【第1話】グッドナイトファンタジーの誕生秘話
なぜこのゲームを作ったかの話になります。
20年前ほど遡ります。当時はUSAPAは学生でした。そこでオンラインゲームを初めて遊びました。俗に言うMMO繁栄時代。「ファイナルファンタジー11」や、「ラグナロクオンライン」などなど。当時、初めてパソコンを購入しました。OSはwindows 95、ネットが普及始めという時代。今みたいな数万円では買えずめちゃくちゃ高く、学校が普通高校ではなく技術系の専門だったため、パソコン必要でしょと父親にほんと無理言って購入してもらっていました。
時は2000年
ここで登場するのが「商人」「市場」「取引」「売買」「ファンタジーアイテム」といったグッドナイトファンタジーを構成するパーツです。勘の良い人や遊んだ事がある人はなんとなくアレだよねと思うかとは思いますが、ここでどういう楽しさかを説明しておくと、ファンタジーMMOにはファンタジー経済があります。
「牛乳」を購入して、冒険に出かけて、経済を回す
ラグナロクオンライン(以下RO)をはじめてプレイした。
ROは今ではよくある量産型MMOですが、当時は人がたくさんいた。物凄い数。人がいるとどんなゲームでも面白い。その世界の中での経済の価値が上がり、お金の価値が上がるから。
ゲーム内貨幣、(通称ゼニー)の価値が異常に価値のあるものに感じた。ゲーム内経済が盛んだった。
グレーな表現をすると、ゲーム内のお金が現実でトレードされるまで発展する(俗にいうリアルマネートレード)
ゲームの中にプロンテラというゲームのメインとなる街にはアイテムを売買する露天商人が並んだ。ログアウトして放置の売買システムはなく実際に人が中に入って露天商人としてパソコンを立ち上げていなければならないAFK(キーボードから離れた場所にいるよ)システムだった。購入時に値段交渉のチャットが飛んで来たり、人が中にいるようで活気があった。人がいないと成り立たないソーシャル性があった。
グッドナイトファンタジーがそのあたりは影響を受けています。街に商人や冒険者が集い経済が回る、そんなイメージを踏まえてイラストを作っています。
最初期
最終版
リアルでお金を稼ぐような気分。雑魚敵をたくさん倒してちまちま小銭を稼ぐ事自体に楽しみがあった。お金持ちになるのを夢見て。レアなカードが極低確率でドロップした。高値で売れるアイテムだ。
雑魚からのゴミのような通常ドロップ。消費したHP回復薬費用くらいには売れる。NPC売り。ドロップ品を買ってミルクを買うサイクル。大量に入手して大量に売るのでそれなりの儲けになる。所持重量制限の概念があって、たくさんは持てなくなる。1時間か2時間狩をすると所持制限オーバーになるので実質のひと狩りの時間の目安になる。
ゲームで使われる鉱石。装備を強化する事ができる。レアだけどカードよりは頻度が高め。小レア扱い。数時間の狩りをすると安定して数個はドロップする。なかなか嬉しい。安定した収入源。武具防具の強化アイテムであり消費アイテムであるため、市場に常に需要がある。需要と供給が安定しているため、ゼニーとは別に物々交換としても扱われていた。
今のスマホアプリのソーシャルゲームでは、ゲーム内の通貨(ROでいうゼニー)は他人とトレードができないようになっている。(実は規制が入るちょっと前の時代ではトレードできていた)。仮想空間上で現実のお金と同じように「価値」が出るととても問題が起こりやすい。ゲーム内通貨がゲーム中の強さに直結する。トレードができる。そこを稼ぐための生業がある。
生きるため、強くなるため必死に知恵を絞ってゲームをプレイする必要があった。強くなりたいのゲームの目的があって、その目的を達成するためにバトルや生産といった楽しみがあったから楽しいゲームだった。強くなる目的にもギルドを強くしたい、レベルをあげたい、お金を稼ぎたいなどの様々な目的があった。その目的を達成するために様々な方法があった。
狩場が沢山あった。戦い方が異なるため、1人1人が違った工夫ができた。飽きずに遊べた。
最初に目指した職業は騎士職だった。
それまでコンシューマゲームをやってきたので、職業は主人公職の勇者一筋だった。NPCの牛乳商人からで牛乳を重量一杯まで購入し露天で買ったファルシオンという初心者用の安い剣を担ぎ、下水道ダンジョン、その後アリ地獄でひたすらレベルを上げた日々。アリからゴミ素材とクモからドロップするロイヤルゼリーを重量一杯まで拾いプロンテアに戻り牛乳を買い込み何度もアリ地獄ダンジョンを往復する生活を送っていた。
でも、その頃気づく、いろんなプレイヤーの影響を受け、自分が勇者でなくても気にならず、勇者の持つカッコいい剣にこだわりがなくなり敵に攻撃しなくても楽しめるどんな職でも楽しめれば主人公ということ。そんな職業が「商人」
MMOというのものが知っているつもりでいたけど、全然分かってはいなかった。剣を振るう勇者職業以外にもたくさんの誇れる生き方があり、たくさんの職業があるという事も。それら様々なプレイヤーがいるという事、様々な遊び方を認めるという事がMMOで生活するという事。
レベル上げが目的でないことに気づく。目的が自分が楽しむことになり。その事に気がついた頃にこのゲームを引退。学業とアルバイトが忙しくなっていた。
第2話に続く。次はグッドナイトファンタジーのメカニクスの話になります。ドミニオンやザ・マインドのプレイで感じた事とか、過去の試作品の紹介です。
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