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中国語ナレーション

人の姿もまばらになり、落ち着きをとりもどした夕暮れの興福寺中金堂前。

基石の上には中国系のお母さまと小さな男の子。
お母さんはもうお疲れなのでしょうか、ぽうっとほうけてらっしゃる横で、男の子がけんめいにおしゃべり。

よく通る声で、中国語が周囲を覆います。すぽーんとひらけた境内で、NHKのシルクロード番組のナレーションのようです。
そのうち六時の鐘がゴイーン。

観光のみなさんでごった返す昼間はさておき、これくらいの静けさの中では、奈良は意外に中国語がよく似合う。天平時代にトリップです。天平?天平はもすこし南、飛鳥のあたりか。興福寺さんは奈良時代のお方。
そうかー、京都との明確なちがいはここだったんですねえ。仮名で書かれた古今和歌集を「日本文化のスタート地点」と熱く語る京都の方がいらっしゃいましたが、なるほどです。でもたくさんの他民族交流の奈良時代もまたいいものだなー。

延々ひとりで話し続けるおしゃべり上手な彼は、熱心に何を語ってらっしゃったのでしょうか。わからなくて残念です。字幕ないもんね。

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