿目的でトナー後に使用するのが良いと思います。
innisfree ソイビーンエナジーオイル
{全成分}
水、グリセリン、プロパンジオール、ポリグリセリン-3、メチルグルセス-20、DPG、アルブチン、バチルス/ダイズ発酵エキス、アデノシン、エチルヘキシルグリセリン、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、1,2-ヘキサンジオール、PPG−13デシルテトラデセス−24、キサンタンガム、EDTA-2Na、香料
成分名にオイルと付いてはいますが、成分を見るとほぼ「水ベースの美容液」という事が分かります。肝心のソイビーンもエキスで入っているのみなので、オイルと呼ぶには心許ないですが、酸化のリスクもほぼないので、朝の使用や、ニキビトラブルがある方も一番安心して使用できると思います。
角質の柔軟作用もほぼないので、こちらもハクスリーと同じく化粧水後の美容液として使用するのがおすすめです。
また、メラニン生成抑制効果のあるアルブチンが配合されているので、保湿xシミ予防ケアが同時に出来るところも嬉しいポイントです。
最後に
最後までお読みいただきありがとうございました。以上が、オイル美容のポイントと、人気アイテムの成分分析でした。今後ご自身でオイルアイテムを選ぶ時にも、今回ご紹介したことを参考にしていただけると幸いです。
今後もこのnoteでは、皆さまの化粧品選びに役立つ情報をお届け出来たらと思っていますので、引き続きよろしくお願い致します。
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