ひょうがさんの印刷工房見学をさせてもらったら、東京の職人の技術が垣間見れた話
ごめんなさい、いままで侮ってました。
ブランドやメーカーで思い浮かぶものを
5つあげたら3つか4つはひょうがさんのところで何かしら刷ってるし、
キャラクターで思い浮かぶもの5つあげたらそれも3つか4つくらいはひょうがさんのところで刷ってる。
そして、気づいてしまったのよ。
うちには3つか5つくらいしかないかもしれないけれども、関東に50年とか60年とか住んでいるような私の実家みたいなところはおそらくひょうがさんの工房で刷ったものが10個や20個あるってことに。
うちにそんなのないよ!という方でも郵便局以外から何か封筒に入るサイズのものを送ったことがあるならばあの黄色いのはおそらく見たことあるだろうなぁ。
そして、なぜひょうがさんがプラスティックへのインクジェット商品のことを「あくまでも副業と言い張るのか」も。前々からインターネット上で言われるようないわゆる副業とはかなり違うと思っていたのだけれども。
ただ、今回ビビりすぎて写真撮れなかった(笑)ので、文字だけでお送りいたしますが、以前ひょうがさんとのコラボ記事のこちらで工房内の写真は掲載されているので合わせて是非ごらんください。
また、今回の記事ではギリギリをせめていますが、ぼかしてる表現は、いわゆる「大人の事情」なので、そのあたりはお察しくださいませ。
わかってもコメントに書いちゃダメですよ。
というわけで、東京の下町にあるひょうがさんの工房を見学させていただきました。民家といっしょになっているにしては大きいけど、工場のような広さではない。そして「副業」用の機械はいくつかあるものの、メインの「本業」はもっとアナログな技法を使うため、面積の大半はキャンバスのように斜めに設置されたステンレスの台がおいてあるという工房だ。
「副業」のモバイルクリーナーについて感じていたこと
宇佐兎三はnoteでひょうがさんに知り合うもっと前にひょうがさんのところに何度か発注してたことがあるんだよね。そのころ「副業」だなんておもっていなかったけれども。めちゃくちゃこだわって作っているななんて思っていたけれども、そのこだわりようからスタートアップなのかと勝手に思っていたわけだけれども。それはむしろ逆だったようで。
宇佐兎三が印刷用に入稿するデータって、仕事も含めでだいたいAdobe Illustratorで作成していて、チラシ的なものであれば写真データが含まれることもあるのだけれども、前回の記事で作成していただいたものもそうだし、以前クライアントの仕事として発注したものもAdobe Illustratorで作成したものなんだよね。
で、正直なところイラレ(Illustrator)で作成したイラストの印刷って、オンデマンド(カラーコピー的なもの)だとさすがに汚いなって思ったりもするけれども、インクジェットやオフセット(企業が配ってる印刷物全般)だと印刷で差が出づらい。ということで、綺麗な気がするけど確信が持ててなかったんだけれども、今回いくつもの大人気アニメの画像データをプリントしたものを拝見させていただいて思ったんだけれども、ここまで線出るの?というのにおどろいた。ちなみにグッズが出るようなアニメなのでほぼ全部知ってました。もちろん最近空前の大ヒットを飛ばしていたあの作品も含まれます。
でもこれが本業のシルクスクリーンの品質基準でやっていらっしゃるならば、線と塗りのイラレで作成した画像がめちゃくちゃ綺麗も納得。
そしてモバイルクリーナー自体の品質もいいのも納得しちゃうんだよね。
たぶんnoteの中で唯一乗ってる本業についての記事▼
見たら、たぶん納得します(笑)
シルクスクリーンとは
シルクスクリーン(Screen printing)は、孔版画の技法の一種であり、インクが通過する穴とインクが通過しないところを作ることで版画の版を製版し、印刷する技法である。(Wikipedia|シルクスクリーン)
これが分かること自体ある程度の年齢かもしれないけれどもわかりやすくいうと、プリントゴッコです。ただ、プリントゴッコは家庭でも簡単に刷れるようにしているわけですが、話を聞いていてもインクも版も質の違うものだなと思ったのだけれども。
ちなみに、シルクで網の再現性もそうなのだけれどもわずか全長1mm程度の文字すら潰れずに印刷できていた。オフセットでも4pt(1.41mm)〜5pt(1.8mm)くらいまではどうにかなるってイメージだけれども(読みやすいかはともかく)それ以下だとあやしいって印象で。
品質めっちゃ求められるところの仕事を普段しててその副業じゃよくて当たり前だった…。
ただ、もっと小ロットでもクリエイターと遊ぶようにモノづくりをしたいと思ってはじめられたそう。noteでもその方向で色々思考されていたけれども!
