ワーママ 職場で足りなくなった脳内メモリー

職場に新人が入ってきた。
そもそもが人手不足で、教育係になれる人材なんて居ない。
全ては暗黙の【うさみ任せ】。

(ちょっと待ってくれよ)
山積みのタスクがグラリと揺れる。
手の着けようがないが、新人教育=『最優先』であることは明らかだった。

「新人さんと一緒にこの業務をお願いします。」
既存メンバーとの抱き合わせを思いつき、ペアになって取り組んでもらうことにした。
「マニュアルはあるので、後で一緒に復習しましょう。」
二人を残してその場を離れた。
忙しさの中、合間を縫って作ったそのマニュアルは正確ではない。ポロポロと【記入漏れ】が目立ってきている。分かっていても編集出来ない。時間がない。

(私が居なくて、この二人はやれるのだろうか)
心配で覗きに行った。

「これの次はこれ。その時にはこれを使います。」
マニュアルにない手順を、教えている最中だった。それは既に私の頭から消えていたのに、彼はそれを覚えていたのだ。

感動した。
私の頭1つで足りないのなら、他の人の頭を借りればいい。そう言われた気がした。

全てはトライアンドエラーと言うことで。
今日も頑張ろうと思った。

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