ひょうがさんの「本業」の話
ちなみに、今回拝見させていただいたものの中で特に印象に残ったのが特色8色刷りのものなのですが、なんとなく甥っ子が持っていたような気がするけれども、よもや手刷りだと思っていなかったし、4色分解(普通のチラシなどの印刷方式)だと思っておりました。そして手作業ときいて驚くのが8色ながらもズレ無し。
4色分解とは
4色分解とは、カラー原稿の色を、シアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)、黒(blacK)というCMYK4色に分解し、それぞれの色で印刷用フイルムを作成することである。これらのフイルムを重ねて印刷する形でカラー印刷を行なう方式が、4サイクル方式と呼ばれる。(Weblio|4色分解より)
子どもの頃、マンガやアニメが手描きだと知ってビビったり、新幹線の丸いところが手作業と知ってビビったり、そんな感じにビビった。
以前「一流とは」みたいな記事を書いたのでだけれども、完全に一流の仕事。手作業の気配すらない。
正直に、打合せだったらDiscordでいいじゃんくらいに思っていたけれども、
なぜリアルに私が工房へ行く必要があったのか?
ネットには出せない、さらに言うと写真では伝わらない技術
を伝えたかったのね、というのをビンビンに感じたわけなのだけれども。
ちなみにいままでで一番やばかったのは25色以上刷りだそうで、デザイナー目線で考えても常識的に考えたら特色25色以上ってナニごと?ってかんじなのですよ。
それって1枚のプリント対象物に25回インクを載せるわけで。
それこそ、4C(4色分解)じゃダメなんですか?
ってなるよね。
ちなみにそんなコスト度外視で無茶な発注をしてくるのは、聞かなくても分かる、あそこしかないよね。みんな大好き…ハハッ。
でもそのこだわりがわからなくもないのは、本当に綺麗な印刷って4Cじゃ難しい。宇佐兎三自体仕事でやる印刷物はほぼ4Cだけれども、高校生くらいのころオフセットとはいえ多色刷りにはまっていたことがあって。仕事で本当は特色刷りしたくてそのつもりでデータ作ってたけれど予算で4Cになっちゃったとかもあるけどね。
4Cオフセットも私の高校時代なんか比べると段違いに綺麗になっているだろうけれども、特色の鮮やかさに比べるとどこまでいってもおそらく見劣りするものになると思う。
MacやiPhoneのディスプレイがルティーナになってかなり綺麗になった頃、印刷と同じくらいの画質なんて言われていたのだけれども、さらに解像度があがり印刷よりもディスプレイが綺麗な昨今、あざやかなRGBに見慣れた私たちの目には印刷向けにYMCKで作成されたくすんだデータ、4色分解印刷はちょっと劣化して見えてしまうので。(Windowsの文字は未だに綺麗だと思えないけど、マシにはなったよね。)
一方家庭用インクジェットの場合、5万くらいの機種でも10色インクなどの機種ならばよりRGBに近い色が出たりするけれども。
色を本気で再現するならば、特色多色刷り。モニターでなら表示されるような鮮やかな色、そしてモニターですら表示されない蛍光色や金銀も使えるので。
え、でも25色以上?(笑)
小学校の頃うらやましかった24色クーピーより色数多いよね(小並感)
この情勢だと確かにキツイだろうなって思った話
色々拝見させていただいて、確かにイベントグッズ多いとか、特に得意としているビニールやプラスティックへの印刷。日用品としても、プールや海に行けなくなるだけでなかなかキツイっていうのはめちゃくちゃ分かる話で。
ひょうがさんが以前こんな記事をかかれているわけですが、技術の継承もできないままにいまのままだとつぶれる技術を持った企業も多いっていうのもめちゃくちゃ納得のいく話で。
実物みなきゃわからないけれども、技術力やっばいのよ。
宇佐兎三はひょうがさんにも言ってなかったけど、私自身のクライアントさんの仕事でひょうがさんにお願いしてたのはインクジェットの商品で、またイベントできるようになったときに、ひょうがさんのところに発注できないの困るから潰れてほしくないなーもちょっとあった。
でもインクジェットの仕事を副業といいはるのは、「大人の事情」も込みなんだ!って話も多分にわかったけれども、ただ確かに本業の方に比べると確かに副業だし、本業の方の技術消失するのよくないやつじゃ…なんて思ったわ。というか、はじめ話だけをきいてたとき、いまいちコスト面でちょっと高いなと思ったけれども、どこの仕事をしているのか?どんなロットなのか?なんて話をきくとめちゃくちゃ納得してしまったのでした。
インクジェットすら割と謎技術多分にあると思うし、っていうかインクジェットでなんであの線出るの?って部分はあるけれども。
近いうちに企画あり?宇佐兎三もお手伝いします!
そんなこんなで、ひょうがさんの企画をお手伝いしたいなと思いつつ、その内容等は、これから詰めることになるかなと思うのでお楽しみに